腎盂, 尿管の機能を評価するため, urine bolus volume と尿管筋電図を同時測定する新しい probe を作成した. heat electrical method に基づいた unit をFr. 4号尿管カテーテルの先端に設置し, 尿流を感知するようにしたい. さらに筋電図用に双極表面電極を先端から約5cmの部位に設置した.
このカテーテル型プローブを用いて2つの基礎実験を行なつた. 注入ポンプと数種のネラトンカテーテルを用いて腎盂, 尿管モデルを作成し, ネラトン内の潅流量を bolusmetry の出力との関係を検討した. さらに犬を用いて, 尿量を変化させた場合の腎盂, 尿管機能を, 試作 probe により測定検討し, 次のような結果を得た.
1) ネラトンカテーテル内の灌流量と heat electrical method により測定された voltage depression の間には logarithmic relation を認めた.
2) 犬尿管の urine bolus volume はモデル実験から導かれた式によつてほぼ正確に算出された.
3) 利尿剤投与により bolus volume は著しく増加し, 尿管蠕動は一過性に増加したが, 蠕動伝播速度は, ほとんど変らなかつた.
4) 試作 probe により腎盂, 尿管機能を表わす parameter, 蠕動頻度, 蠕動速度, bolus volume, bolus length, および ureteral width などが測定可能である.
以上の結果から, 本 probe を用いた urine bolusmetry は, 腎盂, 尿管機能を知るうえで, 基礎的な動物実験ばかりでなく, 臨床的にも有用であることを示唆していた.
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