バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
46 巻, 2 号
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解説
  • 牛膓 昌利
    2022 年 46 巻 2 号 p. 56
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル フリー
  • 西田 佳史, 北村 光司
    2022 年 46 巻 2 号 p. 57-62
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル フリー
    要旨:事故データを用いることで,事故要因の分析のみならず,その背景にある子どもの日常的環境や日常行動の実態理解が可能となる.また,近年,在宅環境でも姿勢データを取得可能な行動認識技術が利用可能になってきてり,それを前提としたビヘービア・ベースドなアプローチが可能になりつつある.本論文では,遊具を広義に捉え,日常生活の事故データや日常行動計測技術を用いることで,子どもの発達に伴って,遊具の使い方がどう変化するかの理解という視点だけでなく,遊具以外の日用品も遊具化(遊具のように遊ぶ)していくことの理解の可能性や,日用品を遊具へと写像することによる行動モデリングや,日用品の遊具化プロセスを活用した発達診断といったビヘービア・ベースド・アプローチの試みを紹介する.
  • 金沢 星慶, 國吉 康夫
    2022 年 46 巻 2 号 p. 63-68
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル フリー
    ヒトは遊びという行動を通して世界における様々な物理法則や因果関係を学び,のちの運動発達や認知発達まで影響する経験を積む.特に発達初期の遊びにおいては自発性が最も重要な要素と考えられ,自発的に生成された運動出力は身体特性を反映した運動を生み出すと同時に感覚フィードバックを得る.この運動と感覚の構造は他者を含む環境との相互作用によって動的な特性を示すとともに,神経成熟や身体発育,環境の変化に伴って多種多様に変化する.本稿ではこれらの複雑な発達的変化について,実際のヒト胎児や新生児にみられる行動特性を紹介し,それらを説明付けるいくつかの数理的および計算論的モデルについて解説する.
  • 板谷 厚
    2022 年 46 巻 2 号 p. 69-76
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル フリー
    本稿は,幼児期の運動遊びが運動能力の発達に及ぼす影響を解説した.はじめに,幼児期の運動能力が神経筋系機能の発達と動きの形成の両方に影響され,複雑な発達経過を辿る様相を描写した.特に,動きの形成が運動能力発達のボトルネックとなると主張した.続いて,運動遊びのトレーニング効果を介入研究により検討した.結果,神経筋系機能の向上よりも,動きの形成が運動能力の発達に貢献することが示された.そこで,動きの形成を援助する運動遊びの効果を介入研究の結果にもとづき議論した.動きの形成を促す運動遊びは,習得に向けての準備(レディネス)が十分な場合,即時的に効果を発揮する.そうでない場合,意図的に構成された運動遊びは,運動能力の発達に寄与するよりもむしろ,経験の偏りとなってレディネス形成を促進するように作用すると結論づけた.
  • 鈴木 優
    2022 年 46 巻 2 号 p. 77-83
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル フリー
    本論文では,デジタルメディアを活用した子どもの学習支援に関する著者らの取り組みについて解説する.取り組みの 背景や基本的な方針,およびプログラミング教育に関連する取り組み事例として,お絵描きゲーム「Rolly Rolly」とタブレット端末用学習ゲーム「ロジコロック」について,アイデア具現化支援に関する取り組み事例として,手描き支援ツール「絵モーション」とお絵描き拡張システム「発想おえかき」について述べる.
  • 作業療法の視点から
    笹田 哲
    2022 年 46 巻 2 号 p. 84-88
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/05/01
    ジャーナル フリー
    発達性協調運動障害のある子どもに対して,できない動作を繰り返す指導だけでは技能習得につながらないことが多く,自己効力感も低下してしまう.子どもの能力に適したプログラムを立案するために動作ピラミッド法による評価を概説した.動きのピラミッド構造は 4 段階から構成される.第 1 段階は姿勢である.第2段階は両手の操作に焦点をあてている.第 3 段階は,手や物などを見る動きと口の動きである.第 4 段階は,注意,やり方を考える,意欲などが含まれる.本稿の最後に食事,書字,体育に課題のある 5 名の発達性協調運動障害児を取り上げ,動作ピラミッド・ツールで問題点を抽出し,具体的な指導プログラムを示した.
