ビタミン
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78 巻, 10 号
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  • 木村 美恵子
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 471-
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
  • 田中 平三
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 473-484
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    2004年5月現在, わが国では, 健康増進法と食品衛生法のもとで, 保健機能食品制度が施行されている. この論文では, この制度の創設までの経緯と概要について解説する. しかし, 2003年4月, 厚生労働省は健康局長と医薬食品局長のもとに, 「健康食品」にかかわる制度のあり方検討会(座長:田中平三)を設置し, 現行制度の見直しを開始した. この検討会は2003年10月に論点整理を行い, 2004年6月に提言を行った. そこで, この検討会で討論され, 提言された内容のうちで, 重要なものを「制度の展望」という観点から記述する. この論文では「健康食品」という用語を採用している. 健康の維持増進に資する食品として販売, 利用されるもの全般を指す. 保健機能食品も含むものであり, 『いわゆる健康食品』とは, 「健康食品」から保健機能食品を除いたものである. 1. 「健康食品」の概要 ひとつの食品には, 1種類以上の栄養素が含まれている. ある特定の栄養素を豊富に含有している食品が先ず同定され, その後多くの栄養素製品が抽出, 発酵, 酵素法, 合成等により作られるようになった.
  • 渡邊(石田) 志穂, 田中 敬子, 村山(田鶴谷) 恵子, 山田 和子
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 485-493
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    チアミン生合成の最終段階である4-アミノ-5-ヒドロキシメチル-2-メチルピリミジン(OMP)と4-メチル-5-ヒドロキシエチルチアゾール(Th)の縮合の過程(図1)は1960年に確立している. OMPとThからチアミンに至る過程の酵素生成に関与する遺伝子については, 中山ら, 野坂らによって明らかにされて来た. OMPの生合成経路に関して, 我々はその生合成経路が原核生物と真核生物で異なることを明らかにし, さらに, 原核生物, 真核生物におけるそれぞれの生合成経路について, 図2に示す経路を確立した. Thについて, 我々はその窒素原子の起源を研究し, 真核生物, 好気性生物と通性嫌気性生物とで生合成経路が異なることを明らかにした. チアミンは生物が呼吸でエネルギー代謝を行うとき不可欠な補酵素となるため, 今まで報告されたその生合成経路の研究は, すべて好気条件で行われて来た. しかし, チアミンピロリン酸(TPP)は発酵においても補酵素として関与する. その生合成経路が嫌気条件下でも好気条件下と同じであるのかを明らかにするため, 好気条件下で前駆体となる化合物について, 嫌気条件下で検討し, OMPの生合成の前駆体は好気条件と若干異なることを, またThに関しては同じであることをすでに明らかにした.
  • 太田 好次, 福澤 健治
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 495-512
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    ビタミンE(E)のサプリメント効果については, 健常者を対象に, 疾患予防, 喫煙, 筋肉運動, 高度不飽和脂肪酸の過剰摂取などに対する効果と, 種々の疾患患者を対象に, その改善, 治療効果が調べられている. いずれの場合も, 用いられるEの量は, 栄養所要量(8〜10mg)の数十倍から百倍多い. 1. 健常者を対象にした, 疾患の予防, 喫煙, 筋肉運動, 高度不飽和脂肪酸過剰摂取におけるEのサプリメント効果(表1) 1-1. 健常者(喫煙者を除く)におけるEのサプリメント効果 健常者におけるEのサプリメント効果に関しては, 酸化ストレス予防, 動脈硬化症予防, 免疫応答増進, インスリン作用増進などが調べられている. Huangらはα-Toc酢酸塩(α-TOA)の投与が酸化ストレスにある程度は予防効果を示すことを報告しているが, Meagherらは無効であると報告している. DevarajらやDesideriらはEサプリメントが動脈硬化症の予防に有効であると報告しているのに対し, Simonsら, Kaulら, Vaga Lopezらなどは効果がみられないと報告している.
