本研究は, 除草剤ベンチオカーブに対してイネ科植物の間にみられる感受性差異と種子重量との関係を検討したものである。
1) 20種類のイネ科植物において, 種子重量とED
50値との間には正の相関がみられた。また, タイヌビエにおいて, 小粒の種子は大粒の種子よりもベンチオカーブに対する感受性が高かった。
2) 胚乳を切除したイネ種子は, 胚乳を切除しない種子よりもベンチオカーブに対する感受性が高かった。
3) 20種類のイネ科植物において, 種子重量と種子中の胚乳養分のみに依存して生育できる最大限の葉齢との間には正の相関がみられた。
4) イネとタイヌビエが, それぞれ3葉期と1葉期になると, 種子重量は発芽前の重量の1/10に低下した。一方, ベンチオカーブに対するイネとタイヌビエの感受性差異は, 2葉期において最大となり, 1葉期, 3葉期, 鞘葉期, 4葉期の順に低下した。
5) 10種類のイネ科植物において, 種子中の粗脂肪含量とED
50値との間には相関が認められなかった。
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