閉塞性黄疸症例71例において胆管造影CTを行い,肝門部胆管と門脈の解剖学的位置関係を検討し,胆管造影CTの術前検査としての評価を行った.CT画像において,胆管は肝実質に比べ強いhigh densityに描出され,頭側から尾側のスキャンにて,外側区域枝,内側区域枝,尾状葉枝,前区域枝,後区域枝の分岐部付近が確認できる.また,門脈は肝実質よりlow densityに描出され,同様に門脈臍部,左枝,右枝,前区域枝,後区域枝が順次確認できるので,胆管,門脈の位置関係を判定できる.胆管後区域枝は89%の症例で門脈前区域枝頭側で分岐し,その背側を走行し,11%の症例では腹側で分岐し,尾側を走行していた.胆管内側区域枝は97%の症例で門脈臍部の右測で分岐し,3%の症例で門脈臍部の頭側で分岐していた.胆管造影CTは,肝門部胆道癌の術前検査として,門脈の走行を考慮に入れた肝側胆管切離部位想定に非常に有用と考えられる.
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