  • 立花 宏文, 岡 達三, 石川 孝博
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 513-514
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
  • 石川 孝博
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 514-517
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 文献目録等
    2004 年 78 巻 10 号 p. 519-523
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
  • 福井 浩二, 大矢 昌樹, 大谷 晴久, 吉川 聡介, 玉井 浩, 宗 正敏
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 525-526
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    γ-トコフェロール(γ-Toc)の生体内での主要な代謝産物であるとされる2, 7, 8-trimethyl-2-(β-carboxyethyl)-6-hydroxycroman(γ-CEHC)が発見されて以来, その物質が保持するであろう生理機能に関し, いくつかの報告がなされてきた. その多くは, 高NaCl食下の際の尿中でのNa排泄促進効果とされており, 実際に動物モデルでの検討が広く行われている. しかし, 人においての詳細な検討はまだ十分とは言いがたい. そこで本実験では健常人に400mgのγ-Tocを単回経口投与し, 尿中のNa排泄促進作用について検討を行った. その結果, γ-Toc製剤投与群(5名)では, 投与後6時間までのNa排泄量およびNa排泄率がプラセボ群に比べて有意に高値であった. また, 投与前後において両群の間に, 尿量およびクレアチニンクリアランスに有意な変化は認めなかった. 更に尿中におけるγ-CEHC量は, 投与後12時間で最大となった. 以上のことから, γ-Tocは健常成人で高食塩食下において尿Na排泄促進効果を有するものと考えられる. 〔論議〕岡野委員 以下の2点をお教えください. 1)NaK-ATPaseは腎細管でPi輸送とカップルしていると思いますが, γ-トコフェロール投与においてPi酸の尿中排泄に変化は見られなかったでしょうか. 2)γ-CEHCの産生臓器は既に特定されているのでしょうか. 宗 正敏氏1)γ-トコフェロールの作用機序としては, Kチャネル阻害が主と考えられていますので, リン酸の尿中排泄は検討していません. 2)γ-CEHCの産生臓器は主に肝臓と考えられています. <玉井副委員>アルドステロンなどホルモンの影響はお考えでしょうか. <宗正敏氏>Kチャネル阻害により遠位尿細管へ到達するK量が増加することから, アルドステロンの関与が考えられる. 他のホルモンについては不明です. <阿部特別委員>1)血中のγ-CEHCの測定はされておりますか. 2)病態におけるγ-CEHCの変動を検討する予定はありますか. <宗正敏氏>1)現在, 検討中です. 2)腎臓病, 肝臓病等におけるγ-CEHCの変動を検討したいと考えています. <吉村特別委員>投与したγ-トコフェロールの量に対して, 尿中に出てきたγ-CEHC量の割合(モル比)はどの程度か. 追記:動物実験の場合との比較で考えられていると更によいのですが. <福井浩二氏>投与から排泄まで時間的なラグもあることから割合を出すことは難しいと考えられます. また, γ-CEHC自体がどの臓器にどの位存在するかを明らかにしなくてはならず, この点も問題を複雑化しているといえると思います. <吉川聡介氏>(共同演者)γ-トコフェロール投与量において尿中Na排泄量は0〜6hの間で有意に増加, 尿中γ-CEHC量はγ投与後6h以降で有意に増加した. 尿中γ-CEHCの増加時期と尿中Na排泄量の増加時期とにはずれがあるが, 血中γ-CEHCと, 尿中γ-CEHCのどちらがNa利尿作用を示すか. <宗正敏氏>今回のデータからは血中γ-CEHCが作用したと考える方が理解しやすいですが, ご質問の点は更に検討したいと思います. <宮澤委員>γ-CEHCより側鎖の長い代謝中間体にはこのような活性はないのでしょうか. γ-CEHCに特異的な作用でしょうか. <福井浩二氏>現在報告されている中では, γ-トコフェロールの最終産物であるγ-CEHCが最も高いNa利尿作用があるとされています. 中間体も確かに存在しますが, その濃度は非常に低く, 今のところ, 生理的な作用はないのではないかとされています.
