老年歯科医学
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13 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 稲葉 繁
    1998 年13 巻1 号 p. 1
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 誠, 服部 佳功
    1998 年13 巻1 号 p. 3-7
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
  • 池田 和博, 青木 聡, 平井 敏博, 矢嶋 俊彦, 武田 秀勝, 橋川 美子, 石島 勉, 寺澤 秀朗
    1998 年13 巻1 号 p. 8-22
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    高週齢ラットを用い, 加齢と飼育飼料形態 (固型, 粉末) に加えて, 咬合支持および栄養の下顎骨と大腿骨における粗鬆化および全身持久性に及ぼす影響の検索をした。このために, 対照群, 粉末飼料群, 臼歯切除群, 低カルシウム・ビタミンD欠乏 (低Ca・VD欠) 固型群, 同臼歯切除群を設定し, 運動生理学的, 生化学的, 組織形態計測学的検討を行った。得られた結果は以下の通りである。
    1. 遊泳運動持続時間は, 加齢に伴う短縮傾向を認めた。特に, 75週齢臼歯切除群, 同週齢低Ca・VD欠固型群および同週齢臼歯切除群では, 対照群に比して有意に運動時間の短縮を認めた。
    2. クレアチンキナーゼ値は, 各群とも50週齢よりも75週齢の方が高い値を示した。また, 50週齢, 75週齢共に, 対照群, 粉末飼料群, 低Ca・VD欠固型群, 臼歯切除群, 低Ca・VD欠臼歯切除群の順に活性値の低下が認められた。
    3. 遊離脂肪酸値は, 臼歯切除群および低Ca・VD欠臼歯切除群では, 対照群, 粉末飼料群に比べて低値を示した。また, 前者群では, 50週齢よりも75週齢の方が高値を示したが, 後者群では, その値は逆転していた。
    4. 血清III型アルカリフォスファターゼ比は, すべての群において50週齢よりも75週齢の方が高い値を示した。また, 臼歯切除群, 低Ca・VD欠固型群および低Ca・VD欠臼歯切除群におけるIII型アルカリ性フォスファターゼ比は, 対照群, 粉末飼料群よりも高い値を示した。
    5. 下顎頭部における骨塩量 (BMD) は, すべての群において加齢に伴い減少する傾向が認められた。なお, 75週齢の低Ca・VD欠臼歯切除群におけるBMDは, 他のすべての群に比して, 有意に低値を示した (P<0.01) 。また, 大腿骨中央部におけるBMDは, 下顎頭部と同様にすべての群において加齢に伴う減少傾向が認められた。なお, この傾向は臼歯切除群と低Ca・VD欠臼歯切除群において顕著であった。
    以上の結果から, 生理的加齢変化に加えて, 歯の喪失による咬合・咀嚼機能の低下とそれに伴う飼育飼料の粉末化および栄養不良が, 下顎骨と大腿骨の粗鬆化を進行させる要因の一つであるばかりではなく, 全身の活動性に大きな影響を及ぼすことが確認された。
  • 摂取食形態, 唾液分泌量との関係
    菊谷 武, 鈴木 章, 稲葉 繁, 齊藤 昇
    1998 年13 巻1 号 p. 23-28
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    カンジダ菌は口腔内に常在し, 多様な疾患と関連している。本来口腔には咀嚼による自浄作用が存在し, 食形態によってその作用も影響を受けることが考えられる。そこで, 食形態や咀嚼機能, 食事に関するADLと舌背上のカンジダとの関連にっいて入院中の高齢者105名 (平均年齢80歳) を対象とし調査を行った。結果は以下のとおりであった。
    (1) 常食を摂取しているものでカンジダ多数群は24.5%, 粥食を摂取しているものでカンジダ多数群は65.4%に認められ, 軟食摂取のものに舌背上のカンジダ多数群が有意に多く認められた。
    (2) 常食を摂取しているものの咀嚼刺激唾液分泌量は1.8ml/min, 軟食摂取のものは1.1ml/minであり, 常食を摂取しているものの方が有意差に多かった。
