土木学会論文集D3(土木計画学)
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71 巻 , 5 号
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土木計画学研究・論文集 第32巻(特集)
  • 小池 淳司, 片山 慎太朗, 古市 英士
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_533-I_545
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    経済のグローバル化が求められる今日においては,物流効率化に向けた適切な物流拠点の配置,機能の強化,物流ネットワークの構築が必要不可欠である.そのためには,まず貨物の動きを正確に把握することが必要であるが,我が国では,純流動データおよび総流動データを活用することで,国内貨物の動きを輸送機関別・品類品に把握することが可能である.しかしながら,我が国の貨物において重要な役割を担っている流通・配送センター等の物流拠点を経由する貨物の動きは,一般的に入手可能な貨物調査のみでは把握することができない.そこで,本稿では入手可能な既存の貨物調査から流通・配送センター等の物流拠点を経由する都市間物流モデルの構築を行い,直接運搬される貨物量に加え,物流拠点を経由して運搬される貨物量の推計を行った.
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  • 松島 敏和, 橋本 浩良, 高宮 進
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_547-I_558
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    スマートフォンによるプローブパーソン調査は,個人の交通行動を効率的かつ継続的に把握できる調査手法として実務展開が期待されている.本研究では,プローブパーソン調査の高度化を目指して,スマートフォンのGPSや加速度センサにより取得される移動履歴データから移動手段を判別する手法を開発する.実用化を念頭に置いた判別手法を提案し,実際のスマートフォンによるプローブパーソン調査で収集された移動履歴データに適用して判別精度を検証した.開発手法では,不特定多数の被験者による多様なスマートフォンの利用状況下で得られた移動履歴データを用いても,高い精度での判別が可能であることを確認できた.ここでの検証結果を踏まえ,本手法の有用性と調査の高度化の方向性について述べる.
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  • 中西 航, 高橋 真美, 布施 孝志
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_559-I_566
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,ミクロな歩行者挙動モデルのパラメータ推定手法としての一般状態空間モデルの適用可能性を検討する.この手法は,最尤推定に代表される従来手法にはない利点を有する.それは,逐次的に得られる挙動データに基づいて逐次的にパラメータ推定が可能であること,結果としてパラメータの時系列変化を捉えられること,取得されるデータの計測誤差を明示的にモデル化できることである.まず,一般状態空間モデルにおけるパラメータ推定を定式化する.次に,実データにより離散選択型の歩行者挙動モデルのパラメータ推定を行う.推定結果について,初期分布をはじめとする推定時の設定や,実際の歩行空間の状況との比較から考察を行い,この推定手法の有用性を実証的に示した.
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  • 橋本 成仁, 厚海 尚哉
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_567-I_576
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,高齢者の幸福感を向上させる要素として余暇活動に着目し,高齢者の余暇活動が幸福感とどのように関わっているのかについて検討を行った.回答者を取り組んでいる余暇活動を元に類型化したところ,「多彩型」「平均型」「消極型」の3つの余暇活動タイプに分類された.また,幸福感を表す指標として主観的幸福感尺度(LSI-Z)を用い,この値と各余暇活動タイプとの関係について検討した.高齢者の幸福感の要因分析の結果,余暇活動タイプや経済状況の満足度,総合的な余暇活動満足度などが重要な要素となっていることが示された.総合的な余暇活動満足度を向上させるためには本人の健康状態とともに,一緒に活動できる仲間の存在や時間的余裕が重要な要素となることが明らかになった.
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  • 横関 俊也, 森 健二, 矢野 伸裕, 萩田 賢司, 牧下 寛
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_577-I_588
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,自転車利用者が通行位置と進行方向の選択を行う際に影響を与える要因を解明するため,自転車交通の観測調査とロジスティック回帰分析を行った.その結果,通行位置の選択には,年齢層や自転車のタイプ等といった自転車利用者の個人属性,自転車の進行方向,自転車専用通行帯や普通自転車通行指定部分の有無,車道と歩道の位置変更のしやすさ等の道路特性,路上駐車の有無,歩行者や自動車,自転車の交通量が影響を与える要因となることがわかった.また,進行方向の選択には,自転車利用者の個人属性はあまり影響せずに,自転車専用通行帯や普通自転車通行指定部分の有無や大規模集客施設のあるサイドかどうか,車道と歩道の位置変更のしやすさ等の道路特性,路上駐車の有無や自動車と自転車の交通量が影響を与える要因として推定された.
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  • 宮之上 慶, 鈴木 美緒, 高川 剛, 細谷 奎介, 屋井 鉄雄
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_589-I_604
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    自転車の車道走行が原則となり走行空間の整備が進む中,自転車利用者にとって決して快適だとは言えない空間の一例として,狭幅員かつ横断防止柵が連続した対面通行自転車道が挙げられており,単路部での回避挙動の困難さ,交差点部での自動車との錯綜が危険視されている.このような現状を受け,自転車走行空間における安全性分析や空間評価ツールとして近年,自転車シミュレータ(以下,CS)の開発及び利用がなされている中,運転挙動や運転感覚における再現性検証はCS利用のための前提条件として重要であり,目的に応じたCSの開発要件が満たされた上で利用しなければならない.そこで本研究では,開発要件に対する再現性評価を行った上で,上記の対面通行自転車道における対向自転車とのすれ違い挙動特性をCSを用いて明らかにし,危険性評価を行った.
