ウリカワの防除法を確立するための基礎的知見として, 2, 3の生態的特徴を明らかにした。結果の要旨は以下のようである。
1. わが国におけるウリカワの分布は, 相対的にいわゆる西南暖地に多い。
2. ウリカワの生育環は地下部の匐枝, 塊茎の発達変化から4時期に大別することが出来る。すなわち, 1) 初期発生期, 2) 匐枝増殖期, 3) 塊茎形成期, 4) 塊茎完成期である。
3. ウリカワの出芽深度は, 多年生雑草としては必ずしも深くなく, 発生個体の80%は3~4cm以内より出芽発生してくる。
4. 新匐枝の分化は, ウリカワが地上に抽出し, 第1葉の展開した直後におこる。しかし, 新根の発生はそれに先だち, 匐枝として土中を上向伸長中におこる。
5. ウリカワの個体数の増殖は, 発生時期に関係なく
S字形増殖曲線を画いて, 9月上~中旬まで行なわれる。しかし, 増殖の絶対値は発生の早いものほど高い。
6. ウリカワの塊茎は, 湛水下温度条件が適切 (20~30℃) であれば常に発芽可能であり, 明瞭な休眠性はないと考えられる。
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