薄層クロマトグラフィーを用いて17種の植物性食品(玄米, サツマイモ, ネギ, キャペツ, ハクサイ, ホウレンソウ, レタス, ダイコン, ニンジン, カボチャ, キュウリ, トマト, リンゴ, ミカン, バナナ, モヤシ及びカキの葉)についてAsSの存在の有無を検索した.その結果, キュウリ及びモヤシ抽出液にAsS類似のスポットが得られたが, その他の試料には全くAsSの存在は認められなかった.次いでAsSの存在の有無を検索した.その結果, キュウリ及びモヤシ抽出液にAsS類似のスポットが得られたが, その他の試料には全くAsSの存在は認められなかった.次いでAsSの存在を疑わせたキュウリ及びモヤシ抽出液に関しては, 更にイオン交換クロマトグラフィーにてAsSの存在は確認の再試験を行ったが, 両者ともにAsSの存在は確認できなかった.以上の結果, 本実験に供した植物性食品には全くAsSの存在は認められなかった.これらの試料は分類的にかなり広範囲の植物性食品(穀類, イモ類, 葉茎菜類, 根菜類, 果菜類及び果実類)が選ばれているので一般的に植物性食品にはAsSの存在は無いものと考えられる.
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