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  • 松村 暢彦, 石田 佳弘
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_605-I_611
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,情動的メッセージによるモビリティ・マネジメントの態度変容プロセスを検証し,対象としたコミュニティバスに対する態度変容への有効性を明らかにすることである.ケーススタディ地区として箕面市で運行しているコミュニティバス「オレンジゆずるバス」を設定した.使用する動機づけ情報は,実際のバスにおいて収集したエピソードを収集し,バスに対するポジティブな感情を喚起するに編集し,大学生を対象にアンケート分析によりデータを収集した.その結果,エピソード型MMは想定した態度変容プロセスをたどり,感情から思考を経て態度へと影響することを示すことが明らかとなった.
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  • 下川 澄雄, 森田 綽之, 土屋 克貴
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_613-I_622
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    効率的な道路交通を実現するためには,階層構造を有する道路ネットワークが不可欠であり,達成すべき性能目標を明確にしながら,その実現に努めていく必要がある.
    本研究では,階層型の道路ネットワークの構築において,50km/hを超えるような旅行速度を有する中間速度層が高速道路ネットワークを補完し,生活圏を構成する都市間連絡において重要な役割が期待されるものの,わが国においては,多くの場合このような中間速度層を含んだ階層構造が形成されていないことを指摘したうえで,一般道路と高速道路の2階層に中間速度層を加えた3階層の道路ネットワークを有する簡易なモデルを用いた試算により,旅行時間の短縮の観点から,中間速度層の適用範囲とその有効性を明らかにした.
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  • 山中 英生, 亀井 壌史
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_623-I_628
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    国土交通省・警察庁が2012年発出した自転車ガイドラインでは自転車走行空間のネットワーク整備を推進するため,多くの街路において,車道部の活用を基本方針としており,自転車専用通行帯に加えて,自動車速度が低く,交通量の少ない道路では,車道部でのマーキングや指導帯等を用いて,車道混在形態の整備を進めることが示されている.しかし,我が国の自転車の利用者にとってこうした車道走行の安全感確保の視点からの評価に関して十分な研究はない.本研究では,走行中の自転車から,追越していく自動車の速度,離隔を計測することができるプローブバイシクルを開発し,安全感のプロトコル調査と組み合わせることで,自動車に追い抜かれる時の安全感モデルを開発した.
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  • 波床 正敏, 中川 大
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_629-I_641
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    1964年に世界初の高速鉄道である東海道新幹線が開業し,2014年で50年を迎えた.この間,わが国では複数の新幹線が整備されてきたが,厳しい経済合理性を求められる社会環境やオイルショック等が影響し,世界的に高速鉄道の役割が注目される昨今においても新幹線網整備は必ずしも活発ではない.このような現状のネットワークは,特に国鉄解体民営化以後の幹線鉄道政策に依るところが大きいと考えられる.
    そこで本研究では,国鉄民営化直後の1990年を基準とし,当時の予想としての2025年における将来人口分布や当時明らかになっていた旅客流動データ等を前提に遺伝的アルゴリズムを用いて幹線鉄道網を最適化した.探索結果と実際に実施された幹線鉄道整備を比較し,整備政策が適切であったかなどについて考察を行った.
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  • 佐々木 智英, 高橋 清, 芝崎 拓, 大井 元揮
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_643-I_651
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の対象地区である北海道北見市に位置する川東・若松地区では,バス交通の利便性向上や公共交通空白地の解消を目的に平成24年12月から路線バスに代わるバス交通としてディマンドバスの実証運行が実施され,現在では,本格運行が実施されている.そこで本研究ではディマンドバス導入の事前・事後調査から,導入前後における利用者の意識構造をCSポートフォリオ分析を用いて視覚的に把握した.結果,導入前後におけるバスサービスに対する満足度の向上,および利用者識構造の変化を明らかにするとともに,今後の継続的運行に向けてバスサービスの改善すべき点を抽出し,利用者からみたときの具体的な改善策の検討を行った.
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  • 林 勇朔, 浜岡 秀勝
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_653-I_663
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    単路部横断では,高齢者は横断時間が長いため,横断開始のタイミングを誤り,横断後半で車両との事故の危険性がある.そこで本研究では,安全島を用いた二段階横断が有効と考えている.安全島により,横断歩道を一度に横断せずにすみ,安全島で一時停止もできる.また,横断の前半部は右側,後半部は左側のみの確認で良いため,高齢者でも横断タイミングを誤らずに横断しやすくなる.以上より,二段階横断にすることで,歩行者の安全性が向上すると考えられる.
    仮説を検証するために,調査対象区間にてビデオを撮影し,歩行者,車両の到着時間を取得した.また,これらデータを用いてシミュレーションを行い,その場所に適した制御方法を明らかにした.シミュレーションの結果,5つの制御方法のうち,安全島の設置が有効であると明らかになった.
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  • 稲垣 具志, 寺内 義典, 大倉 元宏
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_665-I_671
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,登下校中の児童が死傷するといった痛ましい子どもの交通事故が連続的に発生したことを受け,通学路の緊急合同点検の実施といった,安心で安全な通学路環境の構築に向けた取り組みが活発化している.子どもの交通安全対策・教育は,発達に応じた運動能力・認知判断能力の限界を考慮した上で実施されなければならないが,交通社会における子どもの能力について,安全教育・対策の評価に資する程の定量的,客観的な知見が十分であるとは言えない.本稿では,子どもの歩行者事故の典型類型である道路横断時の事故に着目し,接近車両の速度や距離に対する小学生の横断判断能力について実験的に考察した.その結果,小学生は成人と比べて車両速度に対応した判断ができていないこと等が明らかとなった.
