老年歯科医学
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12 巻, 3 号
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  • 高江洲 義矩
    1998 年 12 巻 3 号 p. 175
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 佐島 三重子, 佐藤 方信
    1998 年 12 巻 3 号 p. 177-184
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    から16ヵ月齢の老化促進モデルマウスのresistant系 (SAMR1/Iw) とprone系 (SAMP2/Iw, SAMP8//Iw) の3系統を用いて, 歯根膜の加齢に伴う変化を組織計量的に検索した。上顎第1臼歯の近心根と遠心根を含む切片の歯根膜において, 近心根の近心側M, 遠心根の遠心側 (D), 根分岐部 (F), 近心根の根尖部四の4部位における歯根膜幅を計測し, 単位面積当たりの細胞数を算定した。また, 全周の歯根膜ではマラッセの上皮遺残の数とセメント粒の数を算定した。それぞれのパラメーターについて各群の平均値を求め, 系統による差および加齢による差を統計学的に検討した。
    歯根膜幅と細胞数の加齢変化は部位によって異なっていた。歯根膜幅はいずれの部位でも系統による差はなく, また (M) と (A) では加齢によっても一定であった。しかし,(D) では加齢と共に歯根膜は薄くなり, すべての系統で2と16ヵ月齢の間に有意差がみられた。細胞数は (M) と (F) では加齢によっても変化がなかった。一方,(D) では有意差はみられないが, いずれの系統も加齢に伴い細胞数は増加する傾向がみられた。 (D) における加齢に伴う歯根膜幅の減少と細胞数の増加には生理的な臼歯の遠心移動が影響していると考えられた。マラッセの上皮遺残の数は若齢で多く, 加齢と共に顕著に減少し, またセメント粒の数は若齢でみられず, 加齢と共に増加したが, いずれも系統による差はみられなかった。
  • 水野 道成, 岡本 吉彦, 山本 晴彦
    1998 年 12 巻 3 号 p. 185-189
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    口腔のような, 狭く生理的反射を伴う領域で行う歯科医療では, 様々な偶発症が発生する。今回, 我々は歯科治療中に歯科補綴物を誤嚥した後に再誤飲した症例を経験した。
    患者は80歳男性, メタルコア試適時誤嚥した。直後, 若干の咳漱等の症状を呈したが, その後すぐ症状は消失, 不快感も認められなかった。しかし患者が高齢で反射の減弱が考えられたため, 近医にて胸部及び腹部単純X線撮影を依頼した。その際医師が形態を理解し易いよう再びワックスアップしたろう型を持参した。その結果, 右気管支B6に陥入像が認められ, 右中間気管支幹異物と診断された。
    翌日, 呼吸器外科, 耳鼻咽喉科のある総合病院に入院し, 異物位置の再確認及び全身状態が検査された。
    さらに翌日, 同院にて全身麻酔下で気管支鏡により同部を精査したところ, 出血点, 血塊は認あれたが異物であるメタルコアは確認されなかった。再度, 腹部単純X線写真にて, 胃内に異物が認められた。呼吸器外科主治医によれば, これは夜間に喀出, 再誤飲されたものと考えられた。
    この問題について発生時の概要, 経過ならびに対処を報告し, この経験をふまえて歯科における誤嚥誤飲事故発生の予防及び対応にっいて考察した。
    出来る限りこのような事故を予防すると共に万が一このような事故が発生してしまった場合, 冷静な判断と対応をすることが出来るよう問題を整理し, これらの問題の発生時のマニュアルを作成すべきである。
  • 金 容善, 丹羽 均, 渋谷 徹, 高木 潤, 旭 吉直, 崎山 清直, 市林 良浩, 松浦 英夫
    1998 年 12 巻 3 号 p. 190-197
