老年歯科医学
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22 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 角 保徳
    2008 年 22 巻 4 号 p. 351
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 新井 平伊
    2008 年 22 巻 4 号 p. 353-357
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 穂積 英樹, 高津 匡樹, 大井 孝, 土谷 昌広, 渡邉 誠
    2008 年 22 巻 4 号 p. 358-370
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    目的: 加齢に伴うマウス海馬の生理的な遺伝子発現変化, およびその変化に対する老齢期における臼歯喪失の影響についてDNAマイクロアレイを用いて検討した。方法: 実験には生理的老化を示す野生型マウスを使用した。18ヶ月齢 (初老期) に上顎両側全臼歯を抜歯し24ヶ月齢まで飼育したものを抜歯群, 18ヵ月齢に麻酔処置のみを行い24ヶ月齢まで飼育したものを対照群, 6ヶ月齢で無処置のものを若齢群とし, 各群とも3匹のマウスを用いた。マイクロアレイ解析は, 観察月齢に達したマウスの海馬から抽出したtotal RNAを用いて行った。さらに, ApoDとDio2の2遺伝子についてRT-PCRによりマイクロアレイ解析の結果を検証した。
    結果: 加齢に伴う発現変動は76遺伝子で認められ, 31遺伝子で発現上昇, 45遺伝子で発現低下を示した。抜歯による発現変動は59遺伝子であり, 49遺伝子で発現上昇, 10遺伝子で発現低下を示した。加齢と抜歯の両方で発現変動を示した15遺伝子はいずれも加齢により発現が低下し, 抜歯により発現が上昇していた。RT-PCRではDio2でマイクロアレイ解析と同等の結果が得られた。
    結論: マウス海馬において, 加齢と抜歯による遺伝子発現変動は異なっていた。したがって臼歯喪失によって, 海馬の遺伝子発現レベルでの生理的老化が増強あるいは促進されるのではなく, 生理的老化とは異なる変化が生じることが示された。
  • 摂食支援カンファレンスの実施を通じて
    菊谷 武, 高橋 賢晃, 福井 智子, 片桐 陽香, 戸原 雄, 田村 文誉, 青木 徳久, 桐ヶ久保 光弘, 小山 理, 腰原 偉旦
    2008 年 22 巻 4 号 p. 371-376
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    東京都内に立地する某介護老人福祉施設の入居者を対象に摂食支援カンファレンスを開催し, ケアプランを立案, 実施することで, 低栄養リスクの改善を目的とした取り組みを行った。摂食支援カンファレンスはひと月に1回開催され, 施設のケアワーカー, 相談員, 看護師, 管理栄養士と地域の歯科医師会より派遣された歯科医師, 歯科衛生士および医療連携病院である摂食機能を専門とする歯科医師が基本メンバーとなった。カンファレンスは, 摂食機能評価および, 栄養アセスメントに基づき実施された。摂食機能の評価は, 昼食時を中心に随時行い, 精密検査が必要と判断された入居者に関しては, 嚥下内視鏡検査を行った。介入効果の検証は, 各入居者の栄養状態を栄養ケア・マネジメントにおける栄養スクリーニングに順じて行い, 低リスク, 中リスク, 高リスクの三段階に分類して評価した。
    その結果, 介入時には, 高リスクであった入居者が, 介入後には全て低リスクに改善した。本報告において, 施設の日常業務の中に施設職員や地域の歯科医師が参加した, 摂食機能を通じた栄養支援を目的としたカンファレンスを設置し, それによりケアプランの作成, 実施を通じて低栄養の維持, 改善が得られたことは, 意義深いことと考えた。
  • 中島 丘, 浅野 倉栄, 三宅 一徳, 岡田 春夫, 中島 俊明, 遠見 治, 礒部 博行, 加藤 喜夫, 深山 治久, 長坂 浩
    2008 年 22 巻 4 号 p. 377-382
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    予防給付に伴い口腔機能向上のための方策が求められている。そこで, 地域の実情を反映させたシステムづくりを行うことを目的に, ケアマネジャー連絡協議会において, 「口腔ケアの実際」を標題にスライドを利用した講義を行い, 終了時にアンケート調査を実施した。介護給付を受給している要介護者への口腔ケア・口腔機能向上を介護保険に組み込む必要性については, 参加したケアマネジャー全員が認識していたが, 施設での口腔ケアや施設介護職員の口腔ケアに対する知識は十分にあると思うかには, それぞれ, 25名 (78.1%), 21名 (65.6%) が不十分であると回答した。「地域包括支援センターの運営は順調に進んでいると思うか?」, 「予防給付は成功すると思いますか?」の問いには「成功しない」の回答が3割を占めた。その理由として「利用者にとってどうなるか不安」, 「理解しにくい」, 「要件が厳しい」, 「マンパワー不足, 技術が未熟」などの意見があった。
