日本緑化工学会誌
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36 巻, 3 号
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特集
論文
  • 近藤 順治, 廣部 宗, Khorloo UUGANTSETSEG, Narantsetseg AMARTUVSHIN, 藤田 昇, 坂本 ...
    原稿種別: 論文
    2010 年 36 巻 3 号 p. 406-415
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/09/27
    ジャーナル フリー
    草原生態系における大型哺乳類による放牧が一次生産量や物質循環速度に与える影響は,気候や土壌養分条件によって促進方向にも抑制方向にも働く。モンゴルでは低緯度ほど乾燥の程度が強く,草原生態系のタイプは北から南へと森林ステップ,ステップ,ゴビステップの順に変化する。本研究では,モンゴルの乾燥程度が異なる3 つの草原生態系を対象とし,気候条件の違いと放牧の影響の関係を土壌化学性から明らかにすることを目的とした。3 つの草原生態系において,被食防護柵の内外から表層土壌(0.10 cm)を採取・分析した結果,乾燥が強くなると,土壌pH の上昇とともに植物の必須多量元素濃度などは減少し,みかけの窒素形態変化速度は低下した。また,土壌養分濃度は放牧の有無で顕著な違いが見られなかったが,みかけの窒素形態変化速度は放牧があると低下し,pH は放牧があると上昇した。これらから,放牧は,気候条件に関わらず,表層土壌の養分濃度に顕著な影響を及ぼさないが,土壌をアルカリ化させることにより,窒素形態変化速度を低下させ,モンゴルの草原生態系に対して抑制方向に影響を及ぼしていると考えられた。
  • 崔 東寿, 戸田 浩人, 李 忠和
    原稿種別: 論文
    2010 年 36 巻 3 号 p. 416-422
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/09/27
    ジャーナル フリー
    土壌酸性化により衰退現象が確認された韓国の安山工業団地内の森林土壌に石灰を添加し(0,2.0,3.0,4.0 ton/ha),森林土壌とチョウセンゴヨウの成長及び生理反応に及ぼす影響を調査した。石灰添加3 年後,石灰添加量の増加と共に土壌pH は4.0 から4.9 付近まで有意に増加し,土壌呼吸量も有意に増加した(p<0.05)。土壌に添加した石灰量の増加と共に針葉中のリン濃度とクロロフィル(a+b)の含有量が有意に増加し,チョウセンゴヨウの光飽和時とCO2 飽和時の光合成速度が高くなった。さらに,チョウセンゴヨウの成長パラメータである,3 年生針葉の残存率と3 年生シュートの長さと根元直径は土壌に添加した石灰量の増加と共に有意な増加が認められた(p<0.05)。チョウセンゴヨウの根と共生する外生菌根菌の感染率は土壌に添加した石灰量の増加と共に低下した。
  • 阿部 克也, 古川 和弥, 小野 擴邦
    原稿種別: 論文
    2010 年 36 巻 3 号 p. 423-430
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/09/27
    ジャーナル フリー
    クラゲ由来混合タンパク質を用いた気生微細藻類による壁面緑化の基礎的研究を行った。まず,本学八王子キャンパス内において乾燥したコンクリート壁面,樹皮( スギ製棒杭),石像,スチール製看板塗装面などの表面から気生微細藻類の緑色コロニーを採集した結果,緑藻綱に属するElliptochloris reniformis(E. reniformis)を単離することができた。また,東京湾の夢の島付近から採取したミズクラゲからコラーゲンやムチンなどを含むタンパク質を抽出することができた。E. reniformis は,ミズクラゲ由来混合タンパク質(ムチンなど)を有機窒素源として取り込むことで増殖することが分かった。さらに,そのタンパク質が藻細胞による壁面緑化の初期段階において栄養の供給源の一つになったものと考えられる。したがって,クラゲの有効利用方法および抽出されたタンパク質が気生微細藻類による壁面緑化の助長材料として初期段階において利用可能であること,気生微細藻類の持つ基物着生能力に着目した壁面緑化が可能であることが分かった。
技術報告
  • 野島 義照, 田中 克奉, 永石 憲道, 児玉 可奈子, 三谷 康彦, 木田 幸男
    原稿種別: 技術報告
    2010 年 36 巻 3 号 p. 431-437
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/09/27
    ジャーナル フリー
    移植したクスノキ1 本の根鉢の周囲4 方向の植栽基盤として,1995 年にアメリカで発表された都市における新しい樹木の植栽基盤である Structural Soil Mix に準拠した4 種類の異なった根系誘導耐圧基盤での4 年4 カ月後の根系の生育状況を比較した。軽くて保水性がいい火山砂利を骨材とし生育助材を加えたもの(タイプA),火山砂利を骨材とし生育助材を加えないもの( タイプB),今後継続的に発生する廃コンクリートを再生した再生コンクリートを骨材とし生育助材を加えたもの(タイプC),再生コンクリートを骨材とし生育助材を加えないもの(タイプD)を用いて根系の生育状況を測定した結果,タイプA,タイプC,タイプB,タイプD の順で根の生育が良好であった。
技術資料
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