目的:本研究の目的は,救急医療におけるタスク・シフト/シェアを見据え,救急看護師が多職種と連携・協働しながらより高い専門性を発揮するための,担うべき役割を明らかにすることである。方法:横断研究デザインによる実態調査研究(Web上質問紙調査)で実施した。医師・看護師・救急救命士を対象に,救急医療で必要な役割について,タスク・シフト/シェアを見据え,医師・看護師・病院救命士がどの程度担うとよいかを4件法で調査した。結果:医師119名,看護師354名,救急救命士1,415名の計1,888名の回答を分析対象とした。医師・看護師・救急救命士は共通して,救急看護師は患者・家族の精神的ケアと生活行動援助を担うとよいと考えていた。また看護師は,倫理調整や退院後の生活を見据えた支援も担うとよいと考えていた。結論:救急看護師は,身体的側面だけでなく,精神面や社会面,家族をも含めた多角的なケアが期待されていた。
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