研究
  • 浅川 貴史, 樹下 馨
    2022 年 46 巻 2 号 p. 89-94
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー
    著者らは触覚による情報提示として,視覚障害者のための音楽演奏支援システムや在宅リハビリテーションのためのバ イオフィードバック機能を備えた小型筋電計測器の研究を進めている.情報提示には触覚インタフェースデバイスを使用するが,音楽演奏やリハビリテーション動作の妨げにならない部位への装着が必要となる.そこで,本論文では装着が予想される部位の振動刺激に対する感受特性の検証を行った.触覚での情報提示の方法として,音楽などの定周期刺激とリハビリテーションなどの非定周期刺激がある.両者の感受特性は大きく異なり,前者では認知心理学的な予測が大きな影響を与え,刺激に対する全ての部位の平均反応時間が -4 ms,部位間の差は29 ms となった.後者は生理学的な反応となり,全ての部位の平均反応時間が 241 ms, 部位間の差は50 ms となった.この結果から,触覚インタフェースデバイスの装着部位の選定には,提示する情報が定周期か非定周期かを考慮する必要があることを明らかにした.
  • 工藤 大祐, 徳重 あつ子, 片山 恵, 田丸 朋子, 岩﨑 幸恵
    2022 年 46 巻 2 号 p. 95-104
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,高齢者の普段の点眼姿勢の実態および,点眼時の椅子の背もたれ使用の有無と点眼成否との関係性を明らかにすることである.研究方法は,高齢者の普段の点眼姿勢の実態調査に加え,高齢女性に背もたれの有無で点眼を行ってもらい,点眼動作の動作解析を行った.動画より,点眼時の頭部後傾角度,肘関節角度,体幹後傾角度,点眼容器角度を測定し,背もたれの有無と点眼の成否,点眼液滴下の位置ずれを比較した.背もたれ無しでは,失敗事例で有意に頭部後傾角度が小さく,背もたれを使用すると点眼時に体幹が後傾し頭部が後傾しやすくなり,点眼時における滴下の位置ずれや点眼容器先端との接触による失敗リスクの軽減が望めた .背もたれを使用した点眼姿勢は安全で実施しやすい方法であり,点眼指導に取り入れることが可能であると言える.
  • 渡邉 美幸, 石井 慎一郎, 櫻井 好美, 山本 澄子
    2022 年 46 巻 2 号 p. 105-112
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,足部の回内が方向転換時の側方への動的安定性にどのような影響を及ぼし,その要因は何かを明らかにすることである.健常人 14名 28肢を Navicular Drop Testの結果から標準群と回内群の 2群に分けた.課題動作を直線歩行からの spin turnと step turnとし,支持基底面外縁からの推定質量中心位置( Xcom),支持側足部内床反力作用点位置( COP),重心速度,足関節内外転角度変化量を算出した.側方 Xcomは spin turnでは,回内群の方が標準群よりも外側に位置しており動的に不安定であることが示唆された. step turnでは回内群の方が標準群よりも側方 Xcomが内側に位置しており動的に安定していることが示唆された.支持側足部内 COP位置は, spin turn,step turnともに回内群では標準群よりも母趾側に偏位していた.
報告
  • 川端 浩一, 指宿 立, 北林 直哉, 剣持 悟, 牧田 秀昭, 瀬尾 和哉, 三井 利仁, 上條 義一郎, 田島 文博
    2022 年 46 巻 2 号 p. 113-122
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/02
    ジャーナル フリー
    This study aimed to clarify kinematics characteristics that result when seated athletes engaged in the shot put and javelin throws with or without a vertical bar and backrest. Three male seated throwers with spinal cord injury participated in this study. In our experiments, the participants performed shot put and javelin throwing under the following four conditions: throwing using both the backrest and vertical bar (BVT), using only the backrest (BT), using only the vertical bar (VT), and without using neither the backrest nor the vertical bar (NT). For all conditions, the participants threw the shot and javelin as far as possible along the throwing vector. Prior to the experiment, a total of 22 reflection markers were affixed on the bodies of the participants, shot and javelin. During throwing motions, these reflectors were captured at 250 Hz by using a 10-camera motion capture system. The following results obtained in this study: 1) F55 athlete needs to use a backrest and vertical bar in the javelin throw and shot put. 2) both a backrest and vertical bar would not be necessary for javelin throw in the F57 athlete. 3) both a backrest and vertical bar would be desirable to use a backrest and vertical bar for shot put in the F57 athlete.
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