膣悪性黒色腫はまれな疾患であるが,その予後はきわめて不良であり,確立された治療法もなく苦慮することが多い.従来手術療法が主たる治療法とされてきたが,近年dacarbazine(DTIC)などの化学療法やcryosurgeryが試みられ,その有効性が報告されている.今回,われわれは膣悪性黒色腫の1例にcryosurgeryおよびDTICを中心とした腫瘍栄養血管への動脈注入化学療法を試み,良好な成績を得た.その臨床経過とともに若干の考察を行った.〔産婦の進歩50(6);587~593,1998(平成10年11月)〕
抄録全体を表示