老年歯科医学
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6 巻, 1 号
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  • 金子 譲
    1991 年6 巻1 号 p. 1-9
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 北川 栄二, 木村 幸文, 飯田 彰, 熊谷 倫恵, 中村 光宏, 亀倉 更人, 藤沢 俊明, 福島 和昭
    1991 年6 巻1 号 p. 11-18
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    静脈内鎮静法は, 歯科治療を安全かっ快適に管理するうえで, 有効な手段である。しかし, 老年者を対象に静脈内鎮静法を施行する場合は, 成人の基準量を投与すると循環, 呼吸抑制を起こす可能性があることから, いくつかの留意点があると考えられる。そこで, 当科において, ジアゼパムまたはフルニトラゼパムによる静脈内鎮静法を行った335症例を年齢で10歳ごとに分け, 各年代ごとに呼吸, 循環動態を観察し, 老年者に対する静脈内鎮静法の管理上の問題点にっいて比較検討した。その結果,(1) 60歳以上では循環器疾患を合併し, その増悪, 発症を防ぐために静脈内鎮静法を用いた症例が80%以上と大半を占めた。 (2) ジアゼパムの必要投与量は, 60歳代で0.176±0.070mg/kg, 70歳代で0.127±0.051mg/kg, 80歳代で0.093±0.047mg/kgであり, またフルニトラゼパムの必要投与量は60歳代で0.011±0.004mg/kg, 70歳代で0.006±0.001mg/kg, 80歳代で0.005±0.001mg/kgといずれも加齢とともに減少していた。 (3) 静脈内鎮静法施行中における経皮的酸素飽和度の最低値は, 60歳代で93.4±2.4%, 70歳代で93.8±2.1%, 80歳代で91.5±4.0%と60歳代以上で有意な減少が認められた。 (4) 静脈内鎮静法施行中, 鎮静薬投与後は血圧低下傾向があったが, 年齢との相関性は認あられなかった。また, 処置開始後の血圧上昇は対照値程度までの上昇にとどまっていた。以上, 鎮静薬の投与量は少量であったが, 静脈内鎮静法により, 循環器疾患の合併率が高い老年者に対しても, 十分な鎮静状態と循環動態の安定が得られた。一方, 呼吸抑制の可能性は高く, パルスオキシメーターによる監視, 及び酸素の予防投与が有効と考えられた。
  • 下山 和弘, 河辺 覚, 小林 章二, 渡邊 竜登美, 内田 博之, 水口 俊介, 安藤 秀二, 守澤 正幸, 中澤 潤, 鈴木 哲也, 小 ...
    1991 年6 巻1 号 p. 19-25
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    高齢化社会を迎えるにあたり, 歯科臨床では高齢者の歯科医療に対する問題が脚光を浴びている。歯科医療を受けている高齢者の大多数は歯科医療機関に通院している。したがって通院により歯科治療を受けている高齢歯科患者の口腔内の状況とその治療内容を知ることは重要である。高齢者に対する歯科治療の現状を明らかにするために, 東京医科歯科大学高齢者歯科治療部の外来患者を対象に高齢歯科患者の口腔内の状況とその治療内容について調査を行った。今回調査した患者数は200名 (男性84名, 女性116名) であり, 平均年齢は男性76.6歳, 女性76.5歳であった。
    1. 初診時一人平均残存歯数は5.7本であった。
    2. 一人平均抜歯本数は0.8本であった。抜歯処置は初診時有歯顎者の61%に行われた。
    3. 保存修復処置は初診時残存歯数の3.7%, 冠橋義歯の支台歯数は初診時残存歯数の15.7%, 根面板の歯数は初診時残存歯数の1.9%であった。
    4. 一人平均可撤性有床義歯製作数は1.8床であった。製作された義歯の68.3%は全部床義歯であった。
    高齢者の歯科治療時には初診時有歯顎者の61%が抜歯処置を受けていた。高齢者は全身疾患を有することが多いため, 抜歯の際には細心の注意が必要と思われる。また高齢者は欠損歯数が多いため, 可撤性有床義歯による補綴が多かった。したがって義歯製作法に習熟する必要性が示唆された。
  • 東京医科歯科大学高齢者歯科治療部における調査
    海野 雅浩, 佐藤 顕正, 渡辺 竜登美, 内田 博之, 水口 俊介, 安藤 秀二, 守澤 正幸, 中澤 潤, 鈴木 哲也, 下山 和弘, ...
