産婦人科の進歩
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24 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 中嶋 晃
    1972 年 24 巻 6 号 p. 378-383
    発行日: 1972/11/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
  • 岡田 弘二, 東山 秀声, 石原 貞尚, 小畑 義, 木津 収二, 中野 義雄, 柴田 勝, 本庄 英雄, 志村 達興
    1972 年 24 巻 6 号 p. 384-398
    発行日: 1972/11/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    正常周期婦人にnorgestrel 0.5mgとethinyl estradiol 0.05mgの合剤を周期第5~6日から, 連続21日間投与した際の尿中FSH, LH, estrogen, pregnanediol値を連日測定した. 対照周期と投薬周期における尿中ホルモン排泄値の変化から, 本剤投薬中には排卵が抑制されることが認められた. さらに, 頸管粘液量, 精子の頸管粘液通過性, および子宮内膜生検をも検討した. 頸管粘液は本剤投与中その増量が抑えられ, 精子の頸管粘液通過も阻害された. 子宮内膜反応は本剤により, 月経周期の日付診が促進された. 以上の成績から小用量のnorgestrel-ethinyl esiradiol剤の作用機構についてのべるとともに, 産婦人科臨床で本剤の投与適応となる可能性のある疾患についても考察した.
  • 岡野 順子
    1972 年 24 巻 6 号 p. 399-427
    発行日: 1972/11/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    家兎子官には性周期が明らかでなく, 交尾により排卵, 妊娠が成立し, しかも着床時内膜上皮には多核細胞やsymplasmaが出現するなど極めて特異で, 細胞の生態観察に好適な資料の一つであり, 電顕的研究を行なった.
    内膜上皮の被覆細胞と腺細胞のいずれにも線毛細胞と非線毛細胞がみられたが, 主な成分である後者について研究した. すなわち, 性静止期の上皮細胞は所見に乏しいが, 排卵後には増大するとともに細胞小器官の増加など分泌像を呈し, 妊娠とともにその程度が増強された, 特に着床前後に多数の多核細胞と好オスミウム顆粒の出現が特異的で, 妊卵の着床と発育維持に密接に関与することが推察された. 去勢後内膜上皮は萎縮するが性静止期と著差はない. これにestrogenを投与すると, 増大と分泌像がみられ, progesteroneを追加すると, 内腔の拡大した小胞体や大形の糸粒体などの増加が著明で, 多核細胞も見られ, progesterone単独でも長期投与では多核細胞が出現し, これら性ステロイドに対する内膜の反応の差異が微妙な点にいたるまで明らかにされた.
    一方腺上皮は, ほぼ被覆上皮と同時の変化を示すが, 妊娠時およびprogesterone投与時には特異な反応を示し, 着床前期より妊娠後期にかけて, 単核細胞がなお多数みられ, 小器官に富み, 活発な分泌像を呈した. progesterone投与時にも同様の傾向が認められた.
    以上の実験結果により, 着床前期より初期にかけての被覆上皮の小器官に富む多核細胞の出現に, 妊卵の着床に対する準備反応であり, 他方腺上皮における着床前期より妊娠後期にわたる旺盛な分泌像は活発なuterinemilkの産生により着床過程の妊卵への栄養補給に関与するのみでなく, その後の妊卵の発育維持にも関与するものと推定された.
  • 大月 恭範
    1972 年 24 巻 6 号 p. 428-444
    発行日: 1972/11/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    近年羊水は胎児情報源として重視せられるようになり, 羊水の物理的性状のほかに有形成分, 無形成分に基づく胎児状態の検索が行なわれつつある. しかしながらその多くは単に細胞学的あるいは生化学的検索のいずれかであり, その成績は必ずしも明確とは言えない. 著者は物理学的に有形成分を, 生化学的には無形成分を同時に平行して検索することにより, より確実な胎児情報が得られるものと考え, 日常臨床上もっともしばしば問題となる胎児成熟度について, 羊水の有形および無形成分の同時検索による判定の意義を追究した.
    正常に妊娠経過をたどる妊娠90例につき, 種々なる妊娠時期の羊水を腹部寂刺により採取し遠沈により有形, 無形成分に分がち, 前著については細胞学的検索を, 後者については生化学的検索を行ない, 各種成分の消長を妊娠月数および胎児体重とを比較検討した.
    有形成分としての羊水内細胞については, 脂肪細胞および羊膜細胞が, 無形成分としてはクレアチニンが胎児成熟度と著明な関係にあることを認めた. すなわち, 成熟児では脂肪細胞は全細胞中30%以上に, 羊膜細胞は全細胞中2%以下に, 羊水中クレアチニン値は1.9mg/dl以上に認められた. これら三者を検し, そのうち二者が基準値内であれば, 高い信頼度をもって児の成熟を判定しうることを認めた.
    以上の結果から, 有形および無形成分を同時に検索することは, そのいずれかによるよりも, より確実な胎児成熟度判定の手段と認められた.
  • 平井 博, 植木 実, 湯下 堅也, 藤本 昭, 辻井 清重
    1972 年 24 巻 6 号 p. 445-450
    発行日: 1972/11/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    子宮腟部びらんの発生と病態について検討するために, コルポスコープによって外来患者, 保健所癌検診受診患者を対象として検討し, 併せてびらん治療の在り方について自験例から考察した.
    その結果, 外来におけるびらん治療についてはまずスメア診, コルポ診, 組織診によって癌ならびに前癌性の病変を診断しておくことが是非必要である. また良性びらんに対しては年令, 妊孕力を考慮し, 性成熟期の婦人のびらんは大部分性ホルモンあるいは分娩によって発生する半ば生理的なものと考えられるゆえ, 無症状のものに対しては積極的な治療を要しない.
    薬物療法は帯下出血などの症状改善に効果的であるが, びらんの消失乃至は縮小させるには期待がうすい.
    薬物療法に抵抗し, びらんの消失乃至は縮小させるためには焼灼術のごとく, びらん部分偽びらんの被覆上皮を破壊させる方法が迅速かつ確実であると言う成績を得た.
  • 佐道 正彦
    1972 年 24 巻 6 号 p. 451-456
    発行日: 1972/11/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    大阪市東成区において731名の3才児の発育状態を調査し, 周産期の状態と照合した結果, 周産期異常の中で早産・2kg以下低体重出生・中等度以上の妊娠中毒症の場合には, 幼児期精神神経発育の遅延ないし障害児の割合が有意に高く, 小児発育長期予後改善のためにも上記の異常を予防することの重要性を認めた. また, 低体重出生児の中でSFDと非SFD早産の両者について3才時点での精神神経発育を比較し, その結果, 非SFD児の方が予後は不良であり, 早産による未熟性の問題がより強く幼児期の発育に影響しているものと思われた.
  • ―実験白血病の細胞遺伝学的研究から―
    杉山 武敏
    1972 年 24 巻 6 号 p. 457-462
    発行日: 1972/11/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
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