バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
31 巻 , 3 号
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解説
  • 小池 卓二
    2007 年 31 巻 3 号 p. 118
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/31
    ジャーナル フリー
  • 尾崎 まみこ, 西田 健
    2007 年 31 巻 3 号 p. 119-122
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/31
    ジャーナル フリー
    社会性昆虫は,巧妙なケミカルコミュニケーションを様々に用いて,血縁集団を維持している.そこで利用される種固有の化学物質はフェロモンと呼ばれ ,その化学構造が次々に明らかにされている.本稿では ,アリの道しるべフェロモンと,警報フェロモン,巣仲間識別フェロモンの 3つについて,それらの化学情報が,アリの嗅覚器でどのように受容され,脳へ伝えられ,行動へと繋がるか,近年明らかになりつつある神経機構を概説する.
  • 上田 宏
    2007 年 31 巻 3 号 p. 123-129
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/31
    ジャーナル フリー
    サケがどのように生まれた川(母川)を覚えて回帰するかは,生物学上の大きな謎の一つである.北洋から北海道の母川に回帰するシロザケ,および湖に生息するヒメマスとサクラマスを用いて,外洋におけるナビゲーションのメカニズム,ホルモンによる回遊行動の制御メカニズム,および母川のニオイを識別するメカニズムなどを多角的に解析した.動物行動学的には視覚機能を用いて直線的に回帰する母川回帰行動,生殖生理学的には脳から分泌されるサケ型生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(sGnRH)が母川回帰行動を主導的に調節すること,神経生理学的には嗅覚機能を用いて各河川水に溶解している河川固有なアミノ酸組成をサケが識別していることなどが明らかになってきた.
  • 高梨 琢磨, 中野 亮
    2007 年 31 巻 3 号 p. 130-133
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/31
    ジャーナル フリー
    ガ類において聴覚は,コウモリによる捕食の回避や種内の音響交信をおこなう上で重要である.大部分の種は,ヒトが感知できない超音波に対して,感受性のある鼓膜器官を聴覚受容器として持つ.本稿では,ガ類における聴覚系の特性を,鼓膜器官の構造・機能及びそれらの多様性について解説する.聴覚が司るガ類のユニークな行動である,コウモリの発する「死」の超音波からの回避と,「愛」の超音波による種内交信について,生理・生態から進化的背景までの知見を解説する.
  • 赤松 友成
    2007 年 31 巻 3 号 p. 134-137
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/31
    ジャーナル フリー
    イルカは哺乳類としての制約条件のもと,超音波の送受信で周辺を認知できるソナー能力を進化させてきた.イルカの有するソナーは高い空間分解能と高度な対象判別能力を持っている.これまでの魚群探知機がモノクロテレビであったとしたら,イルカ型ソナーはハイビジョンテレビと言えるだろう.イルカのような広帯域ソナーを漁業資源探査に応用すべく,私たちの研究チームではイルカソナーシミュレータを構築し,実証機開発に向けた準備が進んでいる.
  • 仲村 厚志, 中村 整
    2007 年 31 巻 3 号 p. 138-142
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/31
    ジャーナル フリー
    ハエは体の複数の組織で味を感じることが可能である.例えば,肢のふ節と呼ばれる組織では食べ物の評価を行い,口吻を伸ばして摂食を行う.その他にも,羽やメスの産卵器官についても,味覚受容器が存在することが知られているが,それらの機能については,まだ明らかにされていない.それぞれの味覚受容器には味覚毛と呼ばれる毛が存在し,この先端部分で味物質を受容している.味物質を受容する候補分子は,これまでに 70個近くも得られているが,その多くは,どのような物質を受容するのかは明らかになっていない.これらの分子の機能が明らかになれば,ハエの体の様々な部位に存在する味覚受容器官の役割解明につながると期待される.
  • 杉田 昭栄
    2007 年 31 巻 3 号 p. 143-149
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/31
    ジャーナル フリー
    鳥類は,視覚が発達した動物である.彼らは,すみやかに遠くに焦点を合わせることも,近くのものに焦点を合わせることも自由に行なえる.また,色の弁別能力も高い.このように視覚に優れる仕掛けは眼球のつくりにある.その優れた視力は,水晶体および角膜の形を変え,高度にレンズ機能を調節することにより行なう.このために,哺乳類とは異なるレンズ系を調節する毛様体の特殊な発達や哺乳類には無い網膜櫛もみられる.また,網膜の視細胞には光波長を精度高く選別する油球を備えているばかりでなく,各波長に反応する視物質の種類がヒトのそれより多い.したがって,ヒトが見ることのできない紫外線域の光波長を感受することもできる.さらには,この視細胞から情報を受けて脳に送る神経節細胞もヒトの数倍の数を有する鳥類が多い.このような仕組が鳥類の高次の視覚を形成している.
研究
  • 山田 実, 平田 総一郎, 小野 玲, 小嶋 麻悠子
    2007 年 31 巻 3 号 p. 150-155
    発行日: 2007年
    公開日: 2008/08/31
    ジャーナル フリー
    変形性股関節症 (osteoarthritis of the hip: hip OA)は歩容異常が顕著に出現するため,歩容改善を目標に理学療法が展開されることは多い.その治療対象には運動器が挙げられることが一般的であり,“注意”という中枢神経系での処理は,あまり着眼されていないのが現状である.本研究では, hip OA患者の二重課題( dual-task)下での歩行特性を検討した.対象は hip OA患者 52名,比較対象のための健常者 29名とした.自由歩行( single-task)と serial-7sを行いながらの歩行( dual-task)を指示し,その際の体幹加速度を測定し, RMSを求め,体幹動揺の指標とした.さらに single-taskから dual-taskへの ΔRMSを求め, serial-7sに関しては坐位から歩行への Δserial-7sを求め,これらの健常者との比較,および患者間での関係を検討した.結果,健常者との比較では, hip OA患者で ΔRMS,Δserial-7sともに有意に増加し,患者間の関係では重回帰分析によって股関節機能が同等であれば ΔRMSが増大すれば Δserial-7sが減少し, ΔRMSが減少すれば Δserial-7sが増大することが示唆された.これらのことより, hip OA患者では“注意”という中枢神経系の処理機構が歩容に大きな影響を及ぼすことが示唆された.
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