電離真空計を使用して1秒以下の時間で起る速い圧力変化を測定することを計画し, イオン電流を応答速度の速い直流増幅器 (たとえばKeithley社製415型, 416型417型等) で増幅して, その出力をオッシロスコープで直視すると, イオン電流に50~100Hz程度のかなり大きな雑音が重畳していることが見出される。この雑音は市販の電離真空計制御回路を使用した場合にはたいてい現われるが, 通常の真空度測定では一般に圧力変化の時定数が大きく, また使用する直流増幅器も応答速度の遅いものが多いので, あまり問題にならない.しかし, 今後真空系の動的特性を取り扱う必要がふえるとともに, 測定を乱す原因として無視できなくなって来るものと思われる.
筆者らは, 日本真空技術K.K.製超高真空計制御回路GI-N2 (No.6001) によって管球WN-08を作動させ, 上記の雑音の原因を調べ, その雑音を少なくする対策を検討した.管球は, 全実験を通じて, 2×10
-8Torrの圧力に保った真空系に取り付けて作動させた.
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