老年歯科医学
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22 巻, 3 号
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  • 深山 治久
    2007 年 22 巻 3 号 p. 255
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 50歳代から70歳代の健常者における検討
    金 博和, 高田 耕司, 岡 俊一, 見崎 徹
    2007 年 22 巻 3 号 p. 257-264
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    プロポフォールによる静脈内鎮静法併用下での歯科診療時の心拍変動およびバイタルサインを測定し, 50歳代~70歳代の健常者の自律神経活動およびプロポフォール投与量を検討した。対象は, 口腔外科外来で抜歯術や嚢胞摘出術が予定された循環器系および呼吸器系疾患を合併していない50歳代~70歳代の患者16例 (Group1: 60.4±6.2歳) と若年者19例 (Group2: 30.1±5.4歳) とした。その結果,
    1) 術前値の比較では, Group 2に比べ, Group 1は心拍変動解析のTP (全周波数成分), LF (低域周波数成分), HF (高域周波数成分) が有意に低値を示し, 血圧が高値を示した。
    2) 術前値と手術時の群内比較では, 両群ともTPが有意に減少した。交感神経指標であるLF/HF, LFnorm (正規化したLF) は減少傾向を示し, 交感神経と副交感神経の自律神経バランスは均等となった。手術時の群問比較ではLF/HF, LFnormに有意差はみられなかった。
    3) 術中に使用したプロポフォール平均持続投与量はGroup 2に比べ, Group 1において有意に少なかった。
    よって, 50歳代~70歳代の患者は若年者に比べ自律神経活動の低下, 特に副交感神経活動が低下していることが明らかになった。50歳代~70歳代の患者では若年者よりもプロポフォール投与量が少量で自律神経バランスが均等になることから, 静脈内鎮静法を併用する際は投与量が過量にならないよう注意を要することが示唆された。
  • 層別無作為化対照試験
    鈴木 美保
    2007 年 22 巻 3 号 p. 265-279
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    高齢障害者の日常生活活動 (ADL) 能力など全身状態へ及ぼす歯科治療効果に関する介入研究のために, 評価表を作成し, 全国12歯科医師会の協力を得て527名での治療者による層別無作為化対照研究を行った。
    その結果, 対照群 (255名) では前・後比較で有意差を認めた項目がなかったのに対して, 治療群 (277名) では意識レベル, ヒトの見当識, FIMの食事・更衣・4項目合計, 歯科医からみたface scaleにおいて後調査が有意に改善していた。口腔機能評価については, 治療群で, 口腔内の痛みと, 口腔乾燥以外の項目に、改善を認めた。
    両群の前調査と後調査の差の比較では, 治療群において, ヒトの見当識, FIMの4項目合計, 歯科医からみたface scaleが有意に改善していた。口腔機能評価では, 食べたときの痛み, 歯肉の腫れ, 咀瞬, 上顎義歯着脱自立度, 口腔清掃回数, 清掃用具, 発音の明瞭度に治療群と対照群の差があり, 口腔の客観情報については, 口腔清掃状態の食物残渣, 口臭の改善を認めた。
    義歯治療に関連しては, 部分床義歯の場合にADL改善が大きかった。
    歯科介入による高齢障害者のADLおよびQOLの改善は, 歯科的問題というADL阻害因子, あるいは阻害因子の発生原因の軽減によるものと考えられた。
  • 菅 武雄, 福井 只美, 山根 明, 森戸 光彦
    2007 年 22 巻 3 号 p. 280-287
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
    【目的】本研究の目的は, 舌骨格筋の発生過程におけるBone morphogenetic protein (BMP) の役割を研究することで, 加齢による筋萎縮のための再生療法, リハビリテーションなどに有用な基礎的な情報を得ることである。