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  • 小坂 浩之, 鹿島 茂, 坂本 将吾, 布施 正暁
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_673-I_680
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    国際物流や貿易の実態を捉える有力な資料として,貿易統計データが存在する.貿易統計データは,不整合問題と呼ばれる特性が存在し,ある国が報告する輸入額と,それに対応する相手国が報告する輸出額が整合しない.既存研究1)では,貿易統計の数量データを利用した不整合問題の調整によって,価額データの整合性が改善することを品目別の分析で示している.本研究は,不整合問題の調整に関して,品目別と国・地域別の時系列データにより,価額データの改善を検討する.また,不整合問題を調整した価額データと数量データを使用して,価額から重量への換算係数を作成し,この換算係数が国際貨物流動量推計の精度改善において有用であることを示す.
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  • 平林 由梨恵, 中村 文彦, 田中 伸治, 有吉 亮
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_681-I_687
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    日本の大都市郊外交通空白地区では,徒歩による移動の困難な場面が存在し,高齢化に伴う外出困難者の増加といった問題に繋がっている.予約型デマンド交通等が導入されているが,利用時の予約等の気軽さの欠如が課題となっており,利用者の確保が困難となっている.
    一方,東南アジア大都市には様々な運行形態で知られるパラトランジットが地域の主要な交通手段として存在し,その中でも利用者が多く,長い間地域に存在し続けているバンコクのシーローレックは,高頻度運行を代表とする独特な運行サービスにより利用者を惹きつけている.
    そこで本研究では,日本の大都市郊外交通空白地区において小型車両高頻度運行実験を実施し,評価を行った.買い物後の短距離坂道移動の利用が見られ,高頻度運行が利用意向向上に寄与することが明らかになった.
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  • 山田 真也, 鎌田 将史, 寺部 慎太郎, 葛西 誠
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_689-I_697
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    これまで,鉄道利用者の経路選択行動分析は,選別過程と選択過程の意思決定プロセスを前提にして行われてきた.選択過程については,経路の類似性を表現するために,複数の非IIA型経路選択モデルが開発されている.一方,選別過程については,実際に鉄道利用者の経路選択肢集合を取得し,選別基準について検討した研究はあるものの,鉄道利用者におけるルートキャプティブの存在が検証されていないことや明確な選択肢集合設定方法が確立されていないこと等の課題が存在する.本研究は,独自調査により通勤鉄道利用者の実際の経路選択肢集合を取得し,まず鉄道利用者におけるルートキャプティブの存在を検証した.続いて,実選択経路との差を基に選択肢集合に含まれる経路数を少しずつ変えながらモデルを推定することで選択肢集合の選別基準を見出した.
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  • 松永 千晶, 塚本 恭子, 大枝 良直, 外井 哲志
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_699-I_709
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,防犯環境設計に基づいた安全・安心な通学路設計を考察するため,登下校時の中学生対象の犯罪および不審行為とその影響要因の関係を表現する数学モデルを作成する.モデルは,これらの犯罪や不審行為の多くが,ターゲットに適した人や物,犯行に適した環境要因が時間的・空間的に揃った場合に遂行されやすい機会犯罪と呼ばれるものであり,現場周辺でのターゲットとの遭遇機会と環境要因が犯行企図者に影響を与えるという仮説に基づくものである.
    モデルを実際の中学校区での事例に適用したところ,モデルは学校からの距離に応じたエリアごとの犯罪・不審者の発生しやすさの分布を再現できた.また,ターゲットとの遭遇頻度と,沿道からの監視性に関する物理的環境要因が犯罪・不審者発生に与える影響を定量化できた.
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  • 三村 泰広, 橋本 成仁, 嶋田 喜昭, 安藤 良輔, 吉城 秀治
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_711-I_723
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    平成25年の交通死亡事故死者数は4,373人と13年連続で減少傾向にある一方で,居住空間に近く幅員の狭い生活道路での死亡事故発生割合が高まっている.生活道路は特に市街地において広域に広がっていることもあり,特に面的視点からの速度抑制を中心とする対策推進が有効とされる.我が国も近年,警察庁においてゾーン30という面的な速度規制が推進されていくこととなったが,今後,安全な生活道路空間を実現していくための対策を可及的速やかに普及させるに資する研究成果を創出していくことの重要性は極めて高い.本研究は周辺土地利用状況と生活道路として必要とされる理想的性能という視点から面的速度抑制対策箇所を選定する方法論を提案するとともに,面的な速度抑制対策の導入すべき箇所の選定について豊田市をケーススタディとして実施する.
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  • 波床 正敏, 中川 大
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_725-I_736
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    全国新幹線鉄道整備法が制定されて40年以上経過し,当初構想の全体ネットワークも徐々に建設されつつある.だが現在の日本の幹線鉄道整備は欧州諸国とは異なり,原則として高速新線の建設しか手段として持たない.ミニ新幹線やスーパー特急などの整備手法についても整備計画路線の暫定整備手法として存在するほか,既設線における速度向上も補助的な手法としては考えられるものの,果たしてこれら手法を組み合わせて,どの程度の改善が可能なのかは明瞭ではない.
    本研究では,2010年時点の路線網と工事中路線が完成した状態を基準とし,2040年を想定した旅客流動を前提にGAを用いて最適な幹線鉄道網を探索した.その結果,整備スキームを改善することで地域間交流を拡大できるとともに多様性を向上できることがわかった.
