雄豚9頭の精液を適宜使用して Percoll により不連続密度勾配層を作成し, X及びY精子の分別実験を行った。
すなわち, Percoll 上層部に精子浮遊液を積層し, 遠心分離を行い, 下層部に集まった精子と, その上の層に集まった精子を別々に吸引収集し, 精子数, 活力等の検査を行った。上下層精子とも収集精子数, 活力に若干の低下が認められたが特筆すべき影響はみられなかった。
ついで, これら両層由来の精子は30数頭の発情豚に対して人工授精された。
その結果, 受胎率, 産子数等は無処置の繁殖豚の受胎率や産子数と比べ特に差は認められなかった。
なお, 新生子の性比は, 上層部由来の精子で授精されたものと, 下層部由来の精子で授精されたものとの間に有意差はみられなかった。
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