農業機械学会誌
Online ISSN : 1884-6025
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75 巻, 3 号
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論説
特集
テクノトピックス
論文
研究論文
  • 田中 良奈, 金城 みのり, 田中 史彦, 内野 敏剛
    2013 年 75 巻 3 号 p. 151-156
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    飼料用米の乾燥特性および乾燥熱効率について研究を行った。湿度を10 % RH一定,温度を 40,50,60,70,80°C に設定して,籾および玄米の高温での通風乾燥特性を調査した。さらに,乾燥時の試料に与える熱量と乾燥に要する熱量を算出し,乾燥条件ごとの乾燥熱効率の比較を行った。その結果,籾,玄米ともに乾燥温度が高いほど乾燥速度定数は大きな値をとること,および熱効率が大きくなることが明らかになった。
技術論文
  • 久保田 興太郎, 日髙 靖之, 柏嵜 勝, 市川 友彦, 小篠 玲二, 土門 正幸, 造賀 和成, 伊藤 正人, 大沼 信彦
    2013 年 75 巻 3 号 p. 157-166
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    実用的な穀物遠赤外線乾燥機の量産試作機の開発を行った。本乾燥機は,循環式乾燥機の穀物循環経路中に灯油バーナで加熱する方式の遠赤外線放射体を組込む構造とした。また本乾燥機は,遠赤外線放射体加熱残熱も再利用し,エネルギー効率を上げる構造とした。遠赤外線放射体の放射エネルギーの割合は投入エネルギーに対し平均 48 %で,放射される遠赤外線の中心波長は 4.8~5.1 μm と計算された。
     遠赤外線放射体を循環式乾燥機のa)乾燥休止部,b)熱風路,c)集穀室内に組込んだ穀物遠赤外線乾燥機の試作を行い,乾燥試験を行った結果,遠赤外線放射体を組み込まない熱風乾燥機に比して,乾燥効率が向上するとともに品質も問題なく乾燥することができた。また,3 型式について,それぞれ風量や穀物循環量の最適条件を明らかにした。
     最後に市販化の検討を行い,コストや取扱性などから,熱風路設置型と集穀室内設置型を採用することとした。
  • 大西 正洋, 藤井 幸人, 長澤 教夫, グエン キム クエン, 手島 司
    2013 年 75 巻 3 号 p. 167-174
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    稲わらおよび麦わらの成形にエクストルーダを用いた場合の適用性を明らかにするとともに,効率的な成形方法に資する知見を得ることを目的に,エクストルーダによる稲わらと麦わらの成形を試みた。その結果,稲わらは,穴の直径が 6 mm∼9 mm,厚さ19 mm の成形プレートを用いた場合,含水率 30∼45 %の未切断の状態で直接成形部へ投入しても,粉化率10∼30 %で円柱状に成形できることを確認した。また,処理能率は成形部へ投入する稲わらの長さが短くなるに従って向上する傾向が見られた。一方,麦わらを直接投入すると円柱状に成形できず,ベントナイトもしくはとび粉を添加することにより成形できたが,処理能率が低下した。
  • 田尻 智紀, 高田 洋吾, 川合 忠雄
    2013 年 75 巻 3 号 p. 175-180
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    本論文では,車輪型移動機構を持つロボットが移動できるような出発地点から目的地点までを結ぶ移動経路の作成を試みた。車輪型機構を持つ農作業用ロボットは,その機構的な要因から段差に進入することができない。そこで,地面の勾配を考慮した経路作成を行った。Q 学習は経路作成によく利用される手法のひとつである。Q 学習を用いて,ロボットに勾配の小さい最適な経路を学習させる。実際のロボットを用いて,段差やスロープのある実環境下で実験を行い,本手法の有効性を調べた。実験結果から,本手法の有効性が確認できた。
  • 山﨑 裕文, 北村 豊, 藤枝 隆, 元林 浩太, 重田 一人
    2013 年 75 巻 3 号 p. 181-188
