バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
41 巻, 1 号
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解説
  • 山田 大介
    2017 年 41 巻 1 号 p. 2
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー
  • 柴田 延幸
    2017 年 41 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー
    長期にわたって手腕に局所的に振動をばく露されることにより,手指に末梢神経障害・末梢循環障害・関節等の運動機能障害のいずれかもしくはそれらの複合症状が現れることがある.これらの健康障害を総称して振動障害(または手腕振動症候群)と呼んでいる.手持ち動力工具などを断続的に長期間使用するような作業従事者は振動障害発症の危険性が高い.振動障害の治癒は困難であることが知られており,低振動工具の使用,振動ばく露量低減のための保護具の使用,作業時間などを考慮した振動ばく露量のコントロールなどを組み合わせた,総合的な作業環境管理にもとづく振動障害の発症防止対策が必要である.本稿では,はじめに我が国における振動障害発症の現状について概観し,手腕振動障害の原因となる手腕系振動の特性および手腕振動における振動ばく露のリスク評価の方法を解説するとともに,各種手持ち振動工具の振動測定・評価方法に関する規格について概説する.
  • 玉置 元, 吉村 卓也
    2017 年 41 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー
    自動車乗車時など,我々が日常的に暴露する全身振動が人体に及ぼす影響は様々あるが,物理的な影響として人体の振動特性への影響は重要である.本稿では,全身振動に暴露する人体の振動特性について,著者らが行ってきた研究を基に,振動特性を把握するための実験方法や得られた振動特性の特徴について紹介する.座位姿勢を対象とし,鉛直方向の振動入力時の振動特性を扱う.実験結果と国際規格ISO の標準値との比較を行い,また姿勢の指標値の適用と指標値を用いて姿勢と振動特性の関係を検討する.更に脊椎系の加速度伝達率を測定し,モード特性同定により得られた座位人体のモード形と,脊椎系の応答を表現可能なモデルを紹介する.
  • 中川 千鶴
    2017 年 41 巻 1 号 p. 15-20
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー
    鉄道の振動乗り心地評価に関する取り組みについて解説する.最初に,乗り心地評価法の国際規格や欧州規格,日本の鉄道分野で古くから使われる「乗り心地レベル」を概説する.次に,国際規格の使用が鉄道現場で普及しにくい理由や,乗り心地レベルの問題点を整理し,これらの問題点を解決するため,我々が行ってきたいくつかの取り組み,振動に対する乗り心地としての感度調査や複合振動の経時的な影響推定,乗り心地分析ツールの開発などを紹介する.
  • 田中 由浩
    2017 年 41 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー
    振動は触覚において様々な感覚に関わり極めて重要な情報である.我々の触覚は,対象と皮膚との力学的相互作用により皮膚で発生した変形や振動,熱の変化に基づく.また,触覚の受容と運動の間には双方向の関係がある.したがって,触覚には皮膚の力学的特性や運動特性が大きく関与する.本稿では,これらの観点のもと,振動と触覚との関係を,皮膚特性,触知覚,運動特性から,概観したい.皮膚特性では皮膚で生じる振動の周波数特性や,指紋や皮下組織の構造と振動との関係を,触知覚では粗さの感覚と振動との関係を,運動特性では個人差や粗さ知覚における運動調整を主に紹介する.
研究
  • 須田 裕紀, 林 豊彦, 前田 雄, 髙橋 素彦, 東江 由起夫
    2017 年 41 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/28
    ジャーナル フリー
    本研究では,義足のアライメント調整に関する新たな評価法を提案する.臨床における義足のアライメント調整では, 義肢装具士の評価とともに,切断者の足底荷重位置の主観的評価が用いられている.後者の評価がしやすいように,著者らは切断者が立位時における足底荷重位置を記録する評価票を考案した.この評価票の有効性を検証するために,本研究では,まず義足の内外側方向のアライメントを変化したとき,評価票の記録および下肢の主要な力学的パラメータに与える影響について調べた.下腿切断者5 名を用いた実験の結果,記録された主観的な足底荷重推定位置は,適切なアライメントでは,踵とつま先を結ぶ線分付近に存在したが,内外側方向に変化すると,それに対応して有意に偏位した(p < 0.01).足底荷重推定位置の偏位は,立位時の足幅を足踏みで決めた「自由立位」よりも,被験者ごとに足幅を規定した「規定立位」の方が明瞭であった.その偏位と相関する生体力学パラメータは床反力の側方成分だけであった.これらの結果は,足底荷重位置の評価票が内外側方向のアライメント評価に有効である可能性を示唆していた.
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