都内の市場で購入した,9種類,95試料の食用キノコに含まれる
137 Cs,
134 Cs,
40 Kの放射能濃度を分析した。
137 Csの放射能濃度は,乾燥したキノコ(干し椎茸,キクラゲ)ではく2.23~37.1Bq/kg,生のキノコではく0.223~7.76Bq/kgであった。40Kは全てのキノコで検出されたが,
134 Csは全て検出限界以下であった。各キノコの年間消費量から,キノコ類の摂取に起因する
137 Csと40Kの年間摂取量(Bq・y
-1 ・person
-1 )を求め,内部被曝線量をICRPの実効線量計数を用いて評価した。137Csの年間摂取量は,4.33~5.01Bq・y-1・person-1(算術平均,下限は「検出限界以下」を0とした場合,上限は「検出限界以下」を「検出限界値」とした場合),3.76Bq・y
-1 ・person
-1 (幾何平均)となり,被曝線量は各々5.6×10-5~6.5×10
-5 mSv・y
-1 ,4.8×10-SmSv・y
-1 となった。これは平均的な日本人が一年間に
40 Kから受ける実効線量当量約0.2mSvの0.02~0.03%に相当する。従ってキノコによる被曝の寄与は相対的に小さいといえる。
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