日本臨床外科医学会雑誌
Online ISSN : 2189-2075
Print ISSN : 0386-9776
ISSN-L : 0386-9776
42 巻, 6 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 1981 年 42 巻 6 号 p. 569-578
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 42 巻 6 号 p. 578-585
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 42 巻 6 号 p. 586-594
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 42 巻 6 号 p. 595-607
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
  • 1981 年 42 巻 6 号 p. 608-617
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
  • 西村 興亜, 小川 東明, 水本 清, 竹内 勤, 岸 清志, 日野原 徹, 井上 雅勝, 岩井 宣健, 安達 秀雄, 古賀 成昌
    1981 年 42 巻 6 号 p. 618-628
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    乳頭部癌の治療成績の向上をめざし,本症臨床像の特徴を十分把握するため,切除15症例について肉眼型別(腫瘤型8例,潰瘍型7例)に臨床的病理学的検討を行ない,以下の結果を得た.
    1) 臨床症状は黄疸,発熱,倦怠感,食欲不振,痩せが高頻度であった.初発症状としては倦怠感,発熱,腹痛が多く,黄疸の頻度は少なかった.肉眼型別の初発症状は,腫瘤型では発熱,黄疸が,潰瘍型では腹痛,悪心・嘔吐を示すものが多かった.
    2) 黄疸は腫瘤型では早期に出現し,漸増型を示すものが多いのに対し,潰瘍型では発現が遅れ,消長,消失型を示す例が多かった.黄疸の程度は腫瘤型で高く,潰瘍型で低い傾向がみられた.
    3) 一般検査成績では,貧血,便潜血,血清Al-P, GOT, GPTの上昇,白血球増多など,胆道の閉塞や感染,病巣出血に関わる異常所見が高頻度にみられた.肉眼型別には腫瘤型で白血球増多,高度黄疸例が,潰瘍型で膵内分泌障害例が多い以外には明らかな差異はみられなかった.
    4) 病巣診断には低緊張性十二指腸造影, PTC,十二指腸内視鏡と生検が有用であった.病巣の小さな腫瘤型症例では診断困難な例がみられた.
    5) 病理組織所見では,潰瘍型は腫瘤型に比べて組織浸潤度,深部浸潤,リンパ節転移,脈管侵襲がより著明であった.すなわち,潰瘍型はより悪性度が高く,進行性であると考えられた.
    6) 潰瘍型症例には予後不良の例が多かったが,これには潰瘍型の症状がより不定で,長い病悩期間を有するなど,臨床像の特徴による診断の遅れも1因として関わるものと考えられた.
    以上の成績から,乳頭部癌の治療成績向上には,これら臨床像の十分な認識のもとに,可及的早期に十二指腸,胆道,膵系の精査を行ない,早期発見に努めることが肝要である.
  • 田村 利和, 亀岡 一裕, 生野 文彦, 山田 大資, 桑島 輝夫, 古味 信彦, 大嶋 照久, 佐野 寿昭, 稲葉 博司, 檜澤 一夫, ...
    1981 年 42 巻 6 号 p. 629-634
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺髄様癌は甲状腺癌のなかでも臨床病理学的に極めて特異な病態を示す.近年,ラジオイムノアッセイの進歩により,髄様癌がcalcitonin, CEAなどを産生することが知られている.最近,われわれは,これらに加え,血漿somatostatin濃度が臨床経過とよく相関し,剖検後,肝転移組織中にこれらの物質の局在を証明した散発性の髄様癌の1例を経験したので報告する.
    症例は72歳女性, 1977年7月右甲状腺腫で手術・術中迅速で未分化癌と診断され“modified radical neck dissection”施行.術後,髄様癌と訂正された. 1979年2月頃より肝腫をきたし,肝シンチグラムで多発性の陰影欠損を認め肝転移を疑われた.その頃より血漿CEA, calcitonin及びsomatostatin値の上昇が認められた.同10月肝腫の増大,抵抗性の下痢のため再入院したが, 1980年1月死亡した.
    剖検で肝,膵頭部,腹部リンパ節,骨髄に転移を認め,原発巣と同様の組織像を示し,髄様癌の転移と診断した.
    肝転移組織のPAP法による免疫組織化学所見で, CEA, calcitonin及びsomatostatin陽性の腫瘍細胞を多数認め,肝転移組織でのこれらの物質の局在を証明した.
    somatostatinについては,肝転移組織のゲル濾過の所見で, somatostatin様物質は大部分が合成somatostatin 14とほぼ同一の分子量をもつものであることが判明し,この分画中に含まれるsomatostatin様物質はラット下垂体前葉細胞からの成長ホルモン分泌を抑制することを証明し,生物活性をもつことを明らかにした.
