豆腐粕, レストラン調理残渣, パン屑等の都市厨芥を混合し, 発酵乾燥処理を施すことにより, 肉豚用飼料の製造を試みると共にその栄養成分, 消化率等の検討を行った。その結果, 投入材料のpHは発酵開始後2日目に4.0~4.4に低下した後ほとんど変化せず, 速やかに安定化していた。発酵乾燥飼料の成分については粗蛋白質, 粗脂肪が多く, 糖・デンプン・有機酸類が少ない他, レストラン調理残渣の魚腸骨由来と考えられるドコサヘキサエン酸を含有していた。また, 食塩含量は約0.8%, 過酸化物価は2.9meq/kgと少なく, 豚炭毒菌も検出されないことから飼料としての安全性も確保されると考えられた。
発酵乾燥飼料の消化率は市販配合飼料に比べ粗蛋白質, 粗脂肪, 総繊維の消化率が有意に高く, TDNが約86%と高い値を示した。さらに, リンの消化率が60%を越えることから, 発酵処理中に材料中のフィチン態リンが何らかの変化をしたものと推察された。
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