    【材料・方法】胎齢11, 13, 15, 17日のマウス胎仔, 出生時のマウスより舌を摘出し, 中央部付近の凍結切片を作成し, 酵素抗体法を用いてBMP2および4, BMP受容体 (BMPR) IA, IB, IIおよびアクチビン受容体 (ActR) IA, II, IIBのその局在を解析した。舌筋の分化マーカーである速筋型ミオシンの染色により筋組織を同定した。
    【結果】胎齢11日のマウス筋組織においては調べたすべての因子の発現は観察されなかった。BMP2, BMPRIB, ActRI, ActRII, ActRIIBは最も活発に分化している胎齢13~15日のマウス舌筋組織で発現が認められた。筋線維への成熟が開始されている胎齢15日の舌筋組織では, 調べたすべての因子の発現が観察された。しかし, 発現はその後減少し, 出生時まで継続していたのはBMP2, BMPRIA, ActRIA, ActRIIのみであった。
    【考察】以上の結果からBMP2, BMPRIB, ActRI, ActRII, ActRIIBは舌筋分化の全過程に, 調べたすべての因子は筋線維への成熟の開始に, BMP2, BMPRIA, ActRIA, ActRIIは成熟の全過程に関与している可能性が示唆された。
  • 住野 広明, 塩澤 光一, 森戸 光彦
    2007 年 22 巻 3 号 p. 288-297
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    高齢者での食品咀嚼機能に関わる唾液分泌量の影響を調べるための指標となる知見を得るために, 正常な唾液分泌量を有する健康な成人被験者を対象とし, 高齢者でも咀嚼可能な食パンおよび魚肉ソーセージを咀嚼させ, 咀嚼の進行に伴う食塊物性変化を調べた。被験者は, 2ml以上4.092ml未満の唾液分泌量を有する12名の被験者群 (NG) と4.092ml以上の多量の唾液分泌量を有する12名の被験者群 (HG) に分けて分析した。
    (1) 嚥下までの咀嚼回数はどちらの試料咀嚼でもHG群とNG群とで有意差が認められ, その平均値は, HG群の方がNG群よりも少ない回数を示した。
    (2) 咀嚼の進行に伴う食パン食塊の物性変化は両群問で全く同じ傾向を示したが, 魚肉ソーセージ食塊の付着性はNG群とHG群とでは異なった変化を示した。
    (3) 嚥下直前の食塊物性は食パン食塊, 魚肉ソーセージ食塊どちらもNG群とHG群で差は認められなかった。
    以上の結果から, 正常な唾液分泌量を有する成人被験者での唾液分泌量の違いは, 嚥下までの咀嚼回数や魚肉ソーセージ食塊物性変化に影響を及ぼすが, 嚥下食塊物性には影響を及ぼさないことが示された。
    またこれらの結果が, 高齢者の唾液分泌量と嚥下閾値との関連を検討するうえで有用かどうかを調べるために唾液分泌量の異なる3名の有歯顎高齢者を対象に実験を行ったところ, 成人被験者と同様な食塊物性変化が認められた。
  • 岡根 百江, 北村 由紀子, 佐藤 裕二, 北川 昇, 真下 純一
    2007 年 22 巻 3 号 p. 298-308
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    口腔乾燥感を訴える患者が急増している中で, 口腔乾燥状態を評価する検査法は複数存在するが, 測定結果と患者の訴える口腔乾燥感との関係は明らかにされていない。そこで, 患者の訴える口腔乾燥感と的確に対応する検査法を明らかにすることを目的に, 日内変動を考慮に入れ検討を行った。
    被験者は口腔乾燥症状のない成人20名 (男12名, 女8名: 平均28.3±2.7歳) で, 測定は10時点 (前日就寝前, 起床直後, 朝・昼・夕の食事の前後, 就寝前, 翌日起床直後) とした。検査項目は『口腔乾燥感』, 『口腔粘膜保湿度』, 『唾液湿潤度』, 『安静時唾液分泌速度』の測定とした。測定期間中に感じた乾燥感の回数を元に『乾燥傾向あり』群と『乾燥傾向なし』群に分け, 『乾燥傾向あり』群において「口腔乾燥自覚時点」と「乾燥無自覚時点」との問で分析を行った。
    統計解析の結果, 日内変動に有意性が認められ, 変動傾向は個人差が大きいことが明らかとなった。乾燥自覚時点と無自覚時点における分析では, 安静時唾液分泌速度にのみ自覚時点における有意な低下が認められた。
    以上のことから, 患者の訴える乾燥感を客観的に評価可能な検査項目は, 安静時唾液分泌速度であることが示された。しかし, 患者個々に変動傾向は異なるため, あらかじめ変動傾向を把握した上で測定時期を検討する必要があることが示唆された。
  • 村田 あゆみ, 守屋 信吾, 小林 國彦, 本多 丘人, 野谷 健治, 原田 江里子, 柏崎 晴彦, 黒江 敏史, 黒嶋 伸一郎, ヌルモハ ...
