老年歯科医学
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20 巻, 4 号
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  • その成果と新たな展開
    井上 宏
    2006 年 20 巻 4 号 p. 321
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 小城 明子, 柳沢 幸江, 植松 宏
    2006 年 20 巻 4 号 p. 323-331
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    多くの高齢者では加齢あるいは疾病による口腔機能の低下が認められ, それに伴う摂食能力低下に対応した食事を摂取している。我々は, 日常食品の摂取状況から摂食能力を簡単に判断できる方法の確立を目的に, 評価方法と併せて適当なテスト食品の物性検討を行った。
    20歳代の若年者28名および70歳以上の地域高齢者26名を対象に, 乾あんず, 食パン, 煮ごぼう, 鶏肉, かまぼこ, マッシュルーム水煮, あられ, 茄でほうれん草, ぶり照焼の9食品を一口量摂取させ, 嚥下直前の食塊を回収した。そして, 食塊中の粒度4mm以上の割合を咀嚼1回当たりに換算した値「大粒度率」を求めた。
    大粒度率が高い者ほど咬合状態パラメータ (接触面積, 最大圧, 咬合力) 値が低く, 咀嚼回数が増加した。摂食能力の不足を咀嚼回数で補っている可能性が考えられた。咀嚼回数と相関関係が認められた大粒度率は, 男女ともに煮ごぼう, 鶏肉, あられ, ぶり照焼であった。日常食品としてはやや特殊な特性を有していたあられを除き, 煮ごぼう, 鶏肉, ぶり照焼は, 水分含有率が比較的高くて, あまりかたくなく, 付着性, 凝集性, 弾力性も比較的強くない食品であった。
    このような特性を有する食品をテスト食品とし, それらの嚥下までの咀嚼回数から, 摂食能力を簡易に推察できる可能性が示唆された。この方法は, 特別な装置や技術は不要であり, 対象者への負担も少ない。ニーズの高い要介護高齢者施設における実施も充分可能であり, 有用であると考えられる。
  • 和泉 良大郎, 新庄 文明, 池田 紀夫, 橋本 猛央, 福田 英輝
    2006 年 20 巻 4 号 p. 332-342
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    中高年者の歯の喪失原因となる歯周炎の発症や進行に対する隣接面歯冠修復物の影響を明らかにするために, 本研究をおこなった。
    兵庫県, 大阪府内の3歯科医院において初診時に20歳以上であった患者で, 初診時にパノラマX線写真を撮影し保管されている人のうち, 現存歯を20本以上保有している人を, それぞれ平成16年末までの最新の受診者から100名ずつ抽出し, そのうち歯冠修復処債と歯槽骨吸収の確認できない者を除外した289人 (男性123名, 女性166名, 平均年齢57.3歳) を対象とした。初診時のすべての現存歯の歯周ポケット測定値が記録されている101名については歯周ポケットの深さにより歯周炎の状態を判定し, また, 全ての対象者について初診時に撮影したパノラマX線写真をもとにして第3大臼歯を除く全ての現存歯 (6, 672本) の歯冠修復状況と, 近心側および遠心側の歯槽骨吸収の状況をScheiのスケールを用いて判定した。
    隣接面を含む歯冠修復の有無と歯周ポケットの深さとの関係の分析からは, 前歯と小臼歯において歯冠修復処置をした面について, 初期, 中等度, 重度の歯周疾患との有意な関連が示された。上下顎歯群別に隣接面の修復の有無と歯槽骨の吸収の状況を年齢群別に分析した結果から, 歯冠修復処置をした面の歯槽骨は, 20~49歳の若年者では, すべての歯群において初期の吸収が有意に多くみられ, 一方, 50歳以上の中高年者では上下顎の前歯, 小臼歯群において歯冠修復処債をした面の中等度の歯槽骨吸収が有意に多くみられた。また, 65歳以上については, 歯冠修復処置と歯槽骨吸収との有意な関連がみられる歯群数が最も少なかった。
    隣接面歯冠修復物が歯周炎の発症に与える影響は, 若年者では全ての歯群の初期病変に, 中高年では前歯, 小臼歯の中等度病変に, 特に強くみられた。高齢者では直接的な影響は少なくなる傾向が示されたことは、その他の要因の関与が人きくなるためではないかと考えられる。このように, 隣接面歯冠修復物と歯周炎との関連には, 年齢, 部位によって影響のあらわれ方に特異性があることが示唆された。
  • 入所利用者の歯科受療支援を含む口腔ケア
    渡部 芳彦, 若生 利津子, 阿部 一彦
    2006 年 20 巻 4 号 p. 343-349
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    歯科衛生十が常勤する介護老人保健施設において, 訪問歯科診療を利用した施設入所利用者の歯科受療内容を分析し, 施設歯科衛生士の役割を考察した。
    施設にて実施された訪問歯科診療は, 5年半でのべ2, 612件であり, その内容は, 可撤性義歯などの補綴治療が6割以上を占めた。また, 受療者数は開設1~2年後をピークに減少し, 長期の入所利用者は, 治療から維持のための口腔ケアに移行していると考えられた。しかし, 新規入所利用者の7割近くは入所時の口腔衛生状態が不良であり, 施設歯科衛生士の対応としては, 通常の口腔のケア (本人または介護職員による毎食後の歯磨きと, 施設歯科衛生士による週1回の個別ケア) を全員に実施するほか, 個々のニーズに応じた追加的な口腔ケア (38.6%) や職員への指示など (51.1%) とともに, 必要な人には歯科受療を勧め (69.3%) ており, その殆どの人が受療していた。また可撤性義歯を製作した17名のうち12名は施設歯科衛生士の勧めに応じたものであった。
    一般に, 要介護高齢者の歯科治療の必要性は高いものの, 受療に至る割合は低い。そこで受療者側の心理的な支援や, 受療に関わる介護者の負担を軽減する支援が必要と考えられる。本施設では, 施設に常勤する歯科衛生士が歯科受療支援を含む広義の口腔ケアの実践で, 入所利用者の生活の質の向上の一翼を担っていた。介護福祉領域では, このような人材がさらに必要と考えられる。
  • 中島 丘, 岡田 春夫, 遠見 治, 渓 裕司, 中島 俊明, 礒部 博行, 加藤 喜夫
    2006 年 20 巻 4 号 p. 350-352
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 田村 純治, 外園 智唯
    2006 年 20 巻 4 号 p. 353-355
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 徳間 みづほ
    2006 年 20 巻 4 号 p. 356-361
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 渡邊 裕, 山根 源之, 外木 守雄, 蔵本 千夏
    2006 年 20 巻 4 号 p. 362-369
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 森崎 重規
    2006 年 20 巻 4 号 p. 370-372
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 戸原 玄, 下山 和弘
    2006 年 20 巻 4 号 p. 373-375
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 日本人の齲蝕の歴史的変遷
    藤田 尚
    2006 年 20 巻 4 号 p. 376-379
    発行日: 2006/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
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