老年歯科医学
Online ISSN : 1884-7323
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38 巻, 2 号
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総説
原著
  • 山本 龍生, 遠又 靖丈, 田中 直人, 西澤 昭人, 玉置 勝司
    2023 年 38 巻 2 号 p. 48-55
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー

     臼歯部の可撤性義歯治療を必要とする口腔機能低下症患者に対する,補綴治療と管理計画(オーラルフレイル改善プログラムと食品摂取の多様性向上を目的とした栄養指導)による口腔機能と栄養状態の改善効果を検討した。臼歯部の可撤性義歯治療を行う65歳以上の外来患者のうち,口腔機能低下症を有する者20名(男性11名,年齢の中央値77.5歳)を分析対象とした。補綴治療と管理計画を行い,3カ月後と6カ月後に口腔機能と栄養状態を評価した。その結果,口腔機能検査7項目中の該当数が初診時(中央値:4.0)から3カ月後(2.0)(p=0.001)と6カ月後(3.0)(p=0.013)に有意に減少した。Body Mass Index,体脂肪率と筋肉量に有意な変化はなかった。基礎代謝量は三時点で有意な変化が認められたものの(p=0.047),初診時,3カ月後および6カ月後のいずれか二時点の比較では有意差は認められなかった。これらの結果から,臼歯部の可撤性義歯治療を要する口腔機能低下症患者に対して,オーラルフレイル改善プログラムと食品摂取の多様性向上を目的とした栄養指導は,6カ月後の口腔機能の改善には効果的であるが栄養改善にまでは結びつきにくいことが示唆された。

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