帰化アサガオ類は畦畔からダイズほ場へつるを侵入させ種子散布する。生産現場の慣行の畦畔管理作業に9月の除草剤処理を追加することのつるの侵入と種子散布の防止を検証するため,畦畔にマルバアメリカアサガオ(Ipomoea hederacea Jacq. var. integriuscula A.Gray)を播種し,グリホサートカリウム塩48%液剤の処理回数を変え地上部乾燥重量とほ場への侵入程度,種子散布量を調べた。無処理区ではダイズほ場の4条目(畦畔際から2.4 m),6,8月の2回処理では1条目まで(0.6 m)侵入し種子散布した。6,8,9月の3回処理では1条目まで侵入したが,種子散布を完全に防いだ。
水稲作において匍匐茎を伸長させて本田内に侵入したアゼガヤに対するシハロホップブチル乳剤(以下CB剤)の処理薬量,処理時期が生育に及ぼす影響を調査した。アゼガヤ出穂前のCB剤の300~900 g a.i./ha処理では,処理薬量の増加とともに防除効果が向上し,900 g a.i./ha処理で本種の生育および出穂を強く抑制し,処理55~63日後の草高は無処理区比14~28%,穂数は0~1%であった。同薬量による効果は処理時期によって変動し,出穂前処理の効果が最も高く,出穂を抑制したのに対し,出穂始期以降の処理では効果が低下し,出穂盛期の処理では穂数は無処理と同程度であった。
2020年に鈴鹿市で採取したオヒシバ(Ei01)について,ポット試験でグリホサート処理(270 g a.e./10a)を行ったところ,2週間後の調査でEi01は生き残り,無処理区比で23%の生育を示した。同年に鈴鹿市の2箇所で採取したオオアレチノギク(Cs01およびCs02)についても同様にグリホサート処理を行ったところ,3週間後の調査でCs01およびCs02はともに生き残り,それぞれ無処理区比で59%および20%の生育を示した。グルホシネート処理(101.75 g a.i./10a)は,Ei01,Cs01およびCs02のいずれに対しても高い効果が認められた。