    1991 年6 巻1 号 p. 26-34
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    東京医科歯科大学歯学部附属病院高齢者歯科外来を訪れた608名の高齢者の全身的基礎疾患の合併状況並びに血圧, 脈拍数, 心肺系の臨床症状について調査を行った。調査対象となった患者の61.2%がなんらかの全身的基礎疾患を有していた。この中では高血圧がもっとも多く, 28.5%をしめていた。っいで狭心症, 糖尿病, 不整脈, 心筋梗塞, 脳血管障害の順であった。2つ以上の疾患を複合している患者は16.4%であった。このなかでは高血圧との合併率が高く, 高血圧が各種疾患の危険因子になっていることがわかった。160mmHg以上の高血圧を示す患者は16.6%に見られた。脈拍数では18.5%に除脈傾向が見られた。動悸, 息切れ, 胸部不快感の発生率は狭心症や, 心筋梗塞などの虚血性心疾患で高かった。高齢者では睡眠障害を訴える患者も多く, 高血圧症, 脳血管障害で著しかった。これらのことから歯科外来を訪れる高齢者は全身的基礎疾患を有する割合が非常に高く, 心肺系の予備力の低下が存在することが判明した。従って高齢者の歯科治療に際しては基礎疾患の病態を十分把握し, 基礎疾患の悪化や偶発症の予防を心がける必要がある。
  • 植松 宏, 梅崎 伸子, 中村 全宏, 久保田 康耶, 酒井 信明
    1991 年6 巻1 号 p. 35-42
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    歯科治療に際して血圧測定が必要なケースは少なくない。しかし, 患者が厚着をしていると, マンシェットを捲くまでに時間がかかり血圧測定が煩わしくなる。そこで, 今回私達は指の基部で血圧測定を行うオムロン社製HEM-802F型デジタル自動血圧計を試用し, その精度測定すると共に歯科臨床への応用の可能性について検討した。
    対象は当センター歯科を受診した患者44例と歯科衛生士学校の学生83例である。また, 指基部血圧計の測定精度を検討するためのコントロールとして上腕で血圧を測定する日本コーリン社製のBP-203型自動血圧計を用いた。
    その結果, 患者群の上腕血圧と指基部血圧との間には, 収縮期圧, 拡張期圧とも座位および水平位において極めて良い相関が認められた (P<0.01) 。但し, 歯科衛生士学校の学生を対象にした測定では拡張期圧には相関が認められなかった。また, 患者群の指基部の収縮期圧は上腕と比べて座位では4.32mmHg低く, 水平位では0.66mmHg高かったが, いずれも差は小さかった。
    以上より, HEM-802F型血圧計は心臓との位置関係に留意して測定すること。また, 指基部の血圧は生理的または病的な原因で上腕の血圧との間に差が生じうることを念頭におけば, 歯科臨床に十分活用できるものと考えられる。
  • 石川 朋伯
    1991 年6 巻1 号 p. 43-51
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    筆者は, 65歳以上の在宅ねたきり老人129人を対象として, 口腔疾患と全身疾患の状態などについて知るため, 訪問面接調査と口腔診査を実施した。そして, 口腔疾患の重症度と全身疾患の重症度を, それぞれ0度~4度の5段階に分類することを提案した。口腔疾患の重症度は, 歯科治療の緊急性という観点から, 歯科疾患の有無, 咀嚼状態の良否, 疼痛の有無, 緊急に治療を必要とするような重篤な口腔疾患の有無の4項目により分類した。また, 全身疾患の重症度は, 歯科治療をする面からみたときの健康状態を5段階に分類した。その結果, 口腔2度・全身3度に該当する者が60人で最も多く, 次いで口腔0度・全身3度の者が27人の順であり, 口腔4度に相当する者は認められなかった。
