目的:医学生の職業選択動機の特徴を明らかにする.方法:教職志望学生向け職業選択動機尺度を用いた全国横断的ウェブアンケート調査.結果:医学生3,4年生1,804名の有効回答を分析し,本尺度が医学生にも適用可能であることを示した.医学生は「他者への貢献」「充実感」「経済的側面」「他者からの評価」を重視していたが「ゆとり」は重視していなかった.「他者への貢献」は女性,国公立医学科,第一・第二志望校,地域枠,国公立高校卒,親が非大卒の医学生でスコアが高く,低スコア群は逆の背景を持つ者が多かった.考察:本尺度は医学生の職業選択に関する動機の分析にも適用可能であり,背景要因との関連性が示唆された.
本学医学部では,2018年度から成績下位者に対し,学生同士で学び合う形式の学修支援体制を導入した.一定の効果はあったものの,グループ内にモチベーションの差がある場合は,グループ内にやる気のなさが伝播することが観察され,教員の参加も限定的であったため,ディスカッションが十分にできていなかった.さらに2020年より始まったCOVID-19は,学生の学修形態を大きく変えることになり留年生が更に増加した.そこで,2022年度から勉強会への意志確認を取る,教員チューターを増員する,グループ編成を学生の自主性に委ねる等の修正を加えた.学修支援体制の構築と改訂に至るまでの経験について報告する.
本稿では,改訂版Bloomのタキソノミー・テーブルを用いた,医学教育における学修目標の整理と分類方法を提示する.Bloomのタキソノミーは教育目標を体系化するためのフレームワークである.Andersonらが,2001年に提案した改訂版では,知識次元と認知プロセス次元からなるタキソノミー・テーブルが導入された.本研究では,令和4年度改訂の「医学教育モデル・コア・カリキュラム」に示された学修目標のいくつかをタキソノミー・テーブルを活用して分類し,その具体的な整理方法を示す.また,複数の知識および認知プロセスを含む複雑な学修目標に対して,段階的な再構成の必要性を指摘し,タキソノミー・テーブルを活用することで学修目標の構造を体系的に整理する手法を示すとともに,タキソノミー・テーブルを活用した指導の方法を提案する.これにより,学修目標の可視化と体系的な整理が可能となることを示す.