バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
24 巻, 1 号
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解説
研究
  • 川口 孝泰, 鵜山 治, 小西 美和子, 西山 忠博, 飯田 健夫
    原稿種別: 本文
    2000 年 24 巻 1 号 p. 36-44
    発行日: 2000/02/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    本研究は,高齢者への介助起立場面にみられる受動起立時における脳循環および心拍変動の特性を明らかにすることで,介助方法の指針を得ることを目的とした.実験は研究の主旨に同意の得られた若者9人,高齢者6人および高齢糖尿病者2人を対象に行った.実験条件は,(1)被介助者自身による能動起立,(2)全面的に介助者委譲での受動起立,の2条件で行った.高齢者は若者に比べて起立後の交感神経活動の反応が鈍かった.脳循環の変化は,若年者・高齢者ともに起立直後に一時的に脳血流が低下し,受動起立では能動起立に比べて有意に低下した.とくに高齢糖尿病者では脳血流の低下は顕著であった.本研究の結果から高齢者への介助起立時には,できるだけ本人の力で立ち上がれるような配慮に加えて,本人の意思が介在して自律神経活動を促す工夫の必要性が示唆された.
  • 加藤 雄一郎, 浅見 高明, 古志 繭実, 木塚 朝博
    原稿種別: 本文
    2000 年 24 巻 1 号 p. 45-52
    発行日: 2000/02/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,半側空間の効果が上肢および下肢の刺激-反応(S-R)整合性にどのように影響するのか,さらに,反応時間をPremotor time(PMT)とMotor time(MT)に分けて測定することにより,中枢の情報処理時間と末梢の運動時間に対するS-R整合性の効果が,上肢と下肢でどのように異なるのかを明らかにすることであった.左または右の刺激のどちらか一方と2つの反応効果器が同じ半側空間内に位置するように,頭部を90°回旋させる実験パラダイムを用いた.12人の被験者が2つの実験条件に参加した(左,右半側空間条件).S-Rの割り当ては,一方が整合(左/左,右/右)であり,もう一方が不整合(左/右,右/左)であった.PMTの分析結果は,上肢と下肢におけるS-R整合性の効果を示したが,それらは半側空間の要因から影響されなかった.したがって,上肢と下肢のS-R整合性は,半側空間の効果を受けず,刺激と反応の符号変換処理から強く影響されることが示唆された.また,上肢と下肢のPMTに対するS-R整合性の効果は,有意な差異が認められなかったが,MTに対するS-R整合性の効果は,上肢と下肢で異なることが認められた.つまり,中枢での情報処理時間に対するS-R整合性の効果は,上肢と下肢で同じであるが,末梢の運動制御に対するS-R整合性の効果は,上肢と下肢で異なることが示唆された.
  • 及川 健一, 藤田 欣也
    原稿種別: 本文
    2000 年 24 巻 1 号 p. 53-60
    発行日: 2000/02/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    肩内外旋,前腕回内外ほか肩,肘,手関節に関する上肢の7関節角度を算出するアルゴリズムを提案する.アルゴリズムは,手背部と上腕後部のセンサの空間位置とオイラー角から,関節角度と関節位置を算出する.これらの情報は磁気式位置計測装置により得られる.肩回旋の誤差は補正により3度まで減少した.算出された肘・手関節動作中の前腕長さの誤差は,最大9mm平均1.3mmであった.提案されたアルゴリズムによって,関節角度は十分な精度で関節間の影響なく計測することができた.
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