雑草研究
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24 巻, 4 号
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  • 小野 松治
    1979 年 24 巻 4 号 p. 217-220
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 第4報 光化学反応系に及ぼす除草活性物質CDおよびMCMDと薬害軽減剤OMの影響
    沖井 三孔, 鬼武 達也, 近内 誠登, 竹松 哲夫
    1979 年 24 巻 4 号 p. 221-225
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    除草活性物質N-(3,4-dichlorophenylcarbamoyl)-N-methyl glycine・H2O (CD) およびN-(3,4-dichlorophenylcarbamoyl)-N-methyl β-alanine methyl ester (MCMD) の植物 (コムギ, メヒシバ, ホウレンソウ, アオビユ) 別のヒル反応および循環式光燐酸化反応に対する阻害が薬害軽減剤OMの加用によりどのように変化するかを diuron を比較薬剤として調べた。
    (1) CDおよびMCMDの両I50は10-4M程度であり, diuron に比較しはるかに弱い活性を示した。 OMは2×10-3M以下では全く影響を示さなかった。
    (2) MCMDはCDに比べ高い阻害活性を示した。また, CDおよびMCMDのヒル反応のI50は上記の広葉植物の方がイネ科植物よりも大きく, 茎葉処理試験の結果と一致しなかった。
    (3) CDおよびMCMDによる上記反応阻害はOM加用によっては軽減されず, 逆に阻害度が増大した。
  • 第5報 OMの水耕処理効果と薬害軽減作用機構の想定
    沖井 三孔, 西村 正, 近内 誠登, 竹松 哲夫
    1979 年 24 巻 4 号 p. 226-232
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    OMの水耕処理効果, α,ω-diaminoalkanes (DA) の茎葉処理による薬害軽減効果とクチンの化学構造, DAの分子サイズやlog Pとの関連性などを検討し, OMによる薬害軽減の作用機構を想定した。
    (1) OMの水耕処理ではCDによるコムギの薬害を軽減できないこと, ワタの diuron に対する耐性を増大できないことが認められた。
    (2) DAによるCDのコムギ薬害軽減効果やダイコンに対する耐寒性効果とDAの分子サイズやlog Pとの間に緊密な関連のあることが示唆された。
    (3) クチンに係わる化学構造, 構成成分, 生合成経路から, クチンは octamethylene 単位の空隙を有し, これにOMが挿入することで薬害が軽減されるものと想定された。
  • 野口 勝可, 中山 兼徳
    1979 年 24 巻 4 号 p. 233-239
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    主要な畑雑草種子の発芽および出芽と水分条件との関係について, 普通作物, 牧草種子と比較, 検討した。
    1) 土壌水分条件を変えて出芽との関係を検討した結果, 各供試植物とも含水比54.6% (pF 1.5) の条件で最も出芽率が高く, 含水比の低下とともに出芽率も低下し, また平均出芽日数が増加した。土壌水分の低下による出芽率の減少は普通作物より雑草と牧草で著しく, 出芽のための限界的な土壌水分条件は, 含水比で作物では20%前後, 雑草と牧草は25~30%と推定された。なお, 本試験の範囲では, 雑草間の異差についてははっきりしなかった。
    2) 土壌水分の違いによる出芽率の差異は種子の吸水力が関与しており, グルコースモル濃度により浸透圧を変えて試験した結果, 種子の吸水力は作物で大きく, 雑草と牧草は小さかった。また, 浸透圧の高い条件では草丈・主茎長や根の伸長などの生育も抑制された。
    3) 圃場において, 地表面 (0~1cm層) の土壌水分は, 灌水後数日で含水比25~30%以下に低下し, 雑草種子の出芽限界以下になるが, それより下層 (1~2cm層) では比較的安定しており, 種子位置のわずかの違いが出芽にとって重要な要因であることが明らかとなった。
  • 岩崎 桂三, 植木 邦和
    1979 年 24 巻 4 号 p. 240-242
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    The chromosome numbers in the pollen mother cells of Scirpus juncoides Roxb. var. hotarui Ohwi, S. juncoides Roxb. var. ohwianus T. Koyama and S. wallichii Nees were investigated, and recognized as follows:
    1. The numbers of chromosomes in the PMC of S. juncoides var. hotarui, S. juncoides var. ohwianus and S. wallichii were 22, 37 and 36 respectively.