    甲状腺髄様癌は,多発性内分泌腺腫症との関連で注目されているが, CEA, calcitoninに加えsomatostatinも腫瘍マーカーとして有用であると思われる.
  • 小柴 康, 伊藤 末喜
    1981 年 42 巻 6 号 p. 635-639
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    乳癌根治手術後の皮膚弁壊死の発生因子について検討を行った.
    対象症例は昭和53年11月からの約2年間に高知市立市民病院外科で乳癌手術をうけ,真皮下に皮下脂肪を島状に残した比較的薄い皮膚弁が作成された100例である.皮膚弁壊死の判定は術後2週間目に行い,壊死が真皮層に及んでいると考えられる場合を壊死例とし,縫合糸で緊縛された部の線状の壊死や植皮片単独の壊死は除外して扱った.
    縦切開法によって手術をうけた87例では, 33例(37.9%)に壊死がみられた.年齢別には49歳以下12/48, 50歳以上21/39で,また肥満度との関係では肥満度10%末満8/39, 10%以上23/46,不明2/2であり,年齢,肥満度の増加とともに壊死が多く発生していた.術式別,植皮の有無および吸引量の多少と壊死発生率とのあいだに密接な関係はみられなかった.
    次に植皮術を必要とせず張力を測定し得た27例について,乳頭の高さ,その上・下5cmの各3部位の皮膚弁にかかる張力と壊死発生との関係についてみると,張力が100g重以下5/28, 101~200g重5/29, 201~300g重2/15, 301~700g重1/9であり,張力と壊死発生とのあいだに密接な関係はみられなかった.
    植皮術を必要とした症例を含む36例の皮下剥離予定距離との関係では, 7.5cm末満の皮膚弁5/96, 7.5cm以上22/120であり7.5cm以上の皮膚弁に有意に壊死が多くみられた.また縫合後伸展していた皮膚弁と短縮していた皮膚弁とのあいだに壊死発生率の差はみられなかった.ただ皮下剥離予定距離が7.5cm以上の皮膚弁が伸展されると壊死発生率が高かった.
    横切開法によって手術をうけた13例には壊死は1例もみられなかった.
  • とくに外傷性横隔膜ヘルニアの診断と治療について
    益子 邦洋, 村上 昌, 安田 和弘, 小関 一英, 矢埜 正実, 黒川 顕, 山本 保博, 辺見 弘, 大塚 敏文
    1981 年 42 巻 6 号 p. 640-646
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    横隔膜の外傷は比較的稀な外傷であるが,一度,外傷性横隔膜ヘルニアを来たすと,胸腔内へ脱出した腸管が横隔膜損傷部で絞扼されてイレウス症状を来たしたり,患側肺の虚脱や縦隔の偏位から重篤な呼吸循環系の障害を来たしたりすることがあるので危険である.更に鈍的外傷の場合には全身に種々の重篤な臓器損傷を合併することが多いために,横隔膜の外傷は時として見逃されてしまう場合もある.
    われわれは男16例,女3例,計19例の横隔膜外傷を経験し,うち6例に外傷性横隔膜へルニアを認めたが,これらについて臨床的検討を加えた結果,診断と治療に関するいくつかの知見を得た.即ち,診断面では,横隔膜外傷の存在を疑うこと,胸部単純X線検査を経時的に行い,肋骨横隔膜角不鮮明・横隔膜挙上・縦隔偏位・胸腔内異常ガス像などの所見が得られたら造影検査などを積極的に行い,診断を確定すること,何らかの理由で開胸あるいは開腹を行う場合には横隔膜を末梢部まで良く精査し,損傷の有無を確かめること,などである.また,治療面では初期治療の主眼をショック対策に向けること,外傷性横隔膜ヘルニアの手術的アプローチを決定する際には腹腔内合併損傷があるかどうかを適確に把握することが極めて大切であること,そして腹腔内合併損傷が否定できれば,たとえ急性期であっても開胸法を選択すべきであること,また,開胸開腹を同時に行う場合の皮膚切開はなるべく別々にすべきであることなどを強調した.
  • 自験6例の報告と本邦文献上報告例の分析
    前田 守, 島津 久明, 小堀 鴎一郎, 古田 雄一, 団野 誠, 古山 米一, 富山 次郎, 草間 悟
    1981 年 42 巻 6 号 p. 647-654
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    著者らはきわめて稀な早期胃癌穿孔2例と残胃癌の被覆穿孔1例を含む6例の胃癌穿孔症例を経験したので,これらの症例について報告するとともに,本邦報告例に関する文献的考察を行った.
