雑草研究
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28 巻, 1 号
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  • 宮原 益次
    1983 年 28 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 第1報 生態的, 形態的特性の系統間差異
    米倉 正直
    1983 年 28 巻 1 号 p. 12-24
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    (1) 神奈川県内の河川水系あるいは土壌型を異にする18地区からミズガヤツリ20系統を採集し, 3~5年間ポットで育成した。1976年に18系統を水田枠内で均一栽培し, それぞれの地区内の5クローンについて7形質を調査した。また1977年には, 20系統を同様均一栽培し, 生態・形態特性20形質を調査し, 多変量解析法の一つである主成分分析法により系統の分類を行った。
    (2) 1976年の実験では, 11地区内のクローン間には有意な形質差はみられなかったが, 他の7地区内クローン間には1~3形質で有意差が認められ, 地区によっては, 同一水系50~数百mの小地区内に表現形質の異なるクローンが混生していることが推察された。
    (3) 1977年の実験では, 塊茎出芽始期, 出穂始期の他, 茎葉の栄養体6形質, 種子繁殖器官5形質及び塊茎に関する7形質計20形質全てについて, 系統間差異が1%の有意水準で認められ, 供試20系統内には, 何等かの形質特性が著しく異なる系統が存在すると考えられた。
    (4) 20形質の中, 出穂始期や葉幅, 花茎直径の他, そう果数, 塊茎個体重, 塊茎直径及び塊茎全重等の13組形質間で0.80以上の高い相関が認められ, 出穂が早い系統, あるいは茎が太く葉幅の広い系統は, 種実生産数が多く, 大型の塊茎を生産する傾向があるなど, 栄養器官と繁殖器官の特性との関係が明らかとなった。
    (5) 20系統の20形質の相関係数に基づく主成分分析の結果, 第1~3主成分までで全体の73%の情報を説明でき, 高い精度で系統の分類を行うことができた。また, 主成分の形質別因子負荷量 (主成分と形質との相関) から, 出穂始期, 葉幅, 花茎直径, 花茎数, 小穂数, そう果数, 塊茎盛径, 塊茎数及び塊茎個体重などは, 第1, 第2主成分でその変動の多くを説明できた。
    (6) 第1~第3主成分についての20系統のスコア散布図の相互の位置により, 供試20系統をI~VII群に分類した。このスコア散布図中の群間の距離により, I, III, IV及びVの4群は相互の形質差が顕著で隔りの大きいグループとみられ, IIとVIIの2群は調査形質について類似度の高いグループと推察された。
    (7) 気象条件的に大きな差がない狭い本県水田地域に, 防除上関係の深い生態・形態特性に顕著な差異を示すミズガヤツリ系統の存在が認められたが, このことは, 防除効果のふれの判断や正確な防除試験実施の上で, あるいは適確な防除法確立の面で, 種の変異性, 多様性という従来とは違った観点からの検討の必要性を示唆するものと考えられる。
  • 第2報 2, 3の形態的特徴と生育特性
    大隈 光善, 千蔵 昭二, 吉留 純一
    1983 年 28 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1) キシュウスズメノヒエと対比して, チクゴスズメノヒエの形態的特徴及び生育特性を調査した。
    2) チクゴスズメノヒエは, キシュウスズメノヒエに比べ, 葉色が濃く, ほふく茎が太く, また茎横断面の維管束数が多かった。とくに, クリークで生育した場合に, この差が著しかった。
    3) クリークの水際に予め1/5,000aポットで育成した越冬茎を春先に植付けた場合, チクゴスズメノヒエでは3年後にはクリーク水面の被覆面積が約100m2にも達した。なお, この値はキシュウスズメノヒエの約6倍の生育量であった。
    4) 両草種ともNH4-N濃度が高いほど生育が旺盛であった。P2O5については, NH4-N濃度を一定としたこともあり, 濃度による生育差が小さかった。
    5) チクゴスズメノヒエは, キシュウスズメノヒエに比べ, pHや土壌水分の変動に対する適応性がやや小さかった。
  • 第3報 ほふく茎の萌芽力に関する調査
    大隈 光善, 千蔵 昭二, 森山 義一
    1983 年 28 巻 1 号 p. 31-34
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    (1) クリークで生育するチクゴスズメノヒエのほふく茎 (越年茎及び当年茎) について, 乾物率の推移や種々の条件下での節よりの萌芽力について調査・検討した。
    (2) チクゴスズメノヒエの越年茎の萌芽温度は, 最低10℃, 最適30~35℃, 最高40℃であった。
    (3) 越年茎, 当年茎とも先端部の2~3節を除き, どの部位の節でも高い萌芽率がみられた。
    (4) 切断した越年茎は代かき土に埋没した場合や酸素が不足する水中 (たん水) ではまったく萌芽しなかった。
    (5) 萌芽率は季節的に変化し, 5月下旬頃に最低となった。また, 乾燥処理による萌芽率の低下は5月下旬~7月上旬に著しかった。
  • 岩崎 桂三, 出野 粂太郎, 萩本 宏