    在宅ねたきり老人の歯科治療を推進していくことを考えた場合, 仮定した費用のもとでは, 現在の健康保険制度での往診診療にのみ基づいて広く実施していくことは, 容易なこととは言い難い。そこで, なるべく少ない費用で, より効果的に治療するには, この重症度による分類を活用し, 歯科医師の往診のみに頼るのではなく, 他の人的援助などを含めた広い視野に立った治療対策を構築することが必要であると考えられた。
  • 新庄 文明
    1991 年6 巻1 号 p. 52-57
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    大阪府下S市における成人歯科健診結果 (受診者830名) ならびに, N市における保健計画策定の基礎調査の結果 (回答数1713件) に基づき, 日常生活における歯科衛生習慣や歯科受療の状況と, 喪失歯数あるいは歯の喪失に影響を及ぼすと考えられる歯周疾患, う蝕との関連について分析した。S市の成人歯科健診の結果から, 40~49歳の成人において, 使用している歯ブラシの硬さや材質, 歯科衛生士による指導の有無が喪失歯数と有意な関連を持つこと, および, 歯みがき回数, 歯磨きの時間帯, ブラシの硬さ, ブラシの交換頻度, および歯科衛生士による指導, 定期診査の受診などの要因が未処置う蝕歯数やCPITNと有意な関連を持つことが明らかにされた。N市の調査結果の分析からは, 食後の刷掃習慣の他, 甘さを制限する食習慣の影響が老年期の歯の喪失に影響を与えること, 痛みや異常の際の受療行動がすでに50歳台より, 歯の喪失に影響をもたらすことが示された。
  • 又賀 泉, 北野 智丸, 山口 晃, 小坂 一彦, 上滝 俊彦, 佐野 公人, 森 和久, 岡野 篤夫, 近藤 帥典, 畑 好昭
    1991 年6 巻1 号 p. 58-66
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    本学在宅歯科往診チームにおいて, 1987年9月より1989年12月までの2年4か月の間に抜歯を中心とした観血処置をおこなった症例の処置内容および対策について紹介した。
    その内容は, 抜歯をおこなった患者数は32症例で, これは総患者数82症例の39.0%を占めた。抜歯患者の内訳は, 在宅にて17症例 (53.1%) で, 全身合併症など抜歯中の管理上の問題より, 入院させて抜歯したものが15症例 (46.9%) であった。これらの入院患者の平均入院期間は11日間であった。抜歯治療総回数は合計52回で, うち抜歯のための往診回数は25回 (48.1%) で, 総往診回数391回の6.4%を占めた。入院中27回抜歯がおこなわれた。総抜歯数は126歯で, うち在宅で55歯 (43.7%), 入院下が71歯 (56.3%) であった。
    以上の結果より, 患者管理の安全性および集中治療が可能になるなどの利点より, 第3次医療機関として大学が役割を担っていく上で, 入院の適応が増すものと考えられた。
  • 宮川 明, 巣山 達, 藤川 晃, 関口 隆, 山口 晃, 堤田 良二, 野口 誠, 平塚 博義, 武田 公将, 豊下 寿隆, 鴨下 秀武, ...