    2007 年 22 巻 3 号 p. 309-318
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    【目的】高齢者では, ADLが低下し自立性が損なわれることが問題である。ADL低下の原因となる栄養状態や体力の低下には, 咀嚼能力が関連すると考えられる。自己評価に基づく咀嚼能力 (自己評価咀嚼能力) は簡便な問診により評価する方法であり, 集団検診に適している。本研究では, 自立高齢者の自己評価咀嚼能力と, 栄養状態および体力との関連を明らかにする。
    【方法】自立高齢者315名 (65~84歳) を対象とした。調査項目は, 背景因子, 食習慣, BMI, 血清アルブミン値, 握力, 開眼片足立ち秒数, ならびに口腔内因子 (アイヒナーの分類, 義歯の使用状況, 自己評価咀嚼能力) とした。このうち自己評価咀嚼能力は, 「何でも噛める」を良好群, 「少し硬い物なら噛める」を概良群, 「柔らかい物しか噛めない」を不良群とした。
    【結果】前期高齢者の男性では, BMIおよび血清アルブミン値とも自己評価咀嚼能力の良好群あるいは概良群に比べ, 不良群で有意に低下していた。女性では, 握力が良好群に比べ概良群で有意に低下していた。男女ともその他の項目に有意差はみられなかった。後期高齢者では, 女性のBMIで有意差がみられたが, その他の項目では有意差はみられなかった。咀嚼能力の低下には, 独居, 咬合支持がない, 義歯の使用状況 (未使用あるいは不適合を自覚) が関連していた。
    【まとめ】自己評価咀嚼能力の不良であるものが, 約1割みられた。自己評価咀嚼能力は, 前期高齢者では栄養状態や体力に関連する重要な因子の一つであることが示唆された。
  • 小松崎 明, 江面 晃, 末高 武彦, 黒川 裕臣, 遠藤 敏哉, 長谷川 優
    2007 年 22 巻 3 号 p. 319-325
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    介護老人保健施設の入所者24名を対象として, 食事形態など食事内容, ADLなど全身的状況, 要介護状況を質問項目とした質問紙調査 (記入は担当看護師に依頼) を実施し, 口腔, 義歯の状況については口腔診査を行い, 分割表分析により食事形態 (普通食群, 特別食群に群別) と全身・口腔状況との関連性を検討した。
    その結果, 口腔状況のうち義歯装着 (p<0.01), 機能歯数 (p<0.05) は, 食事内容により有意差が認められ, 義歯を装着し機能歯数の増加を図ることが食事内容の改善に影響すると考えられた。また, ADL要介助項目数 (p<0.01), 要介護度 (p<0.01), BDR要介助項目数 (p<0.01) で食事内容により有意差が認められ, 全身機能, 要介護状態と食事内容との関連が認められた。
    これら結果から, 歯科医師は食事内容や日常生活機能なども把握した上で歯科治療にあたる必要があり, 積極的に口腔機能の維持・向上を図ることで, 要介護者の食事内容が改善されQOL向上に寄与できる可能性が示唆された。今後は, 義歯未装着者への対策を中心に, 要介護者の口腔保健の向上について検討する余地がある。
  • 車いすから座位での移乗
    三浦 雅明, 松嵜 洋人, 河合 俊宏, 白石 葉子, 水田 朋子
    2007 年 22 巻 3 号 p. 326-331
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
  • 浅野 倉栄, 中島 丘, 三宅 一徳, 岡田 春夫, 中島 俊明, 遠見 治, 礒部 博行, 加藤 喜夫, 長坂 浩
    2007 年 22 巻 3 号 p. 332-335
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
  • 森戸 光彦
    2007 年 22 巻 3 号 p. 336
    発行日: 2007/12/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
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