    1983 年 28 巻 1 号 p. 35-42
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    日本各地の水田で採種あるいは採取された25系統のイヌホタルイの生育速度, 形態学的特徴, 種子の出芽性およびCNPに対する感受性について比較検討した。
    1. 茎数の増加のパターンは, 生育前期に増加の著しい系統, 後期に増加が著しい系統, そして平均的に増加した系統に分けられた。出穂時期は採種地あるいは採取地が南下するほど遅くなる傾向が認められ, 特に北海道の系統の出穂は著しく早かったが, 地理的傾斜は明瞭でなかった。
    2. 茎長および苞長は系統により異なったが, 茎長に対する苞長の比率は, 北海道と島根の系統を除き, ほぼ一定であった。また, 種子1,000粒重と小穂長の間には, 比較的高い正の相関係数が得られた。
    3. 1系統の種子は10℃の水中に14日間貯蔵しただけで高い出芽率を示したが, 多くの系統の種子は同条件下で56日間以上経過すると高い出芽率を示し, 273日間貯蔵すると全系統が80%以上出芽した。
    4. 出芽前処理されたCNP粒剤400g (369, a. i.)/a に対する感受性は系統によって異なったが, 最も感受性の高かった系統でも枯死率は46%, 25系統の平均は13%, 茎葉部乾物重抑制率は66%, 平均は52%であった。他方, ホタルイの枯死率は98%以上, 抑制率は99%以上であった。
  • 小林 勝一郎, 一瀬 勝紀, 百武 博, 石塚 皓造
    1983 年 28 巻 1 号 p. 43-50
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ミズガヤツリ (Cyperus serotinus ROTTB.) の塊茎形成に対する naproanilide〔1-(2-naphthoxy) propionanilide〕の作用を各器官の生育およびRNA生合成に対する作用との関連で処理時期ごとに調査, 検討した。
    1) 茎葉および根においては, 生育初期の処理で乾物生長の阻害とともに茎葉基部や根端に奇形の発現が認められた。しかし, これらの作用は, いずれも, 処理時期が遅くなるに従って低下した (Table 1)。
    2) 根茎では, 処理時期にかかわりなく, 奇形の発現が著しく, この奇形は, 先端だけでなくすでに茎葉あるいは塊茎を形成した節間にも認められた。しかし, 乾物生長の阻害は, 生育初期の処理にのみ認められた (Table 1)。
    3) 塊茎の形成は, 処理時期にかかわりなく常に強く阻害された (Table 1)。しかし, 処理前に形成していた塊茎の肥大生長は阻害されなかった (Table 2)。また, 塊茎の萌芽能も阻害されなかった (Table 2)。
    4) 処理時期にかかわりなく, 処理区では, 対照区に比べて, 根茎から発生した茎葉数が増加する傾向が認められた (Table 1)。
    5) 上記のように, 塊茎形成の阻害と根茎における奇形の発現との間に最も密接な関連性が認められた。
    6) 各器官のRNA生合成は, 処理後1日目では, ほとんど影響を受けなかった。根茎のRNA生合成は, 処理時期にかかわりなく, 処理後3日目で促進が認められ, 7日目には, さらに顕著な促進が認められた。茎葉のRNA生合成は, 生育初期の処理で根茎の場合と同様な促進作用が認められたが, 処理時期が遅くなると, 3日目に認められた促進作用は, 7日目にはほとんど認められなかった。根のRNA生合成は, いずれの処理時期においてもほとんど影響を受けなかった。また, 塊茎では, 7日目のみに促進作用が認められた (Table 3)。
    7) 上記のように, 各器官の中で, 根茎のRNA生合成が naproanilide に対して最も高い感受性を示す傾向が認められた。
    8) 以上の果結から, naproanilide は, 塊茎形成に関連した根茎のRNA生合成系の攪乱を通して根茎の塊茎への分化を阻害しているものと推定された。
  • 世古 晴美, 佐村 董, 越生 博次
    1983 年 28 巻 1 号 p. 51-53
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1) 水稲の機械移植栽培における省力除草法として, 除草剤の苗箱施用の実用性を検討した。
    2) ピラゾレート粒剤及びクロメトキシニル粒剤を用いて苗箱処理と土壌処理を比較したところ, 両除草剤とも, 苗箱処理の除草効果は適用草種幅がやや狭くなり, 若干劣った。
    3) 両除草剤とも水稲に対する薬害はなく, 土壌処理に比べてわずかに草丈が短かく茎数が増加する傾向であった。収量・品質も同等であった。
  • 加藤 彰宏, 奥田 義二
    1983 年 28 巻 1 号 p. 54-56
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 植木 邦和, 中山 壮一, 松本 宏, 小林 勝一郎
    1983 年 28 巻 1 号 p. 57-64
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 1983 年 28 巻 1 号 p. 65-68
    発行日: 1983/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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