99mTc-DMSA腎 uptake の分腎機能検査法としての意義を検討する目的で以下の研究を行った. 1.
99mTc-DMSA腎 uptake と分腎クリアランス法, および腎静脈カテーテル法との比較検討を行った.
99mTc-DMSA腎 uptake は静注2時間後に, 投与量の何%が腎に取り込まれたかを測定した. 2. 組織の得られた症例で, 腎皮質における尿細管占有率を測定し, これと
99mTc-DMSA腎 uptake との比較検討を行った. 3.
99mTc-DMSA腎 uptake と静脈性腎盂造影法 (IVP, DIP) の5分像との比較検討を行った. その結果, 1.
99mTc-DMSA腎 uptake と単腎者, 尿管皮膚痩者, 腎痩者での分腎尿採取から得られた腎クリアランス値との間には, 非常に良い正の相関が得られた (C
pAHでr=0.89, n=37, C
thioでr=0.90, n=37). 2.
99mTc-DMSA腎 uptake と腎静脈カテーテル法との間では, E
pAH, C
pAHで良い相関が認められた (E
PAHでr=0.63, n=43, C
PAHでr=0.72, n=23). また, 腎静脈血流量 (局所熱稀釈法) との間にも良い相関が得られた (r=0.57, n=25). 3.
99mTc-DMSA腎 uptake と尿細管占有率との間に, 良い相関が認められた (r=0.82, n=22). 4. 以上より,
99mTc-DMSA腎 uptake は腎皮質機能を正確に示すものであり, その手技の容易さ, 侵襲の少なさから, 理想的な分腎機能検査法であると考えられた. 5. IVP (104腎) およびDIP (53腎) を5分像から, 排泄良好群, 中間群, 不良群の3群に分けると, これらと
99mTc-DMSA腎 uptake の間には, 良い相関が認められた.
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