    (3) 椅子で食事をしているもの, ベッドで食事をしているもののうちカンジダ多数群はそれぞれ8.7%, 52.4%であった。食事の際に介助が必要なもの, 必要のないもののうちカンジダ多数群はそれぞれ39.0%, 65.2%であった。
    この結果から食形態唾液分泌量およびADLと舌背上のカンジダ菌の数には関連があることが示された。これにより常食に近い形態の食事を摂取することは, 唾液分泌量を増加させ, 食事による機械的清掃作用, 唾液の抗菌作用および自浄作用は口腔内のカンジダを減少させることが示唆された。
  • 渡邊 裕, 外木 守雄, 山根 源之, 渡辺 郁馬, 平野 浩彦, 石山 直欣, 立川 哲彦
    1998 年13 巻1 号 p. 29-38
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    現在, 我々の食生活は軟食化の傾向にあるといわれている。特に, 成長期に軟食を摂取し続けた場合, 歯牙・顎骨を含めた口腔の成長発育と, 生体機能への影響が示唆されている。しかし, 硬食を摂取していたが, 加齢に伴う口腔機能の低下により軟食の摂取を余儀なくされた高齢者の顎骨および咀嚼筋に対する退行性変化を検討した研究報告は見られない。本研究は, 成長発育終了後, 軟食を摂取した結果, 咀嚼筋にどの様な影響をおよぼすかを検索した。
    実験動物はWistar系雄性ラットを用いた。成長発育の終わる4ヵ月齢まで固形飼料で飼育し, その後, 同成分の粉末飼料を自由に摂取させ, 21ヵ月齢30ヵ月齢まで飼育したものを実験群とした。対照群は, 同月齢まで固形飼料のみ摂取させたものを用いた。これらより咬筋の浅層・深層と側頭筋を採取しActomyosin ATP ase染色を行い, 平均筋線維構成率, 平均筋線維面積率, 平均筋線維直径 (短経) を計測し, これを検討した。今回検討を行った咬筋の浅層・深層と側頭筋ではタイプ1線維は認められなかった。タイプ2A・2B線維は解糖系酵素の活性が高く, 無酸素状態でのATP合成が優れており, 特にタイプ2A線維では酸化酵素活性が高く, 疲労抵抗性もあり持久性に優れている。
    (1) 2A線維構成率は咬筋浅層では実験群対照群ともに減少し, 咬筋深層の対照群で増加した。面積率では咬筋浅層の実験群で減少した。
    (2) 2A・2B線維の直径は対照群で経時的に減少し, 特に咬筋深層で著明に認められた。
    (3) 月齢間の比較では21ヵ月で実験群と対照群に有意な差が認められた。一方, 30ヵ月ではその差は減少していた。
    以上の結果より固形飼料摂取という咀嚼環境が少なからず咬合力の維持に関与していることが示唆されるとともに, ある一定の年齢以降は加齢変化による退行性変化が主体となることが示唆された。
  • 柴原 孝彦, 野間 弘康, 片倉 朗, 井出 愛周, 高木 多加志, 山根 源之
    1998 年13 巻1 号 p. 39-45
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    口腔悪性腫瘍の切除と同時にマイクロサージェリーによる即時再建をした70歳以上の患者15例に対して, 臨床経過の検討を行った。その結果, 全症例とも術前に何らかの基礎疾患を有していたが, 手術に支障をきたしたものはなかった。術後合併症として, せん妄が5例 (33%), 創感染が1例, 低栄養が1例に見られた。どの症例も一過性のもので重篤な状態に陥ったものはなかった。吻合中に採取した栄養血管の血管壁は, 内膜・中膜に若干の肥厚が観察されたが, 吻合に難渋したものはなかった。以上より, 高齢者特有の病態生理を理解し, 各症例に対して適切な全身状態の診断と処置ができれば, マイクロサージェリーによる再建は必ずしも危険ではないと思われた。たとえ高齢者と言えども, 十分に適応可能な術式であると考える。
  • 下山 和弘
    1998 年13 巻1 号 p. 46-49
    発行日: 1998/07/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
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