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  • 溝口 諒, 山中 英生
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_737-I_742
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    ドライビングシミュレータ(以下DS)は,実車による実験に比べ,安全面やコスト面での利点があり,道路施設評価や情報提供施策の分析など,多様な目的に活用されている.しかし,実環境での走行感覚と比べて,DSは速度感覚,距離感覚などに相違があることが分かっている.本研究では,開発した自転車用の広視野型ドライビングシミュレータについて,走行時の速度,車間距離,側方距離,サインの判読距離に着目して,現実環境との感覚の違いを比較する実験を行い,相違の程度を定量的に明らかにすることを目的とした.この結果,DSでは実環境に比べて,指示した速度より速く,車間距離は短く感じる傾向が生じるがその割合からみて時間感覚は再現されている.ただし,画像解像度の影響からサインの判読距離は短くなることを定量的に明らかにした.
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  • Aleksander PURBA, Fumihiko NAKAMURA, Shinji TANAKA, Peamsook SANIT, Ry ...
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_743-I_753
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    The Jogjakarta economy is largely dependent on education and tourism industry. The emerging dominance of private transport has reached to a degrading traffic conditions. Severe traffic congestions and high level of air pollution have been affecting the attractiveness of Jogjakarta, a popular tourism city in Indonesia. Unless a new approach of urban transport system development, it is feared that the amount of visitors will keep declining and hence affecting the city economy. In response to the increasingly complex issue of providing effective and efficient transport systems, the Ministry of Transportation (MoT) of Indonesia enacted decree No 51 of 2007, promoting pilot cities for land transport improvement. From the target of thirty pilot cities by 2014, to date, twenty seven cities have signed a memorandum of understanding with MoT and launched more than twenty new transit systems, including TransJogja of Jogjakarta. The aim of this study is to explore international tourist perceptions of new urban bus service regarding quality of service, information and English language guidance, satisfaction, and willingness to use TransJogja. The findings from path analysis reveal the important attributes that influence customer satisfaction and willingness to use new urban bus service. According to model results, rather than service quality, the information and English language factor is the main concern for international tourists using Trans bus. As concerns over the willingness to use urban bus, both operator and transport authority should provide with the updated and supplemented information in English to cover international tourist and visitor needs. The model results can be useful both to operator and transport authority to analyze the correlation between individual attributes of the service delivered and identify the more important attributes for improving the provided service.
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  • 矢澤 拓也, 金 利昭
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_755-I_764
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,普通自転車専用通行帯や自転車走行指導帯といった自転車レーンにおける自転車の利用実態を,昼間だけでなく夜間の自転車利用にも着目して明らかにすることである.交通量調査より,同一路線内でも整備状態の異なる箇所では自転車の通行位置割合が異なり,夜間には歩道や車道の整備状態によらず歩道通行の割合が10%程度増加することがわかった.アンケート調査より,昼間に比べ夜間の通行時に車や歩行者の交通量の減少,路面の色等の視認性低下を感じているが,通行位置選択では昼夜問わず,路面の「なめらかさ」や「車の交通量」「車との距離」を重視することがわかった.昼間は車道で夜間は歩道を通行する自転車利用者は,車からの視認性等の安全性を重視しており夜間には車と距離をとることができる歩道を通行することが推察された.
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  • 吉田 昇平, 中村 文彦, 田中 伸治, 有吉 亮
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_765-I_772
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    近年導入が盛んなコミュニティバスについて,住宅地区内の狭隘な道路において大型車両は通行するべきでないとする問題点が存在することによって,一部の地域ではコミュニティバスの運行ルートの設定に難航している事例が存在している.本研究は,コミュニティバスの運行ルート計画において,幅員基準を満たす運行ルートを設定することが最も困難であることを示し,また一方で幅員基準に満たない場合でも運行ルートとして登録された道路も少なからず存在していることを明らかにした.幅員基準を満たさない道路においても登録された要因について,待避所などの整備状況や自動車交通量が影響していると考えられることを示した上で,幅員のみによって判断されないコミュニティバスの運行ルートに考慮できる道路の新たな指標の考え方について提案している.
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  • 佐藤 恵大, 鈴木 美緒, 細谷 奎介, 宮之上 慶, 屋井 鉄雄
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_773-I_784
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    自転車運転者のマナーが問題視されているにもかかわらず,パターン化した教育が一律に行われていることや,「交通ルールを知っているが遵守しない」自転車利用者に対する教育方法が確立されていないことなど,自転車安全教育の改善には重要な課題が存在する.近年,体験させる教育ツールとして注目されているのが自転車シミュレータ(CS)である.そこで,本研究ではCSの教育機会への導入可能性を検討するために,法令違反による事故の傾向を整理し,CSの主観的評価とCSでの事故経験および教育効果の関連性を考察した後,自転車の法令違反行為をCSで再現できるか実験を行なった.その結果,CS走行シナリオ内で法令違反を含む普段通りの走行挙動が観測され,「交通ルールを知っているが遵守しない」違反挙動を再現できる可能性が示された.
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  • 岩舘 慶多, 岸 邦宏, 中辻 隆
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_785-I_795
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では食料供給機能に着目した道路評価を定量的かつネットワークレベルで行った.その際,一般的な指標である重量[t]や金額[円]に加えて,熱量[cal]やそれが何人分の食料に相当するのかを表す供給可能人数[人]といった食料を表す指標を道路評価に導入した.
