下水汚泥は安定して供給されるバイオマス資源である。試作した下水汚泥炭について一次元圧縮試験及び三軸圧縮試験を行い,地盤工学的見地から力学特性を調べた。下水汚泥炭は粒子内に間隙を形成し,乾燥密度も小さく,軽量土として利用できる。下水汚泥炭の圧縮曲線から決定した降伏応力は200~300kN/m
2であり,その応力以下では粒子破砕はわずかである。また,有効応力の原理が適用でき,下水汚泥炭は砂の場合と同様なせん断挙動を示す。圧密排水せん断試験による破壊線は圧密非排水せん断試験による結果と一致する。更に,砂を母材とする混合土においては,下水汚泥炭の増加に伴って内部摩擦角は減少するが,シルトを母材とする混合土では逆に増加する。混合土では下水汚泥炭の増加に伴って乾燥密度は減少し,母材の軽量化が期待できる。
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