バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
24 巻, 3 号
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解説
  • 岡田 守彦
    原稿種別: 本文
    2000 年24 巻3 号 p. 140-
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
  • 木村 忠直
    原稿種別: 本文
    2000 年24 巻3 号 p. 141-147
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    多くの哺乳類における大腰筋は相同形態であるが,長い進化の過程で骨盤の解剖学的な特徴と生態行動の適応を強く受けていることが示唆される.そこで骨格筋を構築している3タイプの筋細胞をヒト,オランウータン,アヌビスヒヒ,ハマドラスヒヒ,ニホンザルの大腰筋をモデルとして,その筋線維構成を比較検討した結果,ヒトの大腰筋は持久力を発揮するタイプI型の赤筋線維の頻度が最も高く,逆にオランウータン,ヒヒ,ニホンザルでは瞬発力を発揮するタイプII型の白筋線維が高いことが示された.この差はヒトの直立二足姿勢とオランウータンやサルの四足姿勢によるロコモショーンの機能分化が筋線維構成に反映していることを示すものである.
  • 久野 譜也
    原稿種別: 本文
    2000 年24 巻3 号 p. 148-152
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    基本的な運動機能である走及び歩行機能に及ぼす大腰筋の重要性について概説した.走機能に関しては,陸上競技の短距離選手,サッカー選手及びコントロールにおける各被験者の疾走タイムとMRIにより求めた大腰筋横断面積の関係を検討した.その結果,陸上競技の短距離選手においてのみ両者の間に高い正の相関関係を認めた.この結果は,"速く走る"という機能に対して,大腰筋の役割の重要性を示唆するものである.次ぎに,歩行機能における大腰筋の役割を検討するために,加齢による歩行機能(速度,歩幅,前傾姿勢など)と大腰筋横断面積との関係を,20-80歳代の約200名を対象に検討した.全体的傾向としては,加齢に伴い,いずれも低下及び減少を示した.しかしながら,それらの能力は生活習慣及び運動習慣の影響を強く受け,大腰筋横断面積の維持が老化による歩行機能の低下抑制と密接な関係にあることが示唆された.
  • 福井 勉
    原稿種別: 本文
    2000 年24 巻3 号 p. 153-158
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    大腰筋は姿勢や動作に大きく関与する筋である.その長さとともに,身体における位置が非常に特異的である.身体重心位置を大きく覆っているだけでなく,身体重心高位となる骨盤には付着していない.そのため上半身と下半身に身体を分割して考えるとその間を結ぶ蝶番の機能を持つように見える.股関節制御は身体重心を移動させまいとする姿勢反応である.通常,体幹筋と大腿筋がこの制御に関係するが,大腰筋が本制御の核となっている可能性が高い.本筋筋力低下恵者に大腹筋をトレーニングすることによって身体バランスが改善する.大腰筋機能は[1]股関節制御能力,[2]股関節と腰椎の分離運動能力に集約されるのではないかと考える.
  • 名倉 武雄, 山崎 信寿
    原稿種別: 本文
    2000 年24 巻3 号 p. 159-162
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    MR画像より得た大腰筋の3次不幾何学モデルおよび有限要素モデルにより,大腰筋の腰椎・骨盤・股関節に対する作用を検討した.大腰筋は腰椎においては大きな圧縮力と側屈のモーメントを発生し,骨盤に対しては筋方向が変化することで後方圧迫力を生じていた.また股関節では屈曲のモーメントが優位であった.腰椎の有限要素モデルによる解析では,大腰筋によって生じる圧縮力が,腰椎の支持性を増加する作用があることが認められた.以上の結果より,大腰筋は腰椎・骨盤を安定化し,かつ股関節を屈曲する作用を有し,ヒトの直立2足歩行に適した形態・機能をもつと考えられる.
  • 長谷 和徳, 山崎 信寿
    原稿種別: 本文
    2000 年24 巻3 号 p. 163-167
    発行日: 2000/08/01
    公開日: 2016/11/01
    ジャーナル フリー
    全身で46の筋モデルと14節の剛体リンク系からなる3次元神経筋骨格モデルを基本として大腰筋の有無と脊柱響曲の有無とを組み合わせた4種類の歩行モデルを構築し,各モデルについて歩行運動の計算機シミュレーションを行った.得られた運動パターンは各モデルごとで顕著な相違はなく,むしろ移動仕事率や筋負担などの生体内負荷は大腰筋や脊柱響曲がないモデルの方が少なかった.しかしながら,歩行運動の途中で骨盤節に外力を作用させるシミュレーション実験を行った結果,脊柱弩曲と大腰筋がある通常の筋骨格モデルが最も安定した持続歩行を実現できた.大腰筋の機能は静的な姿勢支持や運動の効率性よりも動的な運動の安定性の向上に寄与していると推察される.
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