    本研究で作成した食料OD表は3つの流通段階(FtoC,FtoP,PtoC)を設定することで加工も考慮した上で「産地から消費者」まで一貫して捉えることが可能となった.本研究で構築した分析手法によって,どの路線が多くの食料を運んでいるかを表すネットワーク評価,その路線を運ばれている食料の品目構成,産地構成,流通段階構成を表す路線評価,交通条件の変化によるネットワーク向上効果を表す輸送体系指標といった分析が可能となった.
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  • 櫻井 宏樹, 松本 修一, 葛西 誠, 平岡 敏洋
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_797-I_804
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    協調ITSにおいて,路車間・車車間通信の両システムが連携することで様々なITSサービスアプリケーションが実現可能になってきている.また,従来の「走る,曲がる,止まる」に加えて,自動車の新たな機能の一つとして「繋がる」に注目が集まっている.本研究では,情報の伝達によってドライバ同士が繋がることの先進事例として,先々行車両の加減速情報を追従車両に提供し,発進時の燃費と車両挙動に与える影響を検証した.その結果,1)発進時に情報を視認することが多く,発進時の燃費が改善する.2)発進遅れの短縮やアクセル踏込み量の減少など運転行動の変化が確認された.3)加速終了時には,先行車両に調和した車両挙動になる.以上より,先々行車両の加減速情報を追従車両のドライバに提供することが,発進時に有用であることが明らかになった.
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  • 溝上 章志, 中村 謙太, 橋本 淳也
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_805-I_816
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,環境負荷低減意識の高まりからカーシェアリングサービスの普及が進みつつある.乗り捨てが可能なワンウェイ型のシェアリングサービスでは,利便性が高い反面,需要の偏りによる車両の偏在が問題となっている.本研究では,再配車を行わないワンウェイ型シェアリングシステムの導入可能性をトリップの置き換えモデルの構築,運用シミュレーション分析によって検討する.そのために,熊本市内におけるMEVによるシェアリングを想定したSP調査を設計・実施した.さらにモデルを用いた運用シミュレーションプログラムを開発し,導入可能性の検討を行う.
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  • 萩田 賢司, 森 健二, 横関 俊也, 矢野 伸裕
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_817-I_826
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    放置車両確認事務等の業務を民間委託することを骨子とした駐車対策法制が,平成18年6月に施行された.この駐車対策法制の効果を明確にするために,この対策が駐車車両関連事故に与えた影響を,警察庁の交通事故統計と駐停車違反取締りデータを用いて分析した.H17~25年の駐車車両関連事故の変動をみたところ,駐車車両対策法制の施行後には,駐車車両関連事故が全事故と比較して顕著に減少していることが明らかになった.また,駐車車両関連事故の中では,速度が高い事故,夜間事故,自動二輪車,原付,軽車両による駐車車両衝突などの減少率が大きく,駐車車両関連事故が発生しやすい状況における減少率が大きいことが示された.また,駐車監視員の導入状況により,駐車車両関連事故の減少率はさほど変化していなかった.
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  • 日下部 貴彦, 牛木 隆匡, 朝倉 康夫
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_827-I_837
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    交通事故に代表される道路上での突発事象の検出手法の多くは,車両感知器から得られるデータを用いるが,高精度の検出には車両感知器を高密度に設置することが必要であり,地方部の道路や発展途上国などでは,困難なことが多い.そこで,本研究ではプローブカーデータを用いた突発事象検出手法の提案を行う.この手法は,プローブカーにより渋滞の末尾を抽出し,衝撃波の伝播速度に基づいて交通容量の低下を検知することで突発事象を検出するものである.提案した手法について,交通流シミュレータによる検出精度,検出時間の検証を行った.その結果,交通集中が原因の渋滞に対する誤検出を減らすことができる一方で,検出にはプローブカーの混入率が5%程度必要であることが示された.
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  • 森 英高, 西村 洋紀, 谷口 守
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_839-I_848
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    商業施設・公共交通の撤退や高齢化に伴い,日常的買い物活動が困難となる者が多く存在する.それに対し地方都市を中心に移動販売等の対策が行われてきている.本研究では移動販売・ネットショッピング・お届けサービスを合わせて「買い物支援サービス」と定義し,居住者の買い物支援サービスの利用意向を明らかにした.その結果,1) 移動販売に安否確認等のサービスを付随させることは,現在の居住地が不便であるため転居したいと回答した者であっても,その転居を控えると回答するほど強い影響があること,2) 注文の方法を教われば高齢者であってもネットショッピングを利用する可能性があること,3)どのような対策を行った場合においても,今後の買い物支援サービス利用において二極化が進む可能性が高い,などが傾向として明らかとなった.
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  • 塩見 康博, 今仲 弘人
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_849-I_855
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    ラウンドアバウトの環道流入交通容量は,流入部を通過する環道交通量とその車頭時間分布,および車頭時間当たりの流入可能台数との関係で規定される.しかし,当該アプローチから流出する車両が存在する場合,それとの入れ違いで環道への流入がしやすくなるなど,多様な要因が交通容量に影響を及ぼすことが予想される.本研究は,ラウンドアバウトの交通容量を正確に評価する手法を構築する前段として,環道への流入挙動をビデオ画像から抽出した走行軌跡データに基づき,二項選択ロジットモデルを援用した環道流入挙動モデルを構築した.その結果,流出車両が存在しても環道流入挙動には有意な影響を及ぼさないものの,当該の流出車両が方向指示器を出して流出する際には有意に環道への流入がしやすくなり,交通容量の増大に繋がることが示された.
