本研究の目的は, 自律走行する移動体の位置を計測するシステムを開発することである。対象とする移動体は, ほ場内で作業を行なう農用トラクタとした。その計測原理は2台の視覚センサをほ場端に設置し, トラクタに装着した明点を認識してセンサから得られる水平方向角度情報により明点位置を決定するものである。視覚センサとしてはCCDカメラを用い, カメラはモータにより回転駆動され, 移動する明点を追従する。
本報ではカメラ, モータ, ポテンショメータからなる計測モジュールを1台試作し, 室内での角度計測実験を行ないその実用可能性を検討した。その結果, 静止した明点の角度計測誤差は0.11°以内であり, シミュレーションによると位置計測誤差は, 60m×20mの範囲で0.2m以内であると予測された。また明点追従を試みた結果, 室内環境のもとでは, 明点追従が可能であった。
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