老年歯科医学
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19 巻, 1 号
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  • 山根 源之
    2004 年19 巻1 号 p. 1
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 官能試験法による検討
    村上 弘, 水口 三保, 加藤 大輔, 横山 隆, 伊藤 裕
    2004 年19 巻1 号 p. 3-7
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    現在, 義歯の殺菌, 脱臭のために義歯洗浄剤が多種販売されているが, 義歯洗浄剤の誤飲, 誤用はもちろんであるが, 薬剤臭が義歯に残ったり, 義歯中に取り込まれた薬剤が体内に摂取されることも問題となっている。そこで, たとえ体内に入っても胃に到達するまでには単なる水に戻っており, 生体に対する副作用がなく, 脱臭力の強いオゾンを義歯臭の脱臭に利用した。
    被験者は男性5名, 女性5名の計10名とし, 被験者が実際使用している可撤性義歯, 計15床について, オゾン水で洗浄する前, 洗浄後5分と洗浄後10分の臭いについて, 臭気強度表示法による官能試験を行った。
    脱臭結果は, オゾン洗浄前の臭気官能検査で「強度」と判定された一人を除いた全被験者で, オゾン洗浄後5分で「においなし」となり, 「強度」と判定された一人もオゾン洗浄後10分で「においなし」となった。
    本実験結果よりオゾン洗浄は義歯臭の脱臭に対して, 義歯洗浄後10分で著名な効果を示し, 高齢者の義歯の衛生管理にきわめて有用と考えられる。
  • 大神 浩一郎, 小林 健一郎, 杉山 哲也, 眞木 吉信, 櫻井 薫
    2004 年19 巻1 号 p. 8-12
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    歯根部を残してオーバーデンチャーの支台歯として用いる場合, 唾液による自浄性の低下やプラークコントロールの困難さから, 支台歯が歯根面う蝕や歯周疾患に罹患するリスクが高い。
    そこで, 本研究は, 溶液と異なり高い停滞性が期待される高濃度フッ化物バーニッシュに着目し, オーバーデンチャーの支台歯に塗布することで, う蝕および歯周疾患の予防効果がどの程度期待できるかを明らかにすることを目的とした。
    調査対象者は48歳から73歳の16名 (31歯) で, 22, 600ppmF-の高濃度フッ化物バーニッシュ塗布群6名 (14歯) とコントロール群10名 (17歯) とした。群分けはランダムに割り付けを行い決定した。調査項目は歯周組織の状態 (CPIコード, 動揺度), う蝕罹患の有無および唾液中細菌数 (mutans streptococci, Lactobacilli) の増減とした。
    コントロール群における17歯中4歯は歯周疾患の進行に伴い抜歯となった。CPIコードおよび動揺度に関してはフッ化物バーニッシュ群とコントロール群との間には統計学的に関連性を認めた (p<0.05) が, 両群ともに新たなう蝕の発現は認められず, 唾液中う蝕原性菌数においても統計学的に関連性を認めなかった。
    本研究の結果から, 歯根面う蝕の発現は両群とも見られなかったが, 定期的な高濃度フッ化物バーニッシュの局所応用は, その停滞性から応用歯の歯周疾患の予防に対しては有効であることが判明した。
  • ケアの前提条件として保湿が奏効した1例
    菅 武雄, 中谷 敏恭, 千代 情路, 渡辺 卓, 林 裕章, 小林 智, 森戸 光彦
    2004 年19 巻1 号 p. 13-15
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    ケアの効果を向上させると同時に負担を軽減する目的で, 重度要介護者1名に対する高度介入による口腔ケアに口腔湿潤剤を応用した。対象は94歳女性, 要介護度5の寝たきり者である。常時開口状態にあるために口腔乾燥が高度で, 舌および口蓋に剥離上皮の滞積が認められ, 毎日の剥離上皮除去のケア負担が大きかった。そこで口腔湿潤剤 (パナソニックデンタル社製フィットエンジェル・ジェルタイプ) を用いたケアプランを提案した。効果測定にはCandida菌数 (CFU) を測定した。
    口腔湿潤剤の使用法は, 従来のケアの介護負担を増加させないよう, 従来の口腔ケアすなわちスポンジブラシを用いたケアを変更せずに, ケアの最後に舌および口腔粘膜にスポンジブラシを用いて口腔湿潤剤を塗布することとした。
    保湿を加えたケア1週間で剥離上皮の量が減少し, 除去も容易になった。剥離上皮除去時の出血もなくなった。除去時のCandfda菌数 (CFU) の変化は1444CFUから1週間後に66CFUと95.4%の改善が認められ, 2ヵ月後にはOCFUにすることができた。
    結果として口腔湿潤剤を口腔ケアに応用することにより, 安全で確実なケアが行えると考えられ, 口腔ケアの前提条件としての保湿の重要性が示唆された。