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  • 平岡 敏洋, 橘 崇弘, 葛西 誠, 松本 修一
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_857-I_864
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    車載機器に視覚情報を提示することで,安全運転やエコドライブを促す運転支援システムに対する期待が高まっている.しかし,安全運転やエコドライブを促すのではなく,渋滞になりにくい運転を陽に促すシステムに関する取組みは,盛んではないうえに,インタフェース設計など多くの課題が残されている.本研究では,運転者の先行車追従行動を変化させ,渋滞発生を抑制することを狙いとして,車頭時間を一定に保つように促すインタフェースを用いた運転支援システムを構築する.本稿では,先行車との車頭時間と,目標車頭時間との差によって線の太さと色が変化する枠をリアルタイム表示する視覚情報インタフェースを提案する.さらに,ドライビングシミュレータ実験により,システムの利用が先行車追従行動に与える影響と渋滞抑制効果を検証する.
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  • 中山 達貴, 中村 俊之, 宇野 伸宏, 山崎 浩気, 山村 啓一
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_865-I_874
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,追突事故削減を目的として,国道を模した道路の信号交差点を対象に,赤信号への切り替わり時におけるITS技術を活用した情報提供がドライバーの運転行動に与える影響について,ドライビングシミュレータ実験により収集したデータを用いて運転挙動の分析を行うものである.ITS技術を活用した情報提供として,本実験では車載器からの音声による情報提供に着目し,現在多くの国道で交通安全対策として実施されている看板による情報提供のケースを対象に比較分析を行った.
    分析結果から,音声による情報提供は,交通安全対策を実施しない場合や看板による情報提供を行った場合と比較して,速度変化が緩やかになり,交差点直前において急ブレーキ発生の抑制につながる知見が得られ,追突事故削減に寄与する可能性が期待される.
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  • 中島 秀之, 野田 五十樹, 松原 仁, 平田 圭二, 田柳 恵美子, 白石 陽, 佐野 渉二, 小柴 等, 金森 亮
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_875-I_888
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    バスとタクシーの区別を無くした,主として都市部を対象とした新しい公共交通システム(Smart Access Vehicle System)の概念を示す.これは,コンピューターにより全ての車輛の位置と経路を管理し,固定路線やダイヤを持たず,乗合いで,デマンドに即時対応するシステムである.これを交通サービスのクラウド化と呼ぶ.タクシーの利便性とバスの経済性を併せ持つことが可能である上に,渋滞,事故,天候変化,災害などに柔軟に対応できる.筆者らは函館市内において小規模な実験を行い,数日間の完全自動配車に成功している.
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  • 渡部 数樹, 中村 英樹
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_889-I_901
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本論文では,交通事故削減に向けた効率的な安全対策実施を目標として,道路交通や社会環境条件と事故発生との関係について事故類型別に統計モデル分析を行った.分析にあたっては,事故データに道路交通状況等の各種情報をGIS上で付与したデータベースを構築し,事故発生頻度を被説明変数とした負の二項分布回帰分析より影響要因の特定を試みた.分析結果より,幹線道路の事故発生頻度と混雑時平均旅行速度や交差点間距離が密接な関係にあることや,非幹線道路では道路幅員や用途地域等の要因が事故類型間で異なることを示した.さらに,非幹線道路の事故は旅行速度の低い幹線道路に近い位置で多発する傾向を示唆した.分析結果をふまえ,幹線道路の円滑性向上や階層化された道路ネットワークの再構築による安全性向上について考察した.
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  • 谷本 智, 小嶋 文, 久保田 尚
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_903-I_915
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,抜け道交通問題を解決する対策として,欧州で普及する「ライジングボラード」に着目した.著者らは既存研究において,日本でライジングボラードの普及が進まない要因である,安全性の懸念に由来する管理者の負担を軽減するために,ソフトな素材による独自のライジングボラードを提案している.本研究では,このソフトライジングボラードを使用し,公道において,国内初の導入社会実験を行い,その装置の安全性,四輪自動車の交通規制遵守促進への有効性,及び受容性について検証を行った.実験結果から,導入前後において違反通行車両数の減少が確認された.また,歩行者,周辺店舗等へのアンケートから,導入に対しての肯定意見が多く得られたことから,ソフトライジングボラードの有効性,普及可能性が示された.
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  • 葛西 誠
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_917-I_929
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    自動車専用道路等のサグが容量上のボトルネックとなることは良く知られているが,そのメカニズムについては未だ明らかとなっていない.本研究では,道路線形が交通流へ及ぼす影響のみを観測できる有力な方法としてドライビングシミュレータによる追従積重ね試験を位置付ける.このデータから道路線形の影響のみを抽出する方法として,追従挙動モデルへのあてはめではなく階層ベイズ型推定である季節調整法の適用を試みる.この結果,縦断線形の影響は季節変動成分として抽出できる可能性が示唆される.また,その影響の強さは階層ベイズモデルのハイパーパラメータとして推定できることを述べる.