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    大阪大学歯学部付属病院「リスク患者総合診療室」では, 各診療科から歯科治療時の全身管理を依頼された症例に対し, 我々歯科麻酔医が術前診察と必要な検査を行い, リスクの程度と治療内容に応じて, 予定症例として術中の全身管理を行うことを主な業務としている。また, 術中に全身的偶発症が生じたり, 管理対象となる全身的基礎疾患を有する患者に歯科疾患の急性症状が現れた場合に, 緊急症例として全身管理を依頼されることも多い。今回は, 1986年4月以来11年間の全身管理症例のうち, 65歳以上の高齢者の管理経過を分析した。
    65歳以上の高齢者の占める割合は年々増加し, 1986年度の10.1%から1996年度には33.8%を占めるに至った。また, 高齢者の97.6%が管理対象となる全身的基礎疾患を有しており, その大多数は循環器系疾患で, しかも61.4%が2つ以上の基礎疾患を合併していた。管理方法では, 高齢者に対しても積極的に精神鎮静法を施行しており, 管理症例の63.5%に笑気吸入鎮静法を適用した。術中の血圧コントロールには, 調節性に富む亜硝酸剤を主に使用した。幸い, 重篤な全身的偶発症は経験しなかったが, 緊急症例24例中16例, および予定症例における偶発症発症症例8例中7例が最近4年間のものであり, 本学歯学部付属病院における「リスク患者総合診療室」での我々歯科麻酔医の働きは, 今後さらに重みを増すものと考えられた。
  • 御郷 信也
    1998 年 12 巻 3 号 p. 198-201
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は有床義歯患者の歯科に対する知識・意識・行動を調査し考察することである。昭和大学歯科病院に来院した50歳以上の有歯顎者で日常有床義歯を使用している患者182名を調査対象とした。対象者で保険給付による有床義歯を装着している者は132名, 保険給付外の有床義歯を装着している者は50名であった。直接面接法により調査対象者の歯科に対する知識・意識・行動を調査した。その結果, 保険給付外の有床義歯装着者は, 義歯の清掃については保険給付による有床義歯装着者よりも関心が高かった。しかしその他の項目については有意な差は認められなかった。欠損補綴は医師と患者との相互作用モデルで考察する必要があり, 有床義歯患者に対する残存歯の口腔衛生教育が必要であると考えられた。
  • その問題点を探って
    松川 房充, 竹腰 恵治, 岡崎 定司, 権田 悦通, 小谷 順一郎, 上田 裕
    1998 年 12 巻 3 号 p. 202-206
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    本邦では, 高齢社会の到来に伴って痴呆症患者の増加が予測されており, そのため痴呆症患者に対する歯科治療の指針が行動障害の観点よりいくつか作成されてきている。しかし, 総義歯治療が必要な痴呆症患者への対応についてはまだまだ検討するべき課題が多く, 総義歯治療に対する明確な指針はいまだに確立されていない。そのため, 臨床の場では色々な困難に遭遇しながら試行錯誤を繰り返しているのが現状である。ところで, 今回われわれは, 痴呆症患者の総義歯治療に対する臨床的指針を確立するうえで興味深い一症例を経験し, その結果, 以下のことを明らかにした。
    1. 義歯性疼痛の原因で上下顎総義歯の装着を拒んでいた痴呆症患者に, 維持・安定の優れた上顎総義歯を装着させたところ, 上顎総義歯には順応させることができた。その結果, 咀嚼機能と嚥下機能の改善が認められた。
    2. しかし, 下顎総義歯については垂直的ならびに水平的下顎位の決定に非常に苦慮し, 下顎総義歯の義歯性疼痛を完全に解消することはできなかった。そのため, 下顎総義歯に順応させることはできなかった。すなわち, 痴呆症患者に義歯を順応させるためには無痛的な義歯作製が不可欠であり, そのためには痴呆症患者の顎間関係の決定と記録が適正かつ確実に行える方法の開発が急務であると考えられた。
    3. 今後, 痴呆症患者に対する歯科治療の指針の精度を高めるためには, 行動障害の観点だけでなく補綴学的見地からの十分な検討も必要であると考えられた。
