バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
43 巻, 2 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
解説
  • 橋本 健二
    2019 年43 巻2 号 p. 82
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー
  • 荻原 直道
    2019 年43 巻2 号 p. 83-88
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー
    歩行運動は,脚が地面から受ける反力を適切に作用させることによって,身体をある位置から別の位置に移動させる力学現象である.したがって,地面と直接的に接触し,環境と力のやりとりを行う足部筋骨格構造は,ヒトに特有の移動様式である直立二足歩行と密接に関係し,その生成に適応的に形づくられている.本稿では,直立二足歩行の生成に適応的と考えられているヒトの足部筋骨格構造の特徴について,生物学的に最も近縁なチンパンジーの足部との比較を通して概説する.また,近年の化石証拠から明らかになってきた,ヒトの足部構造の形態進化のプロセスについて紹介する.
  • 市川 将, 楠見 浩行
    2019 年43 巻2 号 p. 89-94
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー
    足の形態は,十人十色,属性や生活様式により大きく異なる.自分自身の足の特徴を理解し,正しい靴選びを行うこと は,健康増進から競技力向上まで様々な目的で重要となる.しかし,足のトラブルで悩んでいる人は少なくないのが実情であ る.その理由としては,足を測る意義や正しい測り方,靴選びの留意点に対する理解の欠如が挙げられる.つまり,シューズ メーカーは,単に靴を作るだけでなく,顧客に正しく靴を選んで頂くための啓蒙活動を行う使命がある.本稿では,その理解 の一助となることを目指し,まず人の足の構造と働きを説明した上で,足の正しい測り方を最新の計測方法を踏まえて紹介す る.次に,男女や日欧米,子供,高齢者の属性別における足の違いに関して解説する.最後に,足の形態と足病変に関する最 新の研究事例を抜粋し,足を測る意義に関しても説明を加える.
  • 木村 健作, 藤井 範久
    2019 年43 巻2 号 p. 95-100
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー
    ヒトの足部が有するアーチ構造は,内側縦アーチ,横アーチ,そして外側縦アーチの3種類に分類される.その1つ である内側縦アーチの低下は,歩行時や走行時における衝撃緩衝機能の低下に関与している.本稿では,支持期中の内側縦アー チ高が最も小さくなる瞬間の走動作に着目し,長距離走における走行フォームと障害の関連性について解説する.
  • 細田 耕, 荻原 直道
    2019 年43 巻2 号 p. 101-106
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー
    ヒトの歩行中,足部内部では,骨や筋,腱が複雑な動態を示す.ヒトの安定な二足歩行を理解するためには,この動態 が生み出す動特性を無視できない.本稿では,歩行中の足部の動態に関する仮説と,これらを検証するために開発された屍体 足を用いた歩行シミュレータ,ならびに2方向エックス線透過撮影装置による足部内部観察実験プロトコルについて紹介する. 歩行中の足部の動態を観察するには多くの困難が伴い,我々は,未だほんの一部を掴みかけているに過ぎない.
  • 遠藤 謙
    2019 年43 巻2 号 p. 107-110
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー
    下肢切断や生まれつき下肢欠損の状態で生まれた患者にとって,最も健常な2足歩行に近い運動が可能となる機器は義 足である.本稿では,義足は最も基本的な運動である歩行運動を中心に設計されることが多いため,歩行運動中の足部と膝関 節のトルクと仕事率から足部や膝継手がどのような機能を要するかを解説する.また,最近ではコンピュータ制御でダンパー をコントロールできるものや,モータ・バッテリ・センサ等を用いた能動的な動きが可能な義足技術も数多く研究開発されて おり,これらの動向や可能性を紹介する.さらに,ロボット技術を用いた義足の開発を加速させるためにサイバスロンなどの 競技会やプロジェクトが進められており,今後義足技術がどのように我々の社会に影響を与えていくかを考察する.
  • 山本 江
    2019 年43 巻2 号 p. 111-117
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー
    ヒトの足は長い年月をかけて二足歩行に適したものへと進化してきた.足は多数の骨と靭帯から成る複雑な構造を有し, いわゆる「土踏まず」と呼ばれるアーチ構造や爪先関節は歩行において重要な役割を果たしている.これまでに開発されてき た人型ロボットは比較的単純な足部を持っているものが多いが,二足歩行の実現にはヒトの持つ足の機能を実現することが重 要である.本稿では特に爪先関節に焦点を当てて,人型ロボットの足部機構の開発に関する従来研究を紹介する.
  • 橋本 健二
    2019 年43 巻2 号 p. 118-123
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/05/01
    ジャーナル フリー
    路面と接地する二足ロボットの足部は,移動の安定性と制御性に大きな影響を与えるため重要である.しかし,二足ロ ボットの足部の多くは,剛体平板にゴム材を貼った程度のものが多く,足部機構についてはあまり注目されていない.本稿で は,着地衝撃機能や路面検出機能を有する足部機構,有効接地面積を可変可能な足部機構などの特徴的な機構を持つ二足ロボッ トの足部機構について紹介する.
研究
  • 村井 雄太, 矢吹 佳子, 石原 正博, 高木 岳彦, 髙山 真一郎, 東郷 俊太, 加藤 龍, 姜 銀来, 横井 浩史
    2019 年43 巻2 号 p. 124-133
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/06
    ジャーナル フリー
    本稿は,手部欠損者の欠損指の運動機能を補綴し,残存指の運動機能を活用可能な手部筋電義手の設計手法を提案している.手部筋電義手の設計における課題は機械系と制御系に存在する.機械系設計の課題にはデジタルエンジニアリングの考え方に基づき被験者の手部の 3Dデータから断端形状に適合するソケットと手の外観を損なわずに電動部品を収納できる把持機構を設計し,残存指を活用可能な手先具を実現した.制御系設計の課題には,ニューラルネットワークによって,計測した筋電から手部の把持操作に必要となる離断部位の筋電を分離し,電動ハンドの制御に応用することに成功した.また,被験者を対象に手部筋電義手を試作した.試作した手部筋電義手の把持・操り動作について,ピックアンドプレース実験を実施し,手部筋電義手の有効性を確認した.
報告
  • 邵 建雄, 張 禎, 金謙 樹, 藤巻 裕昌, 湯 海鵬
    2019 年43 巻2 号 p. 134-139
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/06
    ジャーナル フリー
    Badminton players need to have a strong capacity for anticipation. The mechanism of anticipation is, however, unclear. In particular, there has been little study of anticipation in practical competition. This paper explores the anticipated stroking time point of a player and his or her stroke, based on an experiment examining data from eight badminton players at different levels of ability. A small nine-axis wireless motion sensor recorded these players’ variation in stroke acceleration during competition. Result found that the players with greater skill made earlier judgments about of stroke and drop. In addition, it is possible that expert players made their predictions based on the accelerated speed changes of the racket during the transition from backswing to fore swing.
連載
feedback
Top