    自験例のうち3例はBorrmann II型あるいはIII型の進行胃癌の穿孔例で, 1例には穿孔部の縫合閉鎖のみを, 2例には胃亜全摘を施行したが,後者の2例もそれぞれ1年後と3年2カ月後に再発死亡した.早期胃癌穿孔の2例はIII+IIc型とIIc+III型のIIIの穿孔例で, 1例は術後合併症のために2カ月後に死亡したが,他の1例は穿孔後1年2カ月の現在健在である.残胃癌被覆穿孔の1例には,消化管の通過障害のために空腸瘻造設のみを施行したが, 4カ月後に死亡した.
    今回調査し得た範囲では, 1950年以降の本邦文献上に自験例を含めて223例の胃癌穿孔症例の報告がみられたこれらのうち主な報告者の成績から胃癌穿孔の頻度をみると,その平均は全胃癌手術症例の0.58%であった.年齢は50歳代と60歳代に最も多く分布し,男女比は3.9:1であった.穿孔前に無症状であった症例が12.2%に認められたが,大多数の症例には何らかの腹部愁訴が先行しており,また穿孔の誘因としては,吐血を含む嘔吐が39.5%の症例に認められ,そのほかには胃X線検査や内視鏡検査に続発したものがそれぞれ12.3%と8.7%の頻度にみられた.手術および病理学的所見では,占居部位MまたはAのBorrmann II型とIII型の穿孔が大多数を占め,また肉眼的な癌進行程度では過半数がStage IVの高度に進行した症例であった.自験例以外に早期胃癌穿孔は10例,残胃癌穿孔は2例の報告がみられるに過ぎなかった.治療の内容に関して治癒切除と非治癒切除の別を多数の症例について知ることはできなかったが,一応68.0%の症例に何らかの胃切除が行われていた.しかし,上述のように高度に進行した症例が多数を占めていたために,その転帰は一般にきわめて不良であった.
  • 松本 光之, 野田 剛稔, 前田 治伸, 織部 孝史, 井沢 邦英, 伊藤 俊哉, 土屋 凉一, 葦原 建一
    1981 年 42 巻 6 号 p. 655-659
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    我々は塊状の均一な石灰化を呈した非常に稀な胃外発育型平滑筋腫を経験したので当科で昭和38年から昭和54年までに経験した7例の胃平滑筋腫の症例を加えて報告した.
    症例は60歳女性で,左上腹部に成人手拳大の腫瘤を触れる以外,理学的,生化学的所見には異常は認められなかった.便潜血反応も陰性.腹部単純X線にては塊状均一な石灰化が認められた.開腹術を施行し腫瘍を摘出,病理組織診断にては平滑筋腫であった.
    胃外型発育を示す胃平滑筋腫はその13~14%に認められるが,石灰化を示す症例は,本邦では86例中1例という報告をみるのみである.しかも,本症例のように,塊状均一な石灰化を示した胃平滑筋腫の報告は認められなかった.
  • 内山 勝弘, 高田 忠敬, 佐藤 裕一, 鈴木 衛, 大橋 正樹, 安田 秀喜, 金山 成保, 中村 光司, 羽生 富士夫
    1981 年 42 巻 6 号 p. 660-664
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    膵頭十二指腸切除術は膵頭部領域癌に対する定型的術式として,現在広く行われている.しかし,膵空腸吻合部の縫合不全は今でもこの術式の重大な合併症であり,ひとたび縫合不全が起きれば患者の生命が危うくなる場合が少なくない.我々もこれまでに膵炎,膵膿瘍を併発した膵頭部癌2例に対し膵頭十二指腸切除を,膵石症・慢性膵炎の1例に膵管空腸吻合を試みたが,いずれの症例も術後早期に膵空腸吻合部の縫合不全を引き起こし,膵壊死,腹膜炎,腹腔内出血などの重篤な合併症で死亡した.これらの苦い経験により,膵炎,膵膿瘍を併発した膵頭部領域疾患に対しては, 1)膵全摘術を行う, 2)残存膵と空腸との1期的な吻合を行わず,膵管外瘻を設置する,の2つの方法が考えられた.本症例は膵炎,膵膿瘍を併発した乳頭部癌であったが,膵全摘を行うことで治癒せしめることができた.この症例について報告するとともに,膵全摘術の意義について検討した.
  • 1981 年 42 巻 6 号 p. 665-667
    発行日: 1981/09/01
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top