    介護予防への包括的なサービスシステムの構築を図るには, 医療機関や施設が関係機関や団体との連携強化に努めるとともに, 行政側の体制整備が必要であると考えられた。そのためには, 地域歯科医師会が口腔機能の回復と口腔ケアの必要性, 重要性の周知徹底に努める必要があると考えられた。
  • 戸原 玄, 植松 宏
    2008 年 22 巻 4 号 p. 383-388
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2011/07/04
    ジャーナル フリー
    平成13年歯学教育モデル・コア・カリキュラムー教育内容ガイドラインーを参照すると, 摂食・嚥下リハビリテーション関連講義の到達目標は「嚥下の意義と制御機構を説明できる, 嚥下障害を概説できる, 摂食・嚥下リハビリテーションを説明できる」とある。しかしこれまでこの課題に関し具体的に調査した報告はない。そこで今回, 全国の歯学部で行われている摂食・嚥下リハビリテーションに関連した教育内容を調査したので報告する。また併せて当大学における教育内容の現状を振り返り, 歯科における今後の摂食・嚥下リハビリテーションに関する教育について検討した。
    平成18年2月~3月に, 全国28大学の歯学部に対し郵送にてアンケートを行った。調査項目は学年ごとの講義・実習回数とその内容とした。
    回収率は82% (28大学中23大学) であった。平均講義回数は10.8回, 平均実習回数は2.8回だが, いずれも大学間のばらつきが大きかった。学年別では, 講義は3~5年生, 実習は5年生に対して多く行われていた。講義内容は多くの大学において必要な一連の項目が網羅され, 体験実習や見学を行っている大学も複数存在した。
    アンケート結果から, 歯学部学生に対する摂食・嚥下リハビリテーションに関する教育は時間的には十分になされ, 我々の当大学における実習成果などを考慮すると教育方法を工夫することで教育効果を挙げられると考える。今後の課題は大学間における摂食・嚥下リハビリテーション関連授業の標準化であろう。
  • 手島 渉, 占部 秀徳
    2008 年 22 巻 4 号 p. 389-397
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    公立みつぎ総合病院において, 栄養サポートチーム (以下, NST) が関わった入院患者の全身状態と口腔状態, 歯科介入前後の口腔状態変化, 摂食状況について調査し, NSTにおける歯科の役割を検討した。
    調査期間は平成18年3月から平成19年9月, 対象者は132人 (81.3±11.6歳) であり, NST介入の主原因としては発熱性消耗性疾患が最も多かった。全身状態として嚥下障害50.0%, 褥瘡20.5%, 認知症34.1%を認めた。介入時69.7%は経口摂取であったが, 摂食不良になった10.6%に胃痩増設術が行われた。平均介入日数は58.6日, 76.5%に栄養状態の改善を認めたが, 22.0%は死亡退院であった。
    口腔状態については, 義歯不調や破損, 紛失等32.6%, 口腔カンジダ症48.5%, 口腔乾燥 (舌) 41.7%であり, 80%以上に口腔環境の悪化を認めた。対象者132人中100人に歯科治療を開始した結果, 口腔カンジダ症など各項目で改善し, アルブミン値も有意に上昇した。経口摂取では, 嚥下食から普通食に改善した割合が最も高く, 喫食率は上昇した。栄養状態が安定した64.0%は退院し, NST終了後も54.0%に歯科の関わりが継続された。
    高齢者の栄養管理には多職種による連携が必要であり, NST対象者の大半が経口摂取であることからも, 口腔機能の改善, 維持管理に歯科の果たすべき役割は大きいと考えられる。
  • 全国の大学歯学部・歯科大学, 都道府県歯科医師会, 全国の歯科医師臨床研修施設, 都道府県歯科衛生士会へのアンケート調査の結果
    恒石 美登里, 菊谷 武, 石井 拓男
    2008 年 22 巻 4 号 p. 398-406
    発行日: 2008/03/31
    公開日: 2011/02/25
    ジャーナル フリー
    後期高齢者医療においては, 全身的な健康維持や誤嚥性肺炎予防の観点等から, 継続的な口腔機能の維持・管理が重要である。在宅医療の人材育成に関する部会において, 現在の在宅歯科医療の教育・研修に関する現状と問題点を探り, 政策提言するための基礎資料を得る目的で, 大学歯学部および歯科大学, 都道府県歯科医師会, 歯科医師臨床研修施設, 歯科衛生士会を対象にアンケート調査を行った。
    その結果, 卒前教育における在宅歯科医療の講義は多くの大学が実施していたが, 数校は実施していなかった。また在宅歯科医療についての臨床実習は約半数の大学で行われていた。実施する講義や臨床実習の時間数や年次には, 各校でばらつきがみられた。在宅歯科医療や高齢者歯科医療のニーズが今後高まると予想されることより, カリキュラムの検討と整備が急務の課題であると思われる。研修医を受け入れる歯科医師臨床研修施設では約半数の施設で在宅歯科医療を行っていた。そのうち卒後臨床研修として在宅歯科医療を行っているのは, 約6割であった。歯科医師臨床研修施設は, 卒後在宅歯科医療研修の実践場所として活用できる可能性が示唆された。都道府県歯科医師会や歯科衛生士会では, 在宅歯科医療関連の研修会を多く主催している実態が明らかになった。医療連携の必要性も重要視されており, 今後は他職種連携も課題と思われる。
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