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  • 井料(浅野) 美帆
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_931-I_941
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    駅前広場の車両通行部分では,様々な利用者が錯綜することによる混雑が発生し,その影響は時に街路へと及ぶ.中でもキスアンドライド車両は乗降位置を自由に選択できるものの,その行動特性や,選択結果が渋滞発生へ与える影響は分かっていない.本論文は,キスアンドライド車両の送り・迎えの種別ごとの乗降位置選択行動と駅前広場の待ち行列発生パターンとの関連性を明らかにし,それを定量的に表現可能なシミュレーションモデルを構築することを目的とする.まず実態調査から,時間帯により乗降時間分布が異なること,乗降時間の比較的短い利用者の二重停車により待ち行列が延伸することを確認した.そして,二重停車を含む乗降位置選択モデルを組み込んだシミュレーションにより,駅前広場における複数の渋滞パターンを再現できることを示した.
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  • 田中 伸治, 長谷川 直之, 中村 文彦
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_943-I_949
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    織り込み区間は都市高速道路における主要なボトルネック箇所となっており,交通事故のリスクの高い場所でもある.これらは多くの車両の車線変更位置が区間上流端に集中していることが原因であり,本研究ではこれを区間全体にわたって分散させる車両制御手法を提案し,その効果を交通シミュレーションを用いて評価した.その結果,提案手法は織り込み区間における交通処理能力の低下を防ぐ効果があり,拡幅のような大規模インフラ投資をせずに交通渋滞を緩和できる可能性が示唆された.
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  • 原 祐輔
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_951-I_959
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は交通サービスオークションにおける利用者の選好表明コストに着目し,利用者の選好表明コストを低減させる選好誘出メカニズムの提案を行う.時間帯別利用権の私的評価値は通常の財と比較すると,周辺時間帯間に評価値の関係性が存在するため,提案メカニズムはその性質を用いて表明時間帯周辺の評価値の補間を行う.提案メカニズムは少ない表明回数で私的評価値と等しい表明評価値を生成できる性能をもつことを示した.また,提案メカニズム下におけるオークション割当の効率性・精度の評価を行い,利用者が希望利用時間帯をもち,スケジュール費用に対応する関係性が存在する場合に効率的に機能することを示した.
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  • 吉野 大介, 羽藤 英二
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_961-I_975
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    公的主体により公共交通整備が行われ,かつその財源として税が投入される場合,公共交通を社会資本として捉えることになり,その整備にあたっては道路等の他の社会資本整備と同様に,社会的合意を得る必要がある.また,合意形成の際には,公的負担の制約を踏まえ,公共交通サービスの導入に伴い,最も効率的に公平性の確保が図られる方法を選定することが求められる.このような課題に対する1つのアプローチとして,本研究では自治体内小地区別の潜在的な公共交通需要量(潜在需要)をDEA(包絡分析法)をもとに定量化し,その地区における具体的なベンチマークを明確化する評価モデルを提案した.また,開発したモデルを実際の都市に適用し,今後公共交通の利用促進を重点的に図るべき地区や利用促進の具体的な方針等について検討を行った.
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  • 小川 圭一, 屋木 祥吾, 三ヶ島 慎哉
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_977-I_984
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,ムーブメント制御と呼ばれる信号制御方式が試験的に導入されている.しかしながら,現在では導入事例が少ないため,ムーブメント制御の導入が有効となる交通量の条件が明確になっていない.本研究では,ムーブメント制御が通常の歩車分離式制御と比較してどのような交通条件で有効であるかを,仮想的な信号交差点のシミュレーションモデルを構築することによって検証する.具体的には,ムーブメント制御の導入が有効であるとされている交通量の時間的変動と,対向方向との交通量の差異に着目し,歩車分離式制御との比較によって,ムーブメント制御(歩行者専用現示方式)の導入が有効となる交通量の条件を明らかにすることを目的とする.
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  • 喜多 秀行, 浅香 遼, 渡邉 友崇, 辻谷 純, 四辻 裕文
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_985-I_990
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    性能照査型設計では性能評価指標が重要な役割を果たす.本研究では,道路の機能が拠点間のアクセシビリティの確保であるとの認識の下,他の拠点への“行きやすさ度”が評価すべき性能であると考え,交通機能の主たる要素である安全性と円滑性に着目した性能評価指標を提案する.
    まず,ドライバーの眼前に広がる走行環境に対する局所的評価とドライバーが認識する“行きやすさ度”の程度を関連づける評価構造モデルを構築した.次いで,ドライビング・シミュレータを用いた室内実験により,モデルの特定と現象説明力の検証を行い,提案した指標の既往指標に対する優位性を確認した.また,提案したモデルを組み込み,道路交通特性に関する常時観測データから性能評価指標値を算定するための方法論を提示し,事例分析によりその有用性を明らかにした.
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  • 松尾 幸二郎, 廣畠 康裕
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_991-I_1000
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    欧州を中心に注目されているIntelligent Speed Adaptation (ISA)は,我が国における交通静穏化のための抜本的なツールになる可能性を有している.本研究ではまず,ドライバーの主観的な安全性と利便性を考慮した走行速度選択モデルを構築し,車両走行実験データを用いたモデルパラメータの推定を行った.続いて,仮想的な生活道路区間を想定した上で,速度選択モデルおよび歩行者飛び出し事故危険性評価モデルに基づき,強制型ISAによるドライバーの負担および死亡事故減少便益を推計し,比較を行った.その結果,現況において,1km当りで2年に1件以上歩行者の飛び出しによる事故が生じている場合には,上限速度30km/hの強制型ISAによる便益がドライバーの総負担額を上回ることが示された.
