日本養豚学会誌
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31 巻 , 1 号
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  • 家入 誠二
    1994 年 31 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    熊本県内の屠畜場で1991年に得られた1,258頭の肉豚情報を用い, 個体ごとの利益を従属変数とした重回帰分析から利益関数を導き, 最適の利益関数を各形質で偏微分して出荷日齢と屠体形質の経済価を推定した。ただし分析に用いた個々の肉豚の利益は, 生物経済モデルから求めたものである。
    利益推定のための線形重回帰式において, 利益の背脂肪の厚さ (BFc) と出荷日齢 (DAY) および背脂肪3部位の変動係数 (CVBF) に対する標準偏回帰係数は相対的に大きく, 枝肉歩留 (DP) と背腰長のII (BLL) に対する標準偏回帰係数は小さく推定され, 寄与率は0.67であった。各形質と利益との間には2次の関係があり, 2次の重回帰式では, 寄与率は0.85に向上した。しかし, DPとCVBFの2次頃の偏回帰係数の符号は正で適正水準が存在しないことから, 両形質の2次項は式に含めなかった。その場合各形質の経済価 (円頭-1) は, DAY: -86 (日-1), DP: 128 (%-1), BLL: -57 (cm-1), BFc: -295 (mm-1), CVBF: -39 (%-1) と推定された。非線形式を線形に近似して得られたこれらの経済価は, 個体評価においては常に最適とは限らないが, 線形近似に基づく個体評価の誤差が遺伝的改良量に与える影響は, 豚の育種構造上小さいと考察された。
    本方法には, 偏回帰係数が重回帰式の形や形質間の相関関係で変化するなどの欠点がある。しかし, わが国の豚の屠体形質のように, 単価が不明瞭で, かつそれが適正水準を持つ場合には本方法が有効であると思われる。
  • 林 哲, 小林 一彦, 水野 仁二, 大石 隆一
    1994 年 31 巻 1 号 p. 8-15
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    28頭の供胚豚から各々4回以上外科的に反復胚回収を行った。反復回数は, 4回が9頭, 5回が8頭, 6回が4頭, 7回が3頭, 8, 12回が各1頭, 16回が2頭であった。すべて自然発情時の交配後に採卵した9頭では, 各採卵時の排卵数, 回収胚数は同一個体内では有意な差はなかった。さらに, 胚回収を約3週間 (平均発情周期に相当) 毎に行った場合でもそのことによる排卵数および回収胚数の減少は認められなかった。発情周期の関係で12日間隔で胚回収を行った例でも排卵が認められ正常な胚が得られた。残り19頭については, PMSG処理と胚回収成績との関連を検討した。PMSG処理については, 1回のみ, 2回以上連続してあるいは自然発情と交互に行った。一部の個体においてPMSG処理により排卵数が有意に増加または減少したものが認められたが一定の傾向は認められなかった。また, PMSG処理がその後の胚回収成績へ影響を及ぼさないことが示された。
  • 林 哲, 小林 一彦, 水野 仁二, 大石 隆一
    1994 年 31 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    伊藤忠飼料 (株) 総合技術研究部において実施した胚回収事例556例を対象にして, 発情誘起, 過排卵または発情の同期化を目的として使用したPMSG, hCG, FSHおよび Altrenogest のホルモン処理毎の胚回収成績等について調査した。PMSGに対する反応は, 投与量が1000IUを超えると黄体数のばらつきが大きくなり, 胚の正常性の低下, 遺残卵胞数の増加, 卵胞嚢腫発生率の増加を示した。hCGを500または750IU投与した場合, 回収胚の正常率は良好であった。Altrenogest 投与区では胚回収成績に対して特に影響は認められなかった。FSHについては漸減投与法を行ったが, 投与総量12.0~13.5AUでは排卵数が0から135とばらつきが大きく, 排卵を認めた個体では異常胚, 遺残卵胞数, 卵胞嚢腫個体数が多かった。投与総量7.75AUでは, 6頭中1頭しか排卵せず, 排卵した1頭も黄体数7であった。
  • 林 哲, 小林 一彦, 水野 仁二, 大石 隆一
    1994 年 31 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    8ヶ年にわたる豚胚の外科的胚回収556事例のその後の経過について, 外科手術と術後障害の発生要因との関係を追跡調査した。供胚豚として供試された前記事例のうち淘汰された127頭の内訳事由は生殖器の癒着によるもの40.9%, 無発情・無排卵などの繁殖障害によるもの11.0%, 感染その他の障害によるもの5.5%であった。外科的胚回収豚では癒着による障害が最も頻度が高かったのでさらに詳細に検討した。すなわち, 2回以上反復回収を行った330事例のうち癒着によって淘汰を余儀なくされた事例は52例15.8%であった。実験期間を前期, 中期, 後期の3期に分けて集計すると実施時期が後になるほど癒着による淘汰割合が減少した。これに伴い同一供胚豚から反復して回収できる回数も増加した。これは, 時期の進行に伴って施設の改善, 術式の改善・習熟に影響されたことがその要因と思われる。繁殖障害によるもののうち卵胞嚢腫は, PMSGの高単位投与と係わりがあることが示唆された。
  • 河原崎 達雄, 高坂 哲也, 知久 幹夫, 曽根 勝, 吉田 光敏
    1994 年 31 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    PCR (Polymerase Chain Reaction) 法によるブタ雄特異的DNA増幅に及ぼす検体細胞数および増幅条件の影響についてブタ白血球を用いて検討した。MCGRAWら (1988) が報告したブタ雄特異的DNA反復配列491bpを増幅するプライマーセット (Male-specific, M; 5′-TCATGGACCAGGTAGGGAAT-3′, 5′-GAAAGACACGTCCTTGGAGA-3′, 関口ら, 1992) およびプライマーセットMの内側領域236bpを増幅する Nested プライマーセット (Nested, N; 5′-AAGTGGTCAGCGTGTCCATA-3′, 5′-TTTCTCCTGTATCCTCCTGC-3′) を用いてPCRを30サイクル行ったところ, ブタ雄特異的DNAのシグナル検出は検体白血球の細胞数に影響され, プライマーセットMでは検体白血球数が50個以上, プライマーセットNでは10個以上で雄特異的DNAの検出が可能であった。PCRサイクル数の増加 (40サイクルおよび60サイクル) および反応産物 (30サイクル) を鋳型DNAとした同一プライマーセットでの再度の増幅 (30サイクル) は, 検出感度の著しい上昇に結び付かなかった。一方, プライマーセットMの反応産物 (30サイクル) を鋳型DNAとし, プライマーセットNによりPCR (30サイクル) を行ったところ, 検出感度は上昇し, 非常に少数 (推定数1個) の白血球からブタ雄特異的DNAの検出が可能となった。
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