  • 大江 智可子, 小長谷 光, 外園 智唯, 深山 治久, 海野 雅浩
    2004 年19 巻1 号 p. 16-19
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    術前に発作性上室性頻拍を有し副伝導路焼灼術により有効焼灼が得られた患者に, 手術後発作性上室性頻拍 (Paroxysmal Supraventricular Tachycardia;以下PSVT) が出現した症例を経験したので報告する。
    症例は74歳女性, 左上顎歯肉腫瘍の診断で全身麻酔下にて左上顎部分切除術と人工粘膜移植術が予定された。患者は30歳より動悸を自覚し, 46歳時にPSVTの診断を受け薬物療法を開始した。本予定手術前より患者は動悸を訴えていたため, 術前に本学医学部循環器内科を受診し, 精査後房室性結節性回帰性頻拍と判明した。そこで手術4日前に副伝導路焼灼術を行い, その結果有効焼灼が得られたため, 本手術を行った。
    術中は特に問題なく経過した。覚醒時, 筋弛緩剤に対する拮抗の目的で硫酸アトロピン1mg, メチル硫酸ワゴスチグミン2.5mgを投与した。その直後より突然頻脈となった。その後, 気管内チューブの刺激の影響も考え, 早期に抜管した。しかし頻脈は持続し正常QRS波形, 異所性P波がT波に重畳している事よりPSVTと診断し, 塩酸ベラパミル10mgを静注した。5分後洞性頻脈へ移行後, 心電図98回/分へと回復した。
    本症例におけるPSVT発作の主な原因は, 覚醒時における交感神経の緊張, 高血圧や頻拍など循環動態の変動, 硫酸アトロピンの影響などが考えられた。また, 術前に施行された副伝導路焼灼術は有効であったとの報告のもと, 今回出現したPSVTは麻酔覚醒時に循環動態が大きく変動したことにより新たに別の副伝道路が形成された可能性もある。
  • 角町 正勝, 本多 啓子, 新庄 文明
    2004 年19 巻1 号 p. 20-24
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    N県下のT歯科医院で行っている平成7年から8年間の訪問歯科診療の対象者549名について, 訪問場所, 原因疾患, 転帰等について調査した。病院, 在宅では60~80歳, 施設では80~90歳, の占める割合が多く, より高齢層の多い病院・施設では, 比較的女性が多かった。原因疾患は循環器系疾患の中でも脳血管障害の占める割合が多かった。転帰については, 終了が39.5%, 治療継続中が20.2%, 死亡が20.2%, 中断が12.6%であった。急性期病院, 一般病院, 回復期病院, リハ病院では終了の割合が最も大きく, 維持期病院では死亡, 介護施設および在宅では治療継続中の割合が最も大きかった。回復期以降における対応の長期化に伴い, 患者の全身状況や経済状況の変化, 転移先との連携不備などによって中断率が高くなること, 死亡率が高くなることも無視しえない。発症直後の急性期を含む訪問歯科診療などの取り組みの普及が重要であることが示唆された。
  • 南 温, 中田 和明, 奥山 秀樹, 三上 隆浩, 木村 年秀, 佐々木 勝忠, 植田 耕一郎, 新庄 文明
    2004 年19 巻1 号 p. 25-33
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    高齢者の口腔機能の維持回復のシステムづくりの検討のため, 全国の24か所の介護保険施設において, 利用者全員に対する集団的な機能訓練「お口の健康体操」を実施するとともに, 施設ごとに数名づっを選定した計116名については, 4週間にわたり個別の取り組みとして「口腔機能リハビリ」を毎日実施した。口腔機能リハビリの対象者では, 口腔衛生の改善を始めとして, 約半数のケースに反復唾液嚥下テスト結果の改善, 2割強に食事量の増加や食事時間の短縮などの摂食, 嚥下機能の改善が確認されるとともに, 3割弱にみられた座位保持時間の延長, さらに, 笑顔などの表情の改善, 会話量の増加によるコミュニケーションの改善, その他の日常生活自立度の改善がみられた。
    今回は維持期の状態にある介護保険施設利用者を対象に実施したが, 今後は, 急性期から回復期をも含む口腔機能改善に取り組むとともに, 本事業の評価をもとに, さらに効果的な実施方法やサービス提供体制の整備について検討を進め, 高齢者の口腔機能改善の取り組みの普及をはかることが期待される。
  • 藤沢市における要介護高齢者口腔管理対策の推移
    高橋 民男, 鈴木 聡行
    2004 年19 巻1 号 p. 34-36
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 森戸 光彦
    2004 年19 巻1 号 p. 37-39
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
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