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    軽量で動力源を要しない可搬型リアクタを試作して,飼料用米を籾のまま原料とする全粒糖化発酵法により,バイオエタノールの実験的製造を行った。積算発酵温度とエタノール生成率の間には正の相関(r=0.93)が認められた。ラボスケール実験において,3 回までの蒸留残液の返し仕込みと籾の損傷処理により,高温浸漬におけるエネルギーおよび時間をそれぞれ約 40%,1 時間低減できることが示された。返し仕込みと籾の損傷処理を行った際のエタノール製造量は 17.7 L/50 kg-籾となり,無水化過程の既往値を含めた EPR は 0.99 となった。新潟県佐渡市でのバイオエタノール生産を前提とした場合,原料製造から製品販売までの二酸化炭素排出量は 20.9 kg-CO2/GJ と概算された。
  • LOAN Nguyen Thi Thanh, 帖佐 直, 塚本 隆行, 東城 清秀
    2013 年 75 巻 3 号 p. 189-194
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    エアーアシスト条播機による水稲の湛水直播において,種籾を播種噴頭まで搬送し,播種する空気の流れ(主流)とは別の空気の流れ(補助流)を作用させて,種籾の運動を制御する手法について検討した。播種噴頭管内に補助流を作用させることによって,噴頭管から噴出する風速は最大で 28.0 m/s に達し,そのとき種籾の平均落下速さは 6.9 m/s となった。播種深度も深くなり,平均値で 7.2 mm になった。補助流を作用させたことで,種籾の落下方向が広がり,条幅も広くなる懸念もあるが,補助流を作用させる方向を調整することで,解決できる課題であることを示した。
  • ——ISO 11806における飛散物防護試験の検証と飛散物測定装置の開発——
    塚本 茂善, 森本 國夫, 高橋 正光, 小林 太一
    2013 年 75 巻 3 号 p. 195-202
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センターで行っている農業機械の安全鑑定では,刈払機の一層の安全性確保を目指して ISO に準拠した刈刃と飛散物防護カバーの強度試験をそれぞれ導入してきた。そこで飛散物防護カバーの防護性能の確認試験として,ISO の飛散物防護試験の導入について検討を行った。その結果,刈刃の種類によっては飛散自体が発生しない場合があったため,飛散物防護カバーの寸法要件の見直しも視野に入れつつ,刈払機での通常作業時に生ずる飛散を考慮した,各種刈刃により発生する飛散物の飛散方向を把握することができる装置の開発を行った。
  • ——飛散物の飛散方向測定——
    塚本 茂善, 森本 國夫, 高橋 正光, 小林 太一
    2013 年 75 巻 3 号 p. 203-209
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    刈払機の一層の安全性確保を目指して,第 1 報では ISO 11806 : 1997 に準拠した飛散物防護試験の安全鑑定への導入について検討を行い,その結果を受け,刈払機での通常作業時に生ずる飛散を考慮した新しい飛散発生方法の検討を行い,各種刈刃により発生する飛散物の飛散方向を把握することができる装置の開発を行った。本報では,その測定装置を用い,各種刈刃により発生する飛散物の飛散方向測定を行い,各種刈刃による飛散物の飛散方向の傾向が明らかになった。また,平成 21 年度までの安全鑑定基準に準拠した飛散物防護カバーでは防護されていない範囲があることも明らかとなり,安全鑑定基準への反映について知見を得ることができた。
  • ——成形機構の検討と試作——
    川出 哲生, 志藤 博克, 橘 保宏, 高橋 仁康
    2013 年 75 巻 3 号 p. 210-215
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル フリー
    筆者らは,TMR を異なる径のロールベールに成形・密封する可変径式 TMR 成形密封装置の開発を念頭に置き,バーチェーン式で成形室直径 0.8 m の細断型ロールベーラをベースに可変径式細断物成形機構を開発した。動作確認試験により,TMR を幅 0.9 m,直径 0.8~1.0 m,質量 248~491 kg,乾物密度 380 kg/m3 以上のロールベールに成形できることを確認した。ロールベール形状は良好で,市販のベールラッパで密封できたが,各設定直径におけるベール質量の標準偏差は 8~16 kg であった。また,直径 1.0 mの時に,試作機の成形室の開放動作が不完全で,改良が必要であった。
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