  • 山本 浩範, 佐藤 匡俊, 山本 かおり, 武田 英二
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 526-
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    骨量の維持には, ビタミンDやPTHなど内分泌的なカルシウム(Ca), リン代謝調節だけでなく, 重力や筋肉などによる骨への荷重負荷が重要である. 安静臥床や神経麻痺など不動による骨への荷重負荷の減少は, 腸管Ca吸収低下および骨量減少をもたらすが, その詳細は明らかではない. そこで, 不動による腸管Ca吸収低下機構について解析を行った. 不動動物は12週齢雄ラットの四肢をボールマンケージにより固定拘束して作成し, 腸管カルシウム吸収率, 腰椎骨密度, ビタミンD標的遣伝子群の発現を検討した. その結果, 不動群では, 対照群に比べ腸管Ca吸収率および腰椎骨密度が有意に低下した. さらに, 不動群において血中PTH, 活性型ビタミンD濃度の低下および小腸十二指腸においてビタミンD依存性Ca吸収に重要なTRPV6およびCaBPD9kの発現低下を確認した. そこで副甲状腺摘出(PTX)ラットを用いて不動による腸管Ca吸収低下に対するPTHおよび活性型ビタミンDの関与を検討した. その結果, PTX-不動群では1α-水酸化酵素および24水酸化酵素の発現は変化せず, 血中活性型ビタミンD低下を示さなかった. しかしながら, 小腸十二指腸のTRPV6およびCaBPD9kの発現は活性型ビタミンD濃度が低下しないにも関わらず有意に減少した. 以上のことより不動に伴う腸管Ca吸収の低下には, ビタミンD標的遺伝子であるTRPV6およびCaBPD9kの発現低下が原因であるが, PTHおよび活性型ビタミンDとは異なる別の因子を介したCa吸収調節経路が重要であることが明らかになった. 〔論議〕<岡野委員>以下の点についてお教えください. 1)小腸でのビタミンD受容体の発現は, 不動化モデル, PTXモデルで変化は見られたのでしょうか. 2)同様のカルシウム吸収機構を持つ小腸と腎臓で, 不動化によって異なる反応が現れる理由についてお教えください. 3)不動化によって誘導されるunknown factorは, 小腸で産生されるものか, local factorとして小腸以外の組織で産生され, 小腸Ca吸収に影響を及ぼすのでしょうか. <山本浩範氏>1)確認しましたが, 不動化モデル, PTXモデルでは変化ありませんでした. 2)わかりませんが, 腸管特異的な因子が関与しているためだと考えております. 3)不動応答因子の産生組織の同定はできていませんが, 小腸以外の組織で産生されていると考えています. <加藤委員>1)リン代謝調節因子の発現等は影響を受けているのでしょうか. 2)血中リン酸濃度に変動はあったでしょうか. <山本浩範氏>1)現在検討しているところです. 2)血中リン酸濃度は変化ありませんでした. <須田委員長>不動化モデルはボールマンケージを使って動物を固定している. 固定に伴って動物にはストレスが加えられ, 内分泌系にも変化がおこると思われるが, 対照群はその影響をどのように考慮しているか. <山本浩範氏>対照群は, 自由行動ラットを使用しています. 不動動物モデルとして, tail-suspension, 坐骨神経切除モデルなどがあるが, 腸管Ca吸収に関しては結果が一定しておらず, 不動性腸管Ca吸収低下モデルとしては, 適していないと考え, ボールマンケージを使用しました. ストレスの影響として, ドーパミンおよびカテユラミンを測定したところ, tail-suspensionモデルと同程度であり, ストレスの影響は少ないと考えています. 顕微組織学的には全く影響はありませんでした.
  • 大薗恵一 , 道上 敏美, 宮内 芳輝
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 527-528
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    ビタミンD受容体(VDR)はリガンド依存性転写調節因子であり, その機能を発揮するためには核に局在しなければならない. 以前, 我々は, GFP-VDR融合タンパク質を用いて, VDRはリガンド非存在時にも核優位に存在するが, リガンド添加によってさらに核への局在性が顕著となることを報告したが, このことは, VDRの核局在性にリガンド依存性, 非依存性の2つの機構が存在することを示唆している. このことを確かめるために, ジギトニンで処理したsemi-intact cel1を使うin vitro nuclear transport assayを用いて, VDRの核移行を検討した. Recombinant VDRを輸送基質とし, 別途調整したHeLa細胞由来の細胞質抽出物質を添加して本assayを行なったところ, VDRはリガンド非依存性に核移行した. リガンド結合領域(LBD)を欠くVDRを用いても, リガンド非依存性核移行が観察され, DNA結合領域(DBD)あるいはHinge部にリガンド非依存性核移行を担う領域が存在することが示唆された. 一方, LBDのみでは核移行は見られなかったが, Hinge部を含むLBD(DBDを欠く)ではリガンド非依存性ではなく依存性核移行が観察され, VDRの核移行にリガンド依存性と非依存性の2つの機構が存在し, それぞれのシグナルはHinge部とDBDに存在することが初めて示された. さらに, リガンド非依存性にVDRの核移行を担う分子を同定したのであわせて報告する. 