産婦人科の進歩
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25 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 吉田 利治
    1973 年 25 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1973/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    腫瘍の発育を抑制する宿主の抵抗性は宿主と腫瘍の相関において考察することが重要な問題である. 著者はこの問題を実験腫瘍を用いて脾細胞の面からアプローチした. あらかじめテレコバルトで照射したエールリッヒ腹水癌細胞を移植することにより, その後の腫瘍細胞の移植に抵抗性を誘導する方法を考案し, この移植抵抗性の獲得されたマウス(R群)およびその後の腫瘍細胞の注入によって腫瘍死したマウス(D群)について検討を行なったところ組織学的にはR群は二次小節が著しく腫大し, 大型リンパ球様細胞増生を認め, 核酸合成も亢進するが, D群ではほとんどみとめられなく, 脾細胞とEACを混合培養するとR群では脾細胞に抗腫瘍性のあることを検出した.
  • 三浦 義正
    1973 年 25 巻 1 号 p. 13-28
    発行日: 1973/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    ホルモンの妊娠成立阻止機構に関する研究は広く行なわれており, 特にprogestinの排卵抑制効果が注目されてきたが, 精子上昇のルートにある頚管粘液(CM)の意義も重視しなければならない. 著者は微量chlormadinone投与例(Pincus方式)につきCM性質のを蛋白化学的に, また臨床的に検討し, 総蛋白量の増加, 中間期におけるglobulin分画の増加とγ-G immunoglobulinの存在に意義を求め, またムコ多糖類の増加と, その成分であるgalactose, glucosamine, glucoseなどが量的に特異なパターンを示すことを認め, かかるCMでは精子の貫通性が明瞭に阻害されていることを知った. しかも排卵抑制率と避妊率との間には著しい差があるところから, 著者はchlormadinone微量投与により, 高率にみられる妊娠成立阻止効果の機序として, 排卵の抑制よりもむしろCMの変化を重視すべきであるとの結論を得た.
  • 東山 秀聲, 中野 義雄, 小畑 義, 柴田 勝, 木津 収二, 重永 幸洋, 北嶋 正智, 坂本 弘宣
    1973 年 25 巻 1 号 p. 29-40
    発行日: 1973/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    Norethindrone 0.5mgのmini pillを健康な婦人82例に経口避妊の目的で使用した.
    投与方法は月経周期第5~6日から1日1錠, 性器出血に関係なく毎日連続投与した. 延週数は4, 058週, 最長投与週数は102週である. 本剤の避妊効果は1例に妊娠の成立をみたから, 妊娠率は1.2/100 women yearである. 投与中の平均出血日数は4.6日であり, 出血日数の分布は投与前と比較してその幅がやや広くなった. 投薬中の経血量は投薬前と比べて変化しない症例が最も多かった. 本剤投与中の特有の徴候は月経周期が非常に不規則となり, 持続的な無月経の頻度が高くなることである. また, 投薬中の副作用の発生率はほかの方式の薬剤と同じ程度か, あるいはより低かった.
  • 黄 顕徳
    1973 年 25 巻 1 号 p. 41-53
    発行日: 1973/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    人胎児における脂質代謝の一端を解明すべく, 妊娠各期の胎児および成人の大動脈壁と心筋の脂質を定量分析し, その結果を比較検討した. 人胎児大動脈壁および心筋の燐脂質, コレステロール, 中性脂肪, 遊離脂酸ら各脂質分画の脂質値の遂月的変動が明らかとなり, その脂質構成は両組織共に胎生早期より確立しているものと推想した. そして脂質分画では各妊娠月を通じて両組織共に燐脂質が最も多く, このこと自体は成人の場合に比してあまり相違していないが, しかし脂酸構成では, パルミチン酸において多く, リノール酸が少なくてアラキドン酸が特に多いという成人とは極めて異った含有比率を示した.
  • 新美 洋一
    1973 年 25 巻 1 号 p. 55-78
    発行日: 1973/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    家兎, KR系マウス, 人工妊娠中絶手術によりとり出されたヒト内性器, の諸臓器のアルコール脱水素酵素(ADH)活性を主として測定し検討を加えたが, 妊婦の飲酒は胎児の生存, 発育にとって好ましくないことを指摘したい.
    すなわち, 中枢神経毒であるアルコールが母体に摂取されると母体も胎児もADH活性を上昇させる代償作用が働いて影響がおよばないようにするが, 限界を超えると生体防禦機構が破綻して母特に胎児に影響をおよぼすと考えられる.
  • 奥山 通雄
    1973 年 25 巻 1 号 p. 79-85
    発行日: 1973/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    国鉄が家族計画運動をはじめて以来すでに15年を経過したが, その間われわれは昭和41年より特にIUDに重点をおき, 十分な管理を行ないながら避妊リングの長期装着放置例について観察を行なってきた. 少数例に装着中の妊娠, 脱落, 子宮外妊娠その他の副作用例も認められたが, 大多数の例では長期間装着放置してもほとんどいむべき副作用は認められなかった.
  • 第2報 長期間装着例の組織学的ならびに細菌学的観察
    奥山 通雄
    1973 年 25 巻 1 号 p. 87-91
    発行日: 1973/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
    長期間のリング装着放置例について組織学的検索を行なったが, 従来の報告にあるような慢性炎症像などを示す例もみうけられたが, むしろ軽微なものが多く, 全く異常所見を示さない症例もかなりに認められた.
    また, 細菌学的検索では, 3年以上装着放置された例にも子宮腔内に細菌はほとんど証明されず, 長期間装着しても子宮腔内への細菌感染の危険も少ないと思われた.
  • 播磨 昌幸, 長谷川 博規, 駒谷 美律男
    1973 年 25 巻 1 号 p. 93-95
    発行日: 1973/01/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
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