産婦人科の進歩
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56 巻, 1 号
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研究
診療
  • 西 丈則
    2004 年 56 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/03/12
    ジャーナル 認証あり
     腟管上部下垂・脱(Level 1,DeLancey)に対する修復術にはこれまでいくつかの方法が提案されてきた.これら術式のうち,腟管上部を小骨盤腔深部で仙骨子宮靱帯に吊り上げるShull法は,腟管を解剖学的に生理的な位置に修復固定する優れた方法である.その手術理論は上述のごとく簡単であるが,術式の手順,工夫および注意点に関しいまだ十分な検討や報告がなされていない.ここに私が行っているShull法の工夫と注意点を述べる.
     小骨盤腔の解剖の理解と合併症の予防,本手術を円滑に行うため自家製器具の作成,利用および手術手順の工夫を行った.その概要は,子宮頸部諸靱帯の処理方法,仙骨子宮靱帯への運針の方法,長大ガーゼおよび針糸のもつれ防止の工夫とそのための自家製器具の考案,起こり得る合併症の有無の確認等である.腟管上部下垂・脱の修復術としてのShull法は優れた術式であり本法の普及が望まれるが,本法を安全かつ容易に遂行するための工夫の余地は残されている.〔産婦の進歩56(1):1-4,2004(平成16年2月)〕
症例報告
  • 石野 陽代, 山口 昌美, 生田 明子, 江川 真人, 依岡 寛和, 中嶋 達也, 安田 勝彦, 神崎 秀陽
    2004 年 56 巻 1 号 p. 5-9
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/03/12
    ジャーナル 認証あり
     結核性腹膜炎は,本邦結核患者の1%未満とされ,結核のなかでは比較的まれである.われわれは産褥期に悪性腫瘍と偽診された結核性腹膜炎を経験したので報告する.
     症例は,正常経腟分娩後1ヵ月目の産褥検診にて腹水貯留と臍周辺部の腫瘤,血清CA125の異常高値を示した.胸部X線では肺結核を示唆する所見は得られず,腹水の塗抹鏡検,培養検査でも結核菌感染を示す所見は得られなかった.ガリウムシンチグラムにて臍周囲のび慢性異常集積像を認めたため,悪性腫瘍を疑い試験開腹術を施行した.腹腔内には多量の腹水と大網ならびに子宮,付属器,腸管の表面に小顆粒状の腫瘤を多数認め,迅速病理にて抗酸菌感染を強く疑う,乾酪壊死を伴った類上皮肉芽腫が確認された.術後,腹水の結核菌PCR検査は陰性であったが,喀痰のPCR検査は陽性であった.さらに,喀痰の塗抹鏡検,培養検査にて結核菌を確認し,結核性腹膜炎の確定診断を得た.その後は3剤の抗結核薬の使用により,腹水,腹部腫瘤は消失し血清CA125も正常化した.〔産婦の進歩56(1):5-9,2004(平成16年2月)〕
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