〔論議〕<山田委員>核内移行シグナルを含むヒンジ領域といわれた領域は, リガンド結合ドメインのループ1-3に存在するので, ヒンジ領域という表現は適切ではないのでは. この核移行シグナルが機能するのに, リガンドが存在する理由をどう説明するか. <大薗委員>ヒンジというのは古典的な考え方で, 確かに用語としては変更したほうがよいと思われる. ただ, 我々のmutantがリガンドに応答するという性質を保持していることは確かめている. この部位に存在する核移行シグナルがリガンド依存性なのはリガンドの直接的効果というよりもリガンド結合領域の高次構造の変化により, C端部による抑制が解除されるためと考えられる. この部位の核移行シグナルのみを他のタンパク質に付加したときに核移行させることからも, リガンド結合領域全体が必要ないと考えることには根拠がある. <清野委員>通常リセプターはリガンドの作用を発揮するために存在すると考えられる. もしリガンド非依存性にリセプターが核に移行するのであれば, そのリセプターのtarget geneに対する意義は何なのか. あるいはそのようなtarget geneが存在するのか. <大薗委員>先ほどの加藤先生の発表からも, リガンドと結合していないビタミンD受容体にDNA結合性があり, 何らかの作用を持つことが考えられる. リガンドと結合することで, co-activator複合体との結含性が変化し, 遺伝子転写制御能が高まるものと考えている. <須田委員長>ステロイドホルモンの受容体は核(内)受容体と総称されているが, リガンドを細胞膜から核へ運搬するタンパク質は何か. ビタミンDの場合, VDRはcytosolに存在するというが, ビタミンDの場合はcytosolに存在するVDRが細胞質の輸送も兼ねているか. <大薗委員>核移行メカニズムはステロイドホルモン受容体の種類によりことなる. グルココルチコイド受容体では, リガンドの無いときは細胞質に存在し, 甲状腺ホルモン受容体では核に存在する. ビタミンD受容体ではその中間型で, そのメカニズムとして, 我々のようにリガンド依存性と非依存性の核移行シグナルの両方が存在することと考えると分かりやすい. ビタミンDの場合はcytosolに存在するVDRが細胞質の輸送も兼ねていると考えている.
  • 田中 弘之
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 528-
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    ビタミンD欠乏によるくる病は骨代謝研究の原点ともいえる疾患である. 生活習慣, 生活環境の変化によって, 栄養状態の良好な現在においてもなおビタミンD欠乏によるくる病の発生を認める. 我々が2歳未満の幼児において検討した結果では, 調査対象の約10%は25水酸化ビタミンD濃度が10ng/mlを下回っており, 下限を20ng/mlとするとその頻度は30%にまで達することが明らかとなっている. このようにビタミンD欠乏は正常な骨発育にとって重要な因子であるばかりか, 骨粗鬆症の治療薬としてもその効果は広く知られている. しかしながら, その作用が体液中のCa, Pi濃度の維持作用によって生じているのみか, 直接骨の細胞に作用し機能を発揮しているのかは明らかではない. そこで, Ca, Pi濃度の正常な環境においてVDRを欠く骨が如何なる挙動を表すのか, VDRKOマウスを用い異所性骨移植実験, 骨器官培養などの実験系で検討してきた. 野生型マウスに移植されたVDRKO骨は同じマウスに移植された野生型骨よりも高い骨量を示した. 同様の結果は骨器官培養においても示された. 骨組織の検討からその効果は骨幹端よりもむしろ骨幹部に強く現れ, 出生直後の骨においても明らかであった. さらに, 胎仔骨の骨化においてもVDRKO骨で野生型よりも早期に骨化の進行が観察された. これらの結果から, ビタミンDの骨に対する直接作用は, 膜性骨形成の過剰な進行を抑制することにあると考えられた. このビタミンDの骨に対する効果の分予機序についても考察を加える.
  • 橘髙 敦史
    原稿種別: 本文
    2004 年 78 巻 10 号 p. 528-529
    発行日: 2004/10/25
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    活性化ビタミンD_3(1α, 25(OH)_2D_3)A環に対する一連の化学修飾の研究から, 2α位に適切な置換基を導入すると1α, 25(OH)_2D_3の生物活性が向上することが判った. この2α位の化学修飾により, ビタミンD受容体(VDR)はリガンド結合領域でリガンドの2α置換基と新たなvan der Waals相互作用や水素結合を獲得し, リガンドのVDR結合親和性を上げ, 生物活性の強化に繋がるものと考えられる. 今回は系統的に2α位を置換した1α, 25(OH)_2D_3誘導体の効率的合成法, Julia型カップリング反応を利用する2位置換19-nor-1α, 25(OH)_2D_3の新規合成法, トリエン部を安定なアミド結合に変換した誘導体とその2α置換体の合成法, CD環側鎖部の20位epi化やdouble side chain(gemini)とした化合物の2α置換体の合成法, さらにVDRアンタゴニストTEI-9647とTEI-9648への2α置換基の導入, およびA環と側鎖部の構造修飾によるアンタゴニスト活性に対する相乗的効果を検討するため, ラクトン部24位と2α位を同時化学修飾した化合物の合成8)について発表し, 以上の生物活性について紹介する.
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