バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
42 巻, 2 号
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解説
  • 藤田 信子
    2018 年42 巻2 号 p. 88
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/05/14
    ジャーナル フリー
  • 平田 雅之
    2018 年42 巻2 号 p. 89-94
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/05/14
    ジャーナル フリー
    頭蓋内電極を用いる体内埋込ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)は刺入針電極型と脳表電極型があり,埋込手術を必要とするが,高い性能を達成できるため,機能代替を目的とした臨床応用に適している.我々は,脳形状にフィットする脳表電極で頭蓋内脳波を計測し,これを機械学習の手法を用いてリアルタイムに解読して.ロボットアームと意思伝達装置の操作を行う有線型のBMI システムを開発した.このシステムを用いて,有線接続で脳表電極型BMI の臨床研究を行い, 重症ALS 患者がロボットアームと意思伝達装置を操作できることを明らかにした.現在,ワイヤレス体内埋込装置を開発しており,1 年以内にワイヤレス体内埋込装置を用いた長期間埋込による臨床研究を,重症ALS 患者を対象として開始する計画である.
  • ー効率的な神経路の再建強化を目指してー
    川平 和美
    2018 年42 巻2 号 p. 95-100
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/05/14
    ジャーナル フリー
    脳卒中治療ガイドライン2015で「推奨する」とされた促通反復療法は,治療者が目標の神経路の興奮水準を高めることによって患者の意図した運動の実現と反復を可能にした.これによって,これまで難しかった個々の指の運動性下行路まで効率的に再建・強化ができるようになった.その効果の科学的検証では脳卒中患者の麻痺や麻痺側上肢での物品操作能力,歩行,ADL の改善が証明されている.基本的な治療理論と実際の手法を上肢と歩行について紹介し,訓練用ロボッ トへの応用や低周波電気刺激や振動刺激などとの併用療法についても紹介したい.
  • 水落 千彰, 矢吹 佳子, 毛利 保寛, 東郷 俊太, 姜 銀来, 加藤 龍, 横井 浩史
    2018 年42 巻2 号 p. 101-107
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/05/14
    ジャーナル フリー
    ヒトと機械の融合技術は,障害者支援や労働補助,身体機能の拡張など,様々な用途への応用展開と科学的興味を有する.この論文では,筋電義手を事例としてヒトと機械の協働システムにおける脳の適応現象に着目し,これを解析する装置の開発状況について報告している.提案されたシステムは,筋電義手と脳活動の計測システムによって構成され,筋電義手は,筋電図(EMG)パターンを認識することができる学習機能(個性適応機能)を有する.実験による解析と評価は,筋電義手のパフォーマンス評価に用いるPick-and-Place 実験を行った際の皮質領域の活動を,fNIRS(functional Near Infrared Spectroscopy,近赤外脳機能計測法)によってリアルタイムに測定し解析することで行う.
  • 浅見 豊子
    2018 年42 巻2 号 p. 109-112
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/05/14
    ジャーナル フリー
    近年,国策としても医療分野や介護分野へのリハビリテーションロボットの導入が進められている.その結果,医療分野では2016 年4 月に保険収載されたロボットが登場し,2018 年4 月の介護報酬改正で介護支援ロボットの1つが夜勤職員配置加算の緩和条件になった.このように,医療分野はもとより介護分野においても,リハビリテーションロボッ トへの期待は高まっており,今後はロボットをより身近なものとし活用していくことが求められることになる.その活用 を支えるためにも,医師をはじめとしたリハビリテーション関連職種や義肢装具士,エンジニアなどの職種間の連携強化は不可欠である.
  • −異分野融合研究開発−
    對馬 淑亮
    2018 年42 巻2 号 p. 113-118
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/05/14
    ジャーナル フリー
    近年,生命情報通信のイノベーションを産業,臨床分野などに活かすため,産学官金を巻き込んだ,多くの取り組みが行われている.本稿では,そうした取り組みのひとつである,けいはんなリサーチコンプレックス事業(平成27 年度 ~)の異分野融合研究開発のこれまでの経緯,研究開発活動の現状を紹介する.さらに,けいはんなリサーチコンプレッ クス異分野融合研究開発をリーディングしている,脳情報通信融合研究センター(CiNet)の「脳に学ぶ」異分野融合研究開発を紹介し,今後さらに実践的な取り組みが増すと思われる,脳科学の産業,臨床分野への応用について,その展望を 述べることとする.
研究
  • 眞田 祐太朗, 大澤 傑, 椎木 孝幸, 今高 康詞
    2018 年42 巻2 号 p. 119-124
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/09
    ジャーナル フリー
    術前の関節可動域(ROM)に有意差を認めない条件下で,人工膝関節全置換術(TKA)後1 年時点の変形性膝関節症(膝OA)と関節リウマチ(RA)患者における膝屈曲ROM の改善角度の違いを明らかにすることを目的とした.対象は膝OA 患者22 名28 膝,RA 患者15 名17 膝とした.術前ROM に基づいて130 deg 以上の良好群と130 deg 未満の中間群に分類し,その上で膝OA 群とRA 群の2 群に分類した.術前に対する術後1 年の改善角度を算出し,両疾患間で比較を行った.ROMの改善角度は,良好群では両疾患間に有意な差を認めなかったものの,中間群では膝OA 群に比べRA 群の方が有意に大きかった.TKA 後1 年の改善角度は,術前ROM が130 deg 以上の場合には疾患による違いはないが,130 deg 未満の場合には膝OA に比べRA の方が大きくなることが示唆された.
ショートペーパー
  • 樋口 諒, 小松 瞭, 飯田 純平, 巖見 武裕, 島田 洋一
    2018 年42 巻2 号 p. 125-128
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/09
    ジャーナル フリー
    The aim of this study was to validate the difference and effectiveness of the trunk muscle force for effect of the muscle path in the 3-dimensional trunk musculoskeletal model. The skeletal models were constructed from each thoracolumbar vertebrae, sacrum, ribs and sternum, and the muscle models were constructed short dorsal muscles, transversospinalis muscles, erector spinae muscles, abdominal muscles and psoas muscle. In order to define muscle path, we constructed 2-types muscle path models which were connecting origin point and insertion point by straight line muscle (Via-Point) using Magnetic Resonance Imaging (MRI) data (Via-Point type), and performing Wrapping (curve approximation that like along the objects) towards transversospinalis muscles and erector spinae muscles originated from Via-Point muscle (Wrapping type). Verification of constructed models compared with muscle force in 3-type orientations (static standing, flexion and left lateral bending). As a result, muscle force changed performing Wrapping in trunk muscles, and difference of muscle path demonstrated affects in vivo loading estimation.
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