    2. The chromatin bridges were not observed in the I- and II-anaphase in these three species.
  • 第1報 連用開始後5年次までの雑草発生相の変化
    坂本 真一, 江藤 博六, 梶本 明, 梅木 佳良
    1979 年 24 巻 4 号 p. 243-246
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    水稲早期移植栽培田において, CNP粒剤など数種の除草剤を供試して, 1973年以降同一除草剤を連用した。そして, 毎年処理除草剤を変えた区, 機械除草区および無除草区との比較において, 連用開始後5年次までの雑草発生相への影響を見た。
    1) 除草剤の連用によって,雑草発生相は2年次ないし3年次から変化した。
    2) CNP粒剤のように, 一年生雑草にのみ有効な除草剤を連用した場合には, 発生相の経年変化が大きく, 2種以上の多年生草種が主体となって残存し, 増加した。
    3) ベンチオカーブ・CNP粒剤など, 一年生雑草のほか, 一部の多年生雑草にも有効な除草剤を使用した場合には, 発生相の経年変化は比較的小さかったが, 残存した草種は漸増する傾向にあった。
    4) これらの発生相の変化は, 処理除草剤の選択殺草性の差異によるとともに, 残存した草種相互間の競争関係に起因するものと推察された。
    5) 西南暖地の水稲早期移植栽培田では, 特定草種に効果の劣る除草剤の連用は, 2ないし3年以内に止めるのが賢明であり, その後は別の防除法を導入することが必要であると考えられる。
  • 武市 義雄, 小山 豊
    1979 年 24 巻 4 号 p. 247-253
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1978年に千葉県に発生した水稲のわい化症の発生実態を調査し, 大要次のような結果を得た。
    1) 障害を受けたイネは, 草丈が正常株の1/2~2/3となり, 葉色は濃緑色を示し, 分げつの発生が不規則となり, 根は量が少なく褐変していた。
    2) 圃場内の発生様相は, コーナー, 畦畔部, 線状, スポット状, 全面の5型に分類できた。
    3) わい化症の発生圃場では, 必ずベンチオカーブ剤を使用しており, また全体の70%強の圃場で生わらあるいは牛糞厩肥の投入がみられた。
    4) 同一圃場内のわい化症発生株付近の土壌は, 正常株付近の土壌より還元程度が強かった。
    5) 発生圃場の土性は壌質, 壌粘質, 砂質にわたり, 湿田から乾田までと幅広く, わい化症の発生と土壌条件との間には一定の関係はみられなかった。
    6) わい化症の発生にはベンチオカーブが関与するが, わらの施用条件, 土壌の還元状態との関連が深く, その他の要因として温度, 苗素質, イネの栽培条件, 除草剤の使用条件などが関係して発生するものと推定された。
  • 岩崎 桂三, 綿島 朝次, 萩本 宏
    1979 年 24 巻 4 号 p. 254-259
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    雑草防除上呼ばれるところの“ホタルイ”は, 幼植物が相互によく似たホタルイ, イヌホタルイおよびタイワンヤマイの総称である。そこで, これら3草種を的確に防除するために, 3草種のピペロホス・ジメタメトリン粒剤 (CG102) とピペロホス・ジメタメトリン・ベンタゾン粒剤 (TH63) およびこれらの有効成分単剤に対する感受性を調べた。
    1. 2.7葉期のホタルイは, CG102およびTH63の100g/a (粒剤量, 以下同じ) の処理でもほぼ完全に枯死した。しかし, 2.9葉期のイヌホタルイと2.6葉期のタイワンヤマイは, CG102の処理では300g/aでも完全には枯死しなかった。TH63も, 100g/aの処理では両草種に70%の抑制率しか示さなかったが, 300g/aではイヌホタルイに96%, タイワンヤマイに87%の高い抑制率を示した。
    2. ピペロホスは3草種のいずれにも高い効果を示した。さらに, ピペロホスと他の有効成分の同時処理の効果は, 各成分の単独処理の効果よりも高かった。ジメタメトリンの効果は, ホタルイにはピペロホスよりも高かったが, 他の2草種には低かった。ベンタゾンの効果もホタルイに対して最も高かった。
    3. 3.7葉期までのホタルイは, CG102およびTH63の300g/aの処理によって, 漏水の有無に関係なくすべて枯死した。しかし, 4.5葉期までのイヌホタルイに対してはCG102とTH63が, 3.9葉期までのタイワンヤマイにはTH63が共に無漏水条件下で高い効果を示したが, これらの効果は漏水によって低下した。
    4. 4.9葉期のホタルイは, 水深(1~6cm)と減水深 (1~5cm/日) に関係なく, TH63の300g/aの処理で完全に防除された。しかし, 4.2葉期のイヌホタルイと4.6葉期のタイワンヤマイに対するTH63の効果は, 水深3~6cmでの1~5cm/日の漏水によって著しく低下した。この低下は処理時の水深を1cmとすることで防止できた。
  • 収着に影響を及ぼす二・三の要因
    達山 和紀, 江川 宏, 山本 広基, 中村 美弥子
    1979 年 24 巻 4 号 p. 260-263
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ホテイアオイを用いた汚濁水からの鉛, カドミウム, 銅の除去の可能性を検討した。
