Drug Delivery System
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32 巻, 3 号
DDSと免疫
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
[特集] “DDSと免疫”  編集:宇都口直樹
  • 宇都口 直樹
    2017 年 32 巻 3 号 p. 171
    発行日: 2017/07/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル フリー
  • 珠玖 洋
    2017 年 32 巻 3 号 p. 172-173
    発行日: 2017/07/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル フリー
  • 田原 義朗, 後藤 雅宏
    2017 年 32 巻 3 号 p. 176-183
    発行日: 2017/07/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル フリー
    経皮ワクチンとは、皮膚から抗原を投与することで体内の抗原特異的な免疫を誘導し、感染の予防や疾病治療を行うことを目的とした医薬品である。経皮ワクチンの構築には、皮膚の高いバリア層を乗り越えるDDS技術が必要であり、20年近くにわたる研究が行われてきた。本稿では、タンパク質やペプチドからなる抗原を油中にナノサイズで分散させるSolid-in-Oil(S/O)技術と、本手法を用いた経皮デリバリーや経皮ワクチンへの応用についてまとめた。最初にS/O製剤の成り立ちと、他のエマルション製剤と比較したときの特徴について解説し、インスリンをはじめとしたタンパク質製剤の経皮デリバリーの研究について紹介する。続いて、現在までに行われてきた経皮ワクチンについて他の研究についても概観し、S/O製剤を用いた経皮ワクチンのモデル抗原による基礎的検討、ならびに、実際の予防や治療効果について最新の研究を紹介する。
  • 藤原 健人, 岡田 直貴
    2017 年 32 巻 3 号 p. 184-191
    発行日: 2017/07/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル フリー
    がん細胞特異的な細胞傷害性T細胞(CTL)を移入する養子免疫療法は、原発がんの退縮のみならず転移や再発の抑制にも効果を発揮する理想的ながん治療戦略として期待を集めてきた。しかし、機能的CTLの大量調製が困難であったり、移入CTLの腫瘍集積性が乏しかったりすることが臨床応用の障壁となっている。この打開策として開発されたのがキメラ抗原受容体(CAR)発現T細胞を用いる次世代養子免疫療法であり、血液系がんに対する劇的な臨床効果の報告によって実用化に向けた開発研究が活況を呈している。本稿では、CAR-T細胞療法研究の動向と課題について概説するとともに、筆者らの腫瘍血管傷害性CAR-T細胞療法について紹介する。
  • 野村 鉄也, 宇都口 直樹
    2017 年 32 巻 3 号 p. 192-198
    発行日: 2017/07/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル フリー
    がん免疫療法は、生体が有する免疫機能を利用することでがん組織特異的な免疫を誘導し、がん治療へと応用する手法であり、臨床への展開が日々進んでいる。本研究において筆者らは、がん組織で構築されるがん血管に着目し、ワクチン抗原として利用した免疫療法の開発を試みた。がん血管を標的としたワクチンは、がん細胞自身を標的とした場合に比べて、効果的にがん増殖を抑制できることが示された。また、創傷治癒などの生理的な血管新生には影響を及ぼさないことも明らかとなった。さらに、同種のがん由来の血管のみならず、異種の血管を用いた場合にも転移抑制できるなど、これまでに同定されている多くのがん抗原とは異なり、本治療法ががん種に依存しない汎用性の高い治療法であることが示唆されたので、ここに総説としてまとめた次第である。
  • 清水 太郎, 異島 優, 石田 竜弘
    2017 年 32 巻 3 号 p. 199-207
    発行日: 2017/07/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル フリー
    補体系は、自然免疫系の1つであり、初期の異物認識機構で中心的な役割を果たしており、病原体だけでなく、人工のナノ粒子の排除にも深く関わっている。補体系の活性化(カスケード反応)に伴い、生物学的活性をもつさまざまな分子が生成され、異物の貪食や炎症反応を誘導している。ナノ粒子の物性に応じて補体の活性化の程度はさまざまに変化するため、ナノ粒子の予期せぬ体内動態変化や毒性発現が想定されている。このような現象はナノ粒子による薬物送達効率を低下させるため、ナノ粒子に対する補体活性化機構を理解することは、非常に重要である。一方で、補体活性化に伴う免疫活性化は、ナノ粒子を用いたワクチンへ応用することが可能であると考えられる。本稿では、ナノ粒子に対する補体活性化の負と正の両側面について紹介する。
  • 金田 安史
    2017 年 32 巻 3 号 p. 208-217
    発行日: 2017/07/25
    公開日: 2017/10/25
    ジャーナル フリー
    がんの死亡率は依然としてわが国でもトップであり、その克服を目指して日夜研究が続けられている。がん組織へ抗がん剤をはじめとする治療分子を選択的に送達するDrug delivery system(DDS)についても古くから大きな期待が寄せられ、リポソームや高分子ミセルなどのナノ粒子の開発が進められてきた。しかし抗がん剤や分子標的剤には導入された細胞しか治療できないという限界とともに、それら治療剤に抵抗性のがん細胞が必ずといってよい頻度で出現する。一方、最近、がん治療において革新的な治療法がもたらされつつある。特に、免疫チェックポイントを阻害する抗体療法で代表されるように、新たな観点からの免疫治療剤への期待が高まっている。DDSにおいても抗腫瘍免疫を活性化するアプローチが望ましいのではないかと考えられている。筆者らは、Hemagglutinating virus of Japan(HVJ、Sendai virus)を不活性化した粒子HVJ-envelope(HVJ-E)自体に抗腫瘍免疫活性化やがん細胞選択的細胞死誘導作用があることを見出し、その粒子内に治療分子を封入し、さらに抗腫瘍活性を高めることに成功した。HVJ-Eの臨床応用を進めつつ、ベクターとして治療分子を封入し治療効果の増強を動物実験で検証し、次の臨床応用を目指している。
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