昭和42年から昭和53年まで7例のSLE合併妊娠を経験したので, 検討を加えてみた. 妊娠中毒症の合併は4例にみられ, 腎機能が予後を握る鍵であると思われる, SLE合併妊娠では, 妊娠前期・分娩後に増悪すると言われているが, 分娩あるいは中絶後の増悪は6例にみられ, 内2例は分娩後に死亡しており, 従来の通説を裏付ける結果となった. ステロイド療法は不可欠であり, 分娩前後の大量投与が必要である。児の予後に関しては自然流産は1例も無く, 死産が1例あるものの, 他はほぼ満期産であり, 従来の通説程の流早産はみられなかった.
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