    種々の濃度の2lの重金属溶液に1株宛のホテイアオイを浮遊させ, 一昼夜経過後の根部の重金属収着量を測定した結果, いずれの濃度においても鉛の収着量が最も多く, ついでカドミウム, 銅の順であった。鉛の収着量の上限は根の乾燥重1g当たり約70mgであった。鉛の収着量は燐酸塩の存在によって低下したが, これは溶液中の鉛の有効濃度が減少したことによるものと考えられた。ホテイアオイによる重金属の収着は, 供試溶液をマグネチックスターラ, または曝気ポンプで撹拌することによって著しく促進された。
  • 第1報 ベンチオカーブ剤の処理方法とわい化症の発生及び水稲の生育, 収量
    小山 豊, 武市 義雄, 山田 忠男
    1979 年 24 巻 4 号 p. 264-271
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1979年に千葉県長柄町の水田でベンチオカーブ剤によるイネわい化症の再現試験を行った。
    (1) 5月4日移植直後に初期剤を散布し, 25日後に中期剤を散布した。わい化症は30~35日後に観察され始め, 45~56日後に最も顕著に現れたが, その後回復に向った。また, わい化症発生初期にシメトリンによる葉枯れも認められた。
    (2) わい化症はベンチオカーブ無散布区と中期剤としてのみベンチオカーブを散布した区には全く認められなかった。初期剤としてベンチオカーブを散布した区ではいずれにもわい化症株は発生したが, その程度は区間で著しく異なり, 概して多量散布区で顕著に, 同じ薬量では稲わらの秋すき込み区で顕著に発生した。
    (3) わい化症によって, 草丈は抑制されたが茎数の増加した株と, 草丈・茎数ともに抑制された株を生じた。前者の株の穂は主稈が減少し, 第一次分げつでは第4~7節の分げつが抑制され第8節以上で増加し, 第二次分げつも増加した。
    (4) わい化症が顕著に発生した場合には収量も著しく減少した。収量の低下は一穂頴花数の減少と登熟歩合の低下によって生じ, 葉枯れが著しかった場合には穂数の減少も重なって減収を大きくした。
    (5) 土壌の酸化還元電位は, 移植25日後に最も低下し, 稲わらの秋すき込み区で最も低く, 次いで春すき込み区, 搬出区の順であった。しかし, その差は小さかった。
  • 第2報 土壌と田面水中におけるベンチオカーブと脱塩素ベンチオカーブの消長
    山田 忠男, 千坂 英雄, 小山 豊, 武市 義雄
    1979 年 24 巻 4 号 p. 272-280
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    千葉県長柄町の水田でベンチオカーブ剤によるイネわい化症の再現試験を行い, その土壌と田面水中のベンチオカーブと脱塩素ベンチオカーブの消長を測定した。
    土壌中の脱塩素ベンチオカーブ含量は測定時期と場所により大きく異なっていた。初期除草剤散布前後には深さ0~10cmの土壌中に微量に認められただけであるが, 25日後に多量に検出され始め, 35日後から45日後にかけて最高となり, その後急速に減少した。この物質はわい化症発生の著しかった試験区に多量に検出され, また同一区内でも被害の顕著なイネ株の近くで多量に検出され健全株の近くでは少量しか検出されなかった。土壌の深さ別では0~5cm層の含量が高く, 下層の含量はきわめて少なかった。脱塩素ベンチオカーブは田面水中にも検出され, その消長は土壌の場合とよく似ていた。
    土壌と水中の脱塩素ベンチオカーブの消長とイネのわい化症発生経過はきわめてよく対応し, この物質がわい化症の直接原因物質であることを確認した。ベンチオカーブそのものの残留測定値によりわい化症の発生を説明することは困難であった。また, 脱塩素ベンチオカーブ以外にわい化症と関連のありそうな物質は見いだされなかった。
  • 高林 実, 中山 兼徳
    1979 年 24 巻 4 号 p. 281-285
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1) 各草種の最大出芽深度は, ヒメイヌビエ, ツユクサが最も深く10cm, 次いでメヒシバ, オオイヌタデ, エノキグサ, シロザが5cm, クワクサが3cm, スベリヒユが2cm, カヤツリグサが最も浅く1cmであった。なお, イヌビユの最大出芽深度は試験間の変動が大きく, 1~5cmと変動した。
    2) メヒシバ, カヤツリグサの出芽率は, 採種後1年以内の種子に比べ採種後1年以上経過した種子で高く, この出芽率の差異は種子のもつ光要求性と関係のあることがうかがえた。特にカヤツリグサは暗所のシャーレ内ではほとんど発芽せず, 光要求性が高かった。
    3) オオイヌタデ, ツユクサの地表での出芽率は, 覆土深1, 3cmの出芽率に比べて著しく低かった。
  • 鈴木 邦彦, 広瀬 和栄
    1979 年 24 巻 4 号 p. 286-287
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 山末 祐二, 吉岡 俊人, 北岡 政弘, 植木 邦和
    1979 年 24 巻 4 号 p. 288-290
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 一前 宣正, 児嶋 清, 野口 勝可, 芝山 秀次郎
    1979 年 24 巻 4 号 p. 291-297
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 24 巻 4 号 p. 298-301
    発行日: 1979/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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