日本養豚学会誌
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34 巻 , 1 号
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  • 宮脇 耕平, 保科 和夫, 伊東 正吾
    1997 年 34 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    ウェットフィーディングが肥育豚の採食速度に及ぼす影響を検討するために, 実際の飼養試験 (実験1) と, 飼料と水の混合割合を変えた5種類の飼料を給与した基礎試験 (実験2) とを実施した。
    実験1においては, 従来型不断給餌器で分離給水した対照区に比べ, 自然落下型および飼料切出し型ウェットフィーダーで同時給水した本飼養法では, 採食日量が肥育後期に多くなる傾向にあり, 採食速度は有意 (P<0.01) に速くなった。実験2では, 飼料と水との混合比率 (風乾飼料重量比) を変えたA区 (飼料1: 水0), B区 (1:0.5), C区 (1:1), D区 (1:2) およびE区 (1:3) の5区を設定して, 採食性に及ぼす影響を検討した。採食開始後約10分間の採食量および採食速度 (g/分) は, C, D, E, B, A区の順で, 加水混合により粉状飼料単独給与に比べて, 採食量は多く, 採食速度は速くなり, その差はともに有意 (P<0.01) となった。飼料水分と採食速度との間には体重60kg, 80kgおよび105kg時の測定から求めた2次回帰式は有意で, この回帰式から最も採食速度が速い飼料水分は62~69%であることが推察された。一方, 初回採食時間, 採食中断回数, 平均採食持続時間には, 加水による影響は認められなかった。
    以上の結果から, 本飼養法の採食時間の短縮は採食速度が速くなったことに起因し, また採食速度が最も速くなる加水比率は, 飼料1に対し水1.3~1.8と推察された。
  • 岩澤 季之, 楢崎 昇, 八木 康一
    1997 年 34 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    新生子豚の栄養生理を把握する一環として, 豚初乳のペプチドおよび脱脂乳の全蛋白質を加水分解してアミノ酸とし, それらの動態を分娩直後から分娩後1週間にわたり比較検討した。
    ペプチドを構成するアミノ酸は Proline (Pro) が常に最も多く存在し, ペプチド全体の27~30%を占めた。Proのほか Glutamate+Glutamine (Glu+Gln) および Glycine も他のアミノ酸に比較して著しく高い値を示したので, これらのアミノ酸のみで全体の68~75%を占めた。必須アミノ酸では Arginine が最も多く, 必須アミノ酸の34~48%を占めた。全蛋白質のアミノ酸はGlu+Glnが常に最も多く, Pro, Leucine, Aspartate+Asparagine がこれに次いだ。Methionine および Cystine はペプチド構成および全蛋白質のいずれにおいても最も少ないアミノ酸であった。
    ペプチド構成の各アミノ酸は大部分が経時的に比較的安定して推移したが, 全蛋白質の各アミノ酸濃度はMetを除いて分娩直後から24時間後にかけて2/5~1/2に著しく減少し (p<0.05), その後は1週間後まで緩やかに減少した。このため, 全蛋白質のアミノ酸総量に占めるペプチド構成のアミノ酸総量の割合は分娩直後では3.6%であったが, その後は直線的に増加して1週間後には13.6%となり, 常乳期にかけてペプチドの割合が高まることがわかった。
    従って, ペプチドが乳期に関係なく乳汁中に豊富に存在したことは, 消化生理が未発達な新生子豚の蛋白質代謝を円滑にする上でペプチドが重要な役割を果たしていると推察される。
  • 古谷 修, 渡部 正樹, 阿部 博行, 清水 俊郎, 大門 博之, 佐藤 圭子, 今田 哲雄, 佐藤 金一
    1997 年 34 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 1997/04/10
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    子豚64頭を供試して, 育成期 (体重30-70kg) および肥育期 (体重70-105kg) におけるアミノ酸添加低蛋白質飼料の給与が窒素排泄量に及ぼす効果を調べた。供試飼料は標準的な粗蛋白質 (CP) 含量の飼料, 声れよりCPを4%単位低下させ, リジンおよびトレオニンを添加した飼料ならびにアミノ酸無添加の低CP飼料であった。体内への窒素の蓄積量は日本飼養標準・豚 (1993年版) に示された数式により推定し, 糞および尿への窒素排泄量は, 窒素の摂取量, 吸収量および蓄積量から算出した。
    育成期においてはアミノ酸添加低CP飼料を給与した豚の1日増体量および飼料要求率は標準CP飼料給与の場合と変わらなかったが, 肥育期の発育成績は標準CP飼料に及ばなかった。アミノ酸無添加の低CP飼料の発育成績は育成期および肥育期とも著しく劣った。
    尿中への窒素排泄量は, 低CP飼料を給与した場合に, アミノ酸添加の有無にかかわらず, 標準CP飼料に比較して少なくなった。アミノ酸添加CP飼料の平均尿中窒素排泄量は, 標準CP飼料に比較して, 育成期および肥育期でそれぞれ, 63%および68%と著しく低減された。糞中への窒素排泄量は尿中排泄量の場合ほどの差異はなかったが, 同様の傾向が認あられた。
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