  • 佐藤 格夫, 浅沼 直樹, 黒川 裕臣, 江面 晃, 新海 航一, 深井 浩一, 畑 好昭
    1998 年 12 巻 3 号 p. 207-212
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    近年のわが国の高齢社会の進展により歯科受診の困難な患者は増加している。また, 公的介護保険の導入により社会的な環境も変化してきている。このため, 対象患者が高齢者で, いわゆる寝たきり老人が多い在宅診療はさらに必要性が増すと考えられる。
    そこでわれわれは, 新潟県内における施設の歯科診療に対する関心度の把握を目的として, アンケート調査を行ってきた。さらに, 歯科検診も実施し, 老人福祉・保健施設5施設については歯科治療を現在継続中である。この5施設について, アンケート調査, 歯科検診および治療の経過を検討した結果, 以下のとおりであった。
    1.検診結果は補綴処置が過半数を占め, 歯周処置, 口腔外科処置, 保存処置の順に多かった。
    2.検診結果に基づき平成8年3月現在で69名の歯科治療を実施した。
    3.治療した患者の主訴および治療内容は義歯関連が高頻度であった。
    4.歯科治療を行った5施設は歯科検診・歯科治療の実施により, 歯科に対する関心度に変化があらわれた。
  • 生活環境, 痴呆および就寝時の義歯装着による影響
    池邉 一典, 喜多 誠一, 吉備 政仁, 難波 秀和, 谷岡 望, 小野 高裕, 野首 孝祠
    1998 年 12 巻 3 号 p. 213-220
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2014/02/26
    ジャーナル フリー
    本研究では, 要介護高齢者の義歯の清掃状態を示す指標としてCandida菌付着状況の調査を行い, 生活環境や痴呆および就寝時の義歯の装着などが義歯におけるCandida菌付着に及ぼす影響について比較検討を行った。
    調査対象者は, 特別養護老人ホームの入所者72名および週1回同施設を利用しているデイサービス利用者59名の要介護高齢者131名 (平均年齢81.1±9.0歳) と, 大阪大学歯学部附属病院第2補綴科に来院した日常生活に介護を必要としない有床義歯装着者65名 (平均年齢73.8±9.4歳) の合計196名である。
    これらの要介護高齢者の義歯へのCandida菌の付着状況を調査したところ, 以下の結果が得られた。
    1. 要介護高齢者の義歯床粘膜面のCandia菌の検出率は,(++) が66.2%,(+) が22.5%であり, 大学病院の患者に比べ有意に高かった。また, Candida菌の検出率は, 非痴呆群に比べ痴呆群の方が有意に高かった。
    2. 要介護高齢者の義歯床下粘膜面のCandida菌の検出率は, 大学病院の患者や義歯非装着者の口腔粘膜に比べ有意に高かった。
    3. 義歯装着者の義歯床粘膜面と口蓋部義歯床下粘膜表面のCandida菌の検出率との間には, 有意な正の相関関係を認めた。
    4. 就寝時に義歯を装着している者の義歯床粘膜面のCandida菌の検出率は, 装着していない者に比べ有意に高かった。
    今回の結果より, 要介護高齢者, 特に痴呆者や就寝時に義歯を装着している者の義歯清掃状態はきわめて不良であり, 高齢者自身や介護者に口腔ケアの重要性を啓発し, 義歯の適切な管理方法を広く普及させる必要性が強く示唆された。
  • 山崎 耕一郎, 中島 政史, 関口 洋介, 金子 貞男, 中山 京英, 大島 厚子, 斎藤 典子, 粕谷 泰雄, 奥田 理
    1998 年 12 巻 3 号 p. 221-228
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
  • 下山 和弘
    1998 年 12 巻 3 号 p. 229-230
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
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