    1991 年6 巻1 号 p. 67-77
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    高齢者の多くが義歯装着者であることを考えると, 高齢化社会を迎えて高齢者の口腔機能回復のための義歯の果たす役割は大きい。しかし, 少数歯欠損例に比べ, 高齢者の無歯顎例では加齢的変化に伴った骨吸収のために生じる, いわゆる総義歯難症例を多く経験する。また, 顎骨を含めた腫瘍切除が行なわれる高齢者の口腔癌患者においては, 術後に起こる機能障害の回復もまた大きな問題の1つである。今回, われわれは65歳以上の高齢者で歯槽堤過吸収あるいは腫瘍により顎骨切除を行った症例に対し, 歯科用骨肉インプラントを用いて咀嚼機能の改善を計った症例を経験したので報告する。対象症例は8例で男性2例, 女性6例, 年齢は66歳~78歳 (平均71.2歳) であり, 部位はいずれも下顎無歯顎である。使用したインプラント材料はチタン合金にハイドロキシアパタイトをコーティングしたINTEGRAL (カルシテック社, アメリカ) による2-pieceインプラントシステムを用いた。本報告例の経過では最終補綴物装着後最短5ヵ月から最長1年5ヶ月の観察期間ではあるが, 義歯装着によりすべての症例で咬合咀嚼機能は比較的良好であり, 本法は高齢者総義歯難症例に対して極めて有用であったので報告する。
  • 歯科診療開始に至るまで
    飯塚 務, 小松 孝至, 白橋 知幸, 根岸 哲夫
    1991 年6 巻1 号 p. 78-85
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    近年, 寝たきり老人に対する保健・医療ニーズが高まり, 葛飾区歯科医師会においても, 昭和61年から在宅寝たきり老人歯科診療問題に取り組み始めた。しかし, 寝たきり老人の実態については, ほとんど報告されていないのが現状であったため, まず, その実状を調査把握することが, 直接器械器具を持ち込んで治療にあたることより先決であると考えた。
    葛飾区の場合, 昭和61年の寝たきり老人の数は1694人であり, そのうち, 在宅寝たきり老人は773人いて, この人たちを対象に歯科医師会会員による実態調査をおこなうことにした。対象者のうち, 実際に調査に応じたのは130人であった。この調査に携わった歯科医師会会員は91名であった。その結果, 何からの後遺症などがあるものの, 4割の人たちは, 自力あるいは物にっかまれば歩けることがわかった。歯科処置内容は補綴処置が多くの場合必要とされた。歯科診療は, 本来設備の整った診療ユニットのうえで行なわれるべきである。実態調査結果をもとに, 葛飾区側と協議の結果, 在宅寝たきり老人専用の歯科診療所の建設が決定し, 移送可能な寝たきり老人は, 固定診療所で, 移送に適さない老人は, 訪問により診療するとする, 2本立てのいわゆる葛飾方式で実施することになった。訪問診療は, 平成2年2月から, 固定診療所における診療は, 同年8月から開始された。本報告では, 診療実施に至る経緯を示した。
  • 木田 正芳, 池岡 憲之, 加藤 隆正, 片桐 知之, 倉賀野 勲, 岡崎 吉孝, 岡田 好史, 村田 良輔, 勝 喜久, 住田 修己, 井 ...
    1991 年6 巻1 号 p. 86-92
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    豊中市においては, 昭和63年に厚生省より在宅寝たきり老人歯科保健推進事業モデル地区に指定されて以来, 本事業に本格的に取り組むこととなった。その具体的な実施にあたり, 当市では在宅老人歯科保健推進協議会 (本協議会) を設置し, 事業の多角的な企画・立案等を行っている。さらに同協議会 (専門小委員会) では, 検診後の症例にっき検討を重ね, 治療方針を決定している。そこで, 今回我々は, 当市における本事業内容の実績について調査するとともに, ADLと口腔内状態との関係についても比較し, 検討を加えた。調査にあたっては, 豊中市在住の65歳以上の在宅寝たきり老人で, 平成元年3月より平成2年7月までに往診依頼を受けた53名を対象とした。上記対象者にっき主訴を分類したところ, 全体の66.0%が義歯の不適合・破折を訴えた。したがって, 治療内容についても最終的に補綴処置にいたった患者は87%であった。さらに, 対象患者の内科的基礎疾患にっいては, 脳血管障害が20.8%で最も多く, つぎに循環器疾患 (15.1%), 関節リウマチ (11.3%) と続いている。しかしながら, これらの患者の約半数近くは定期的管理下におかれていないことが明らかとなった。一方, ADLと口腔内状態との関係に関しては, ADLの低下にともない口腔内状態も増悪し, 正の相関性を示す傾向が認められた。以上の結果より, 在宅寝たきり老人の歯科診療に際し, 十分な全身管理の必要性と予後の管理として, 咀嚼機能の回復, 維持を計り, 生活の質の向上に努める必要性が示唆された。
  • 新庄 文明
    1991 年6 巻1 号 p. 93-94
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 郁馬
    1991 年6 巻1 号 p. preface1
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
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