産婦人科の進歩
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35 巻, 4 号
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  • 竹井 啓裕
    1983 年 35 巻 4 号 p. 325-333
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    SFDの実験的発生モデル(ラット)としてmicrosphcrcs(Msp)栓塞法を開発した. 本法は35μφMspを低分子デキストラン1ml当たり200万個に含有懸濁させ, その0.5mlを妊娠ラット腹部大動脈より動注する方法である. 妊娠14口投与法では59.6%, 18口投与法では90.9%のSFD発生を見た. Msp栓塞は主として胎盤迷路層に生じ, 栓塞部組織像は胎盤硬塞所見と同様のものであった. 本法では子宮胎盤血流量は対照に比し, 18%低下した. 胎盤物質移行能をsulfisomezole-sodiumで検するに, 本法では対照に比し約20%低下した.
  • 片山 和明, 藤原 卓夫, 森川 肇, 望月 眞人
    1983 年 35 巻 4 号 p. 335-341
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    妊娠中に視野欠損をきたし, そのほぼ全期間bromocriptine療法を行ったprolactinoma合併妊娠の症例を経験したので報告する.
    患者は26才の主婦で, 経妊2, 経産0.23才時より無月経となり, 不妊を主訴として来院した. 血中プロラクチン(PRL)値は当初より380ng/mlと高く, 頭部X-Pなどよりprolactinomaが疑われたが, 患者の強い希望によりbromocriptine療法を開始した. しかしbromocriptineの単独あるいはclomidとの併用療法により効果がみられないため治療方針をbromocriptine+HMG-HCG療法に変更した. この療法により卵巣過剰刺激症候群を併発したが妊娠の成立に成功し, bromocriptineの投与はその時点で中止した. ところが妊娠8週の時点より視力障害が出現し, 視野計測では右側の耳側半盲と左側の耳側1/4盲が, CTスキャンでは下垂体のsupraseHar extcnsionが明らかとなり, PRL値は最高で2900ng/mlにまで上昇した, ただちにbromocriptine 5mg/日の投与再開したところ, PRLレベルの下降とともに視力障害は改善し, 腫瘍も次第に縮小した. bromocriptneは分娩まで連続投与したが, 妊娠末期でのPRLレベルは800ng/ml前後にまで上昇した. この間腫瘍の増大傾向は認められなかった. 分娩は正期産で2800gの女児を得たが, 外表的には全く異常はないものの, 時々心室性の期外収縮が認められた. また, 羊水中のPRL値は312ng/mlであったが, 臍帯血のそれは4.8ng/mlと著明な低値を示した. 児の血清PRLレベルはその後漸増し, 3ヵ月目には56.6ng/mlに達し, 以後漸減した.
  • 原田 明, 丸尾 猛, 益子 和久, 望月 眞人
    1983 年 35 巻 4 号 p. 343-349
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    バセドウ病と糖尿病同時合併妊婦における内分泌代謝異常の第一義的な治療は, 抗甲状腺剤(PTU)投与によってます甲状腺機能を可能な限り正常化し, 亢進しているリポリシスを抑制することによって高脂血症を是正し, エネルギー源としてのグルコース消費の促進を計ることにある. つまり, 甲状腺機能の正常化に伴う脂質代謝の改善によって, 糖尿病は一般的にきわだった改善を示し, 必ずしもインスリンを要することなく血糖値は食事療法のみでコントロール可能となる. 今回, 著者らが経験したバセドウ病と糖尿病同時合併妊婦に対して上述の方針で管理した結果, インスリンを使用することなしに妊娠33週にて3256gの健児を経膣分娩しえた. 児には外表奇形はなく, 甲状腺機能低下による発育障害も認めなかった.
  • 宮崎 和典, 神田 隆善, 矢田 守男, 奥田 喜代司, 杉本 修
    1983 年 35 巻 4 号 p. 353-385
    発行日: 1983/07/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
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