本試験は肥育豚飼料原料としての大豆皮の有用性を検討した。対照区として配合飼料を給与した3頭の豚と試験区として大豆皮を給与した3頭の豚の肉質と血液性状を比較した。試験区飼料は大豆皮と配合飼料を1:9で混合して調製した。肉質において対照区と試験区の間に有意差は認められなかった。背脂肪内層と外層のいずれの脂肪酸組成においても,試験区でC18:0割合が有意(P<0.05)に高くなり,C18:2は内層と外層のいずれでも有意(P<0.05)に低くなり,C18:3は内層で有意(P<0.05)に低くなった。血中脂質には有意な差は認められなかった。本試験の結果は,肥育豚飼料への大豆皮は生産物に対して負の影響を与えないことを示した。よって,大豆皮は肥育豚の飼料原料として積極的に利用することが可能である。