糖尿病診断にはGTTと血中insulin(IRI)反応が一般に用いられているが, insulin治療中の糖尿病患者では抗体が障害となり, C-peptide(GPR)反応が糖尿病治療の有力な指標となる. 今回我々は昭和52年4月から8月までの期間insulin治療中の糖尿病妊婦を除く尿糖陽性妊婦三親等以内に糖尿病患者を有する妊婦, 4, 000g以上の巨大児を分娩した妊婦, 対照として婦人科術前患者等, 計115例に対して50gOGTTを早朝空腹時に行ない, 糖負荷前, 負荷後30分, 60分, 120分に血糖とCPRを測定した. その結果, 次の如き成績を得た,
1. CPR反応の頂値はGTT正常型では60分に, 境界型では60分, 120分に, 糖尿病型では120分に多く, 糖代謝異常が進むにつれてCPR反応は遅延上昇型を示した.
2. ΔCPR/ΔBSの30分値と60分値の比較により標準偏差がより小さく, 判定不能例も少ない30分値を採用すべきである
3. ΔCPR/ΔBS30分値は各対象群とも同様に, GTT正常型と境界型は分離できず, 境界型と糖尿病型との間で明確に分離され, ΔCPR/ΔBS30分値の0.07を糖代謝異常の判定基準と設定した.
4. CPR反応には各対象群に特微的な傾向は認められなかった.
5. 今回のCPR反応の測定に際して同時に行なったIRI測定と対比した. 糖負荷後30分におけるΔCPR/ΔBS値とΔIRI/ΔBS値を比較すると, 両者はY-12.4X-0.051相関係数0.768と良い相関を示した.
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