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  • 牧野 浩志, 鈴木 一史, 鹿野島 秀行, 山田 康右, 堀口 良太
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_1001-I_1009
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    都市間高速道路のサグ部での渋滞発生要因については,上り勾配に伴う速度低下や車線利用の不均衡等が知られており,ITSを活用してそれらの是正を図る情報提供等の対策が実施されている.一方,渋滞発生前の高密度な交通流における車線変更行動と渋滞発生との因果関係に関しては,十分な知見が得られていない.本研究では,車線変更行動と減速波の発生・伝播の関係について,路側ビデオ映像に基づく時空間車両軌跡データ等を用いて分析を行った.また,サグ渋滞対策への一つのアプローチとして,車線変更行動を抑制する方策の合理性に関して示唆を得るため,臨界流下で車線変更を繰り返して先を急ぐアグレッシブドライバが,そうした行動によって短縮し得る所要時間について,ミクロ交通シミュレーションを用いて試行的に評価した.
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  • 近田 博之, シン 健
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_1011-I_1016
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    旅行速度はトラフィック機能が卓越した都市間高速道路の交通性能を示す代表的な指標のひとつである.性能照査型道路計画設計を都市間高速道路で適用するためには,区間旅行速度の推定が不可欠であり,道路交通環境別に速度性能曲線を整備する必要がある.しかし道路幾何構造が車両の旅行速度に与える影響が十分解明されていないなど,速度性能曲線を整備する上で取り組むべき課題を多い.
    そこで本稿では,縦断勾配と走行速度の関係に着目し,全車両を把握可能な車両感知器の地点速度を使い,縦断勾配や勾配区間長が車両感知器で観測される地点速度に与える影響を分析し,性能照査型道路の計画設計手法への適用のための基礎資料を提供することを目的とする.
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  • 神戸 信人, 尾高 慎二, 康 楠, 中村 英樹, 森田 綽之
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_1017-I_1025
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    近年,我が国では,地域の自発的な取り組みによりラウンドアバウトの社会実験や導入事例が増え,平成25年6月には道路交通法の一部を改正する法律が成立し,ラウンドアバウトが環状交差点として法的に位置付けられた.一方,未だラウンドアバウトの導入事例が少ないため,ラウンドアバウトを導入する際に必要となる,自動車や横断歩行者・自転車の交通状況の実測値を踏まえた交通容量上の判断基準は明確になっていないのが現状である.本研究では,ラウンドアバウト運用のされている既存円形交差点やラウンドアバウト社会実験での観測データを用いて,実現交通量の特性を分析した上で,軽井沢町六本辻ラウンドアバウトで観測された交通容量に関する考察を行うとともに,提案されている横断歩行者等を考慮した流入部交通容量推定式との比較を行う.
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  • 兵頭 知, 吉井 稔雄, 高山 雄貴
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_1027-I_1033
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    時間的に明るさが変化する薄暮/薄明,空間的に明るさが変化するトンネル周辺などの状況下では,視環境に影響を与えることから事故発生リスクが高くなることが想定される.そこで,本研究では,走行時間帯における明るさおよび走行時において空間的に変化する明るさが交通事故発生リスクに与える影響を明らかにする.具体的には,2007年~2010年における4年間に四国の高速道路において記録されたデータを用いて,ポアソン回帰モデルを用いた事故発生リスク要因分析を行う.分析の結果,夜間時において有意に事故発生リスクが高まること,昼間時・薄明時のトンネル出口部において物損事故発生のリスクが高まることなどの知見を得た.
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  • 武知 洋太, 松澤 勝, 伊東 靖彦, 金子 学, 國分 徹哉
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_1035-I_1046
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,吹雪時に移動気象観測車を走行させて視程などの気象データと走行速度などの運転挙動データを取得し,冬期道路の吹雪危険箇所の評価方法を検討した.さらに吹雪時の視程障害に影響を及ぼす沿道環境条件について分析を行った.
    その結果,吹雪時の運転への影響は瞬間的な視程でなく評価延長50mの平均視程の変化に応じて生じ,吹雪危険箇所の評価には平均視程を指標とすることが適切であることを明らかとした.平均視程が200m未満でブレーキ操作による走行速度の低下が生じ,100m未満ではハンドル操舵角の標準偏差が大きくなることを明らかとした.また風上の平坦地が長いほど,道路構造が切土に比べ盛土で視程障害が発生することを定量的に示したほか,橋梁端部,防雪柵の端部と開口部周辺で平均視程が低下する事例を確認した.
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  • 浅野 周平, 森本 章倫, 長田 哲平
    71 巻 (2015) 5 号 p. I_1047-I_1053
    公開日: 2015/12/21
    ジャーナル オープンアクセス
    普及初期段階にある電気自動車(Electric Vehicle,以下EV)の活用方法の一つにカーシェアリングが考えられる.しかし,EVはガソリン車と比べて航続距離が短い,充電に時間を要するといった短所を持つため,ガソリン車と同等の活用が可能であるか不明瞭である.そこで本研究では,EVの特性を考慮した効率的なカーシェアリングの運用方法を検討する.そのために,まず実証実験を通しEVカーシェアリングの利用実態を詳細に把握した.次に実証実験で得たデータより,モンテカルロ法を用いたシミュレーション分析を行った.その結果,運営時間や利用範囲の設定に応じた適切な会員数を導いた.加えて小規模事業所向けEVカーシェアリングではEVの利用を短距離,短時間に限定することで,車両1台当りの1日の利用回数や稼働時間が増加するとの知見を得た.
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