雑草研究
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46 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 稲垣 栄洋, 沖 陽子
    2001 年 46 巻 4 号 p. 261-266
    発行日: 2002/01/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    イチビの密度を試験的に変化させた条件下で, トウモロコシとイチビを混植し, その生育について検討, 以下の結果を得た。
    1) 高密度条件下においてもイチビは自己間引きによる個体数の減少を示さなかった。高密度条件下ではイチビの草高はトウモロコシと同程度に推移し, トウモロコシとの光競合が問題になると考えられた。
    2) トウモロコシ1個体 (4.4個体/m2) に対してイチビが1個体の場合でも20%程度の減収が認められた。
    3) トウモロコシとイチビの乾物重比はトウモロコシ播種後40日目で決定しており, トウモロコシ初期生育時にイチビを抑制することが重要であると考えられた。トウモロコシ1個体 (4.4個体/m2) に対してイチビ16個体の場合には, 播種後40日目におけるイチビの葉群の分布はトウモロコシと同じ高さに分布していた。しかし, イチビ4個体及び1個体の場合にはその葉群はトウモロコシ葉群の下層に分布していた。
    4) 高密度条件下では, 相互遮蔽によりイチビの〓果生産が群落の上層に偏り, 個体当たりの〓果生産量は低下した。一方, 低密度条件下では, トウモロコシ収量に対する害作用は減少するものの, 個体当たりの〓果生産量は増加した。
  • 佐合 隆一, 高橋 宏和, 高柳 繁
    2001 年 46 巻 4 号 p. 267-272
    発行日: 2002/01/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    雑草防除の適正化とコストの低減をはかるためには, 雑草個体群の動態や埋土種子量・発生量などを把握することにより, 雑草防除手段を選択するプログラムを作成することが重要となってきている。本研究は茨城県南地域で小型の一年生雑草が優占している水稲栽培水田で埋土種子数と雑草発生量を調査し, 雑草の水稲に対する害が認められない埋土種子数のレベルを推定することを試みた。本調査方法では埋土種子数が深さ1.5cmあたりアゼナ類で1,500粒/m2, カヤツリグサ類で200粒/m2, 一年生雑草全体では3,000粒/m2を越えた場合には雑草の発生量を推定することができ, 埋土種子からの本田での発生率は, アゼナ類で2.5%, カヤツリグサ類で4.9%, コナギで16.4%, 一年生雑草全体では5.2%であった。また, 雑草害が明確とならない雑草の発生量は埋土種子数が3,000粒/m2以下であることを推定した。
  • 稲村 達也, 山本 卓司, 吉田 弘, 杉山 高世, 西尾 和明
    2001 年 46 巻 4 号 p. 273-281
    発行日: 2002/01/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    著者らは, 除草剤処理や遮光処理によるクログワイ(Eleocharis kurogumi Ohwi) の塊茎形成期間における吸収日射量の抑制による同化産物の供給制限が塊茎生産量の顕著な抑制をもたらすことを明らかにしてきた。同化産物の供給制限に基づいたクログワイの実用的な防除法を確立するためには, 塊茎生産量を最も効果的に抑制できる同化産物の供給制限法を明らかにする必要がある。
    本試験では, クログワイが自然発生する水田において水稲とクログワイとの混植群落を対象に, 塊茎形成期間の4時期に対してそれぞれ遮光処理 (75%遮光) を行なった。処理により塊茎形成期間におけるクログワイ群落の吸収日射量を制御し, その同化産物の供給を人為的に変化させることで塊茎生産量を抑制した。そして, 塊茎形成期間における吸収日射量と地上部生育並びに塊茎生産量との関係を解析した。
    処理区では, 遮光処理を取り除いた後の非遮光期間においても同化器官である茎表面積の抑制が続き, 遮光処理が早い処理区ほど塊茎形成期間の吸収日射量の低下が顕著であった。4時期の遮光処理のなかで, 塊茎形成初期 (塊茎形成始期から15日間) の遮光処理による塊茎生産の抑制効果が最も顕著であった。そして, 塊茎形成初期における遮光処理は, 塊茎生産をほぼ最小化しており, クログワイの塊茎増殖の抑制効果を期待できる水準まで塊茎生産量を抑制していたと推察された。
    一方, 塊茎生産量は塊茎形成過程における全期間の吸収日射量に支配され, その中でもとくに塊茎形成初期の吸収日射量に影響されることから, 塊茎形成初期における塊茎への同化産物の供給不足による塊茎の乾物蓄積能力の低下やこれによる塊茎の早期発育停止の可能性が示唆された。今後, 塊茎形成初期における遮光処理の期間と強度が塊茎生産に及ぼす影響を詳細に検討するには, 遮光処理を取り除いた後の同化産物供給量の変化を明らかにすることが重要である。この場合, 遮光解除後の吸収日射量の利用効率や同化産物の分配率の変化や同化産物の供給再開にともなう塊茎の新たな分化と再肥大について検討することが必要と考えられた。
  • 小荒井 晃, 芝山 秀次郎
    2001 年 46 巻 4 号 p. 282-290
    発行日: 2002/01/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    水田一年生雑草のコナギ, アゼナ類, ミゾハコベ, キカシグサ, ヒメミソハギおよびタマガヤツリを対象雑草として, 代かき前の土壌水分条件が各雑草の発生本数, 発生消長および出芽深度に及ぼす影響を代かき時期別に調査した。4月上旬から代かきまで乾燥条件にした区 (乾燥区) では, 代かき時期が4月から7月へと遅くなるにしたがって, コナギおよびキカシグサを除く調査雑草の発生本数は増加した。4月上旬から代かきまで湿潤条件にした区 (湿潤A区) では, これら雑草の発生本数は代かき時期にかかわらず一定であった。4月上旬から代かき10日前まで乾燥条件に保ち, その後代かきまで湿潤条件にした区 (湿潤B区) では, これら雑草の発生本数は乾燥区より少なかった。コナギの発生本数は, 代かき前の土壌水分や代かき時期の影響を受けず, 一定であり, キカシグサの発生本数は, 湿潤A, B区では, 上記雑草と同様の傾向を示したが, 乾燥区では代かき時期が遅くなるにしたがって減少する傾向を示した。水田土壌から発生した草種, 発生消長および出芽深度については, 代かき前の土壌水分条件による差異は認められなかった。
  • 中村 英明, 川村 寿幸, 岩渕 政博
    2001 年 46 巻 4 号 p. 291-295
    発行日: 2002/01/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 46 巻 4 号 p. 296-302
    発行日: 2002/01/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 與語 靖洋
    2001 年 46 巻 4 号 p. 303-307
    発行日: 2002/01/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 白倉 伸一, 小林 浩幸, 伏見 昭秀, 小荒井 晃
    2001 年 46 巻 4 号 p. 315-318
    発行日: 2002/01/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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