十勝地区の圃場越冬ナガイモの品質変化を, 越冬前の1986年11月より越冬後の1987年4月にかけて研究した。ナガイモ根圏の土壌中空気のガス組成は, 大気と比較して2~4倍CO
2に富んだ。しかし, 土壌中空気のCO
2およびO
2濃度の地中深さによる差異は, 地表面下20cmから80cmまで認められなかった。すりおろし液の粘性は越冬中, 低下した。しかし, 弾性の減少はみられず, 曳糸の長さは増加した。ナガイモの胴部の存在する地表面下60cmにおける地温, 土壌中空気のCO
2濃度およびO
2濃度のすりおろし液の粘性係数におよぼす影響について, 重回帰分析を用いて検討した結果, 1%の危険率でCO
2およびO
2濃度の影響は小さく, 地温の影響の大きいことが分かった。従って, 越冬中のすりおろし液の粘性係数は, 地